勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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王都異変

71.広場での戦闘の後

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 数人がリーネに斬りにかかるが、何人もの魔王軍が飛ばされている。俺から見る限りでは重力系の魔法を使っているんだろうな。

「辺境の大魔導士……こいつが相手なら我々には勝ち目は無い…、下がれ下がれ」

 そんな声が上がり、兵士は一目散に逃げ出した。リーネは実力ある人物だったのか、魔王軍には恐れられている。

「あらあら撤退するなんて、つまらないわね」

 リーネはゆっくりとこちらへとやってくる。杖といくつものポーチを装着している姿は初めて見たかもしれない。

「おかえり……って言いたいところだけど、こんな状況なのよね。一応これは渡しておくよ」

 リーネがポーチから数本のマナポーションを渡してくれた。ちょうどマナポーションが切れかかっていたから助かるには助かるが、

「なぜ今俺がポーション切れだと…」
「あなたの攻撃って魔力結構使うからよ。そろそろだと思って用意していたのよ」

 あ、なるほど。全てお見通しってわけですか。一応受け取り、それを懐と腰に付けられたポーションを入れる部分に入れる。

「なぜなんなに魔王軍は怯えてるんだ。俺らが来る前に魔王倒せたんじゃないのか?」
「私は私で昔は暴れたものよ。そのうち勝手に『辺境の大魔導士』って付けられただけだし」

 俺以上に殲滅とか行っていたのか分からないが、1年前は魔王軍をひたすら狩っていたのだろう。
 話している時にトルゥとベラニア、案内役の騎士もやってくる。

「リーネさん!私達はこれからどうすれば…」
「とりあえず、正門奪還はしてもらうかしら。そこさえ奪還してくれればあとは私達で殲滅を行うわ」

 正門奪還してくれって簡単に言えるな。1番守りがたいでしょ。こちらへやって来たトルゥとベラニアにもポーションを渡す。

「こちらに戦力を集中してたはずだけど、私を見た途端に大半の兵士は撤退した。守りは固いでしょうけど、渡した数で足りるとは思うのだけど」

 なるほど、このマナポーションは奪還の際に必要な数ってところか。この数さえあれば奪還は一応可能って言えば可能だ。
 何かない限りだが、幹部とかいたら勝ち目ないと可能性の方が高い。

「この数で道を切り開けば良いのね」
「えぇ、私も後から行くからお願いね。そういえばスレイラの姿が見えないわね……」
「スレイラは別件頼んでるから、それが済んだらこちらと合流予定」
「ふぅん、なるほどね。そこの騎士見習い、私と共に来なさい」

 あ、はいっと返事した後、案内してくれた騎士はリーネについて行った。俺らは渡されたポーションだけで正門奪還へと動くが、ここまで魔王軍が動くとなると幹部も1人や2人いてもおかしくない。

「もしかしたら……、まあ行ってみないと分からないか」
「うん?どうしたの」
「いや、スレイラは頼んだ事ちゃんとやってるかなって」

 降りる時、スレイラには魔王軍兵士になりすましをするように頼んでいる。無論姿を変えてやるように言っているが、もしかしたら今は正門の方にいるかもしれない。

「とりあえず行くよ。ここにいても時間は過ぎるだけだから」
「はい」

 まずは防衛戦やら進行している魔王軍の討伐しない限り、正門には辿り着けないだろう。
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