勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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近い遺跡へと続く西の都

112.遺跡の話

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「それで依頼の話だけど」

 千夜がやっと食べ終わった。一応何か持っていこうと思い、買ったリンゴがこんな形で消滅するとは思いもよらなかったが、これで話進めれるならそれでいいだろう。

「最近この都の地下に遺跡を発見したの。多分リネちゃんがこちらにあなた達を回したのはその遺跡の調査の補給ってところかしら」

 おいおい、さらっと調査する為の人員に仕立て上げるのうにしか聞こえないのだけど。それを見越してリーネは俺らを何も言わずにこちらに送ったのか。
 でも都なのに、冒険者が足りないのはちょっと引っかかる。

「まるで今人員不足って言い方だな」
「その通りなのよ。第一調査隊の半分以上は死んじゃったのだから」

 彼女はため息をしながら話を進める。今の彼女は後悔している。第一調査隊の半分以上を死なせてしまった事を悔やんでいるのか。

「でも、前回のようにはいかないわ。今回は私とあなた以外にも4名の勇者が同行するんだから」
「まるで第一調査隊は勇者はいなかったように聞こえるが」
「ぅ……それが前回の失敗だったのよ」

 前回はどのような人数で攻略しようとしてたのかは知らない。聞く限りでは消耗は激しかったのかもしれない。
 もし仮に勇者がいたとしても魔物1匹でかなり苦戦しそうだ。

「それで生き残った連中からは魔物の特徴を聞いたのか?」
「既に話は聞いてるよ。聞いた話では魔物は集団で動くそうよ」

 集団って事は種族が団体で動く。まるでどこかのゴブリンと一緒だな。
 ダンジョンはまだ何箇所しか回った事はないが、ここのダンジョンは聞いてる限りではレベルが高いのかもしれない。
 第一調査隊ても凄腕の冒険者もいたはずだ。それなのにほぼ壊滅な状況に追い込まれるぐらいの何かがあるのかもしれない。

「前回のように撤退しないように今回は人員を増やしているのよ」
「だから先程倒れるぐらいまでお腹を空かせてたのか」

 彼女と会った時、ふらふらな状態だった。人員を集める為にご飯を食べる時間を削って走り回っていたって所だろう。
 まあともあれこれは俺らもその遺跡の探索に入るのかな。
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