勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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ドラゴン討伐

28.襲撃

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 煙の方角へと向かうと、木々の間でもはっきりと煙が見えるようになってきた。太陽の光も隙間隙間に入ってるので森自体はそんなに暗くはなく、むしろ明るい。
 木々の間を抜け、草原地帯へと飛び出した時だ。その光景は想像を遥かに超えていた。

「既に襲撃された・・・のか」

 その光景は、焼き崩れたテント、無数に倒れている騎士、生き残りがいないか、探している人型の魔物の数々。
 絶望的とも思える光景だった。生き残っている可能性は極端に低いだろう。それに、魔物以外にも騎士とは違う人の姿も確認している。あれは多分、魔王軍の兵士だろうか。
 それに、死体の数が少ない。一部の騎士達は逃げたか、或いは近くの森に息を潜めているか、どちらにせよ、状況は悪化の一途を辿っている。

「考えるより、行動だな」
「数は多いよ?」
「やるしかないだろ。生存が絶望的でも、ここを突破する以外道がない」

 チェーンブレードを生成、それと同時に走り出す。駆け足のように坂を下り、敵陣へと突っ込む。
 宙に浮きながら、鉄球のような物を3つ、魔法で回している魔物がこちらへと気付き、すぐに行動を起こした。
 その魔物の鉄球が突如と光り始め、そして、鉄球に集まった魔力の塊を3つ同時に飛ばしてきた。
 飛んで来た魔力の塊、魔力弾をジャンプで避けた時だ。地面へと触れた魔力弾は爆発し、辺りに音と煙を発生させたのだ。その爆発音は辺りにいる魔物や兵士の耳へと伝わっていた。
 ここ一帯にいる魔王軍はすぐに駆けつける。近くから足音や金属の揺れる音が響いてるからだ。更には空中にいる俺自身に気付いた者も多い事だろう。

「これは急いで片付ける必要があるな」

 人数不明の相手に対し、俺は構えていた刃をしまう事をしなかった。地面へと着地後、目の前にいる魔物へと俺は足を動かし、ダッシュする。
 魔物は攻撃しようとした時だ。

「遅い!」

 俺は目の前へと移動し、そのまま斜めに一撃の斬撃を入れる。魔物は真っ二つになりながら、地面へと倒れ込んだ。
 タイミング良く、目の前から魔物や兵士が集まる。人数も数名程度、軽く突破は出来る。だが、後ろの方、更には他の通り道に兵士や魔物が集まろうとしているのだ。
 だが、それも想定内だ。まだ動けない程ではない。

『いたぞ!囲みつつ、突破されるな!』
「既にここまで集まってるか・・・」

 既に、ほとんどの兵士や魔物はこっちに集まっている。既に逃げる進路はない。ここで出来る限り倒し、注意をこちら側へと引き寄せる。
 前方にいる剣や槍を持つ兵士達や魔物がこちら側へと向かってくる。魔物相手なら、まだ良いとしても、これは完全な命のやりとりだ。
 一歩間違えれば、こっちが飲み込まれる。

「やるしかないか」

 チェーン状へと変形させながら、前方へと飛ばし、分解する。1つ1つの刃が兵士へ向かっては爆破させる。
 そして、爆破した前方に素早く走る。煙が上がってるのもあり、視界は悪い。だが、その分、兵士達は怯んでいた。爆破に巻き込まれ、倒れているのもいた。 
 煙で視界悪い中、追加でチェーンブレードを生成し、一気に襲い掛かった。

「くそ・・・何が」
「怯むな。このまま突っ切る・・・」

 誰かが口にしてた時だ。俺はそんな彼の背中に深く斬りつけた。その者は地面へと倒れた。
 煙の中へと突っ込み、チェーンで回りながら、一気に駆け抜けた。先程、指示していた兵士が背中を深く斬られ、倒れたのもそれが原因だ。
 煙の中を抜けた時、足で地面へと接触させ、スピードを落としながら、回る。向きは先程とは逆となり、煙の方へと向いていた。

「さて、注意をこちら側へと寄せないとな」

 チェーンをブレードへと戻し、それを勢い良く真上から地面へと叩き込んだ。地響きと割れる地面、衝撃が辺りに走る。
 そしてそのまま俺は後ろへと走り去った。
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