勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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魔王城への進行

290.駆けつけた騎士団

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「我々も進軍する!」

 突如とリーネがそんな事を口にした。
 いきなりだな。つい数分前まで戦ってたんだが。

「魔王城までの道のりはそんなに遠くはない。だけど、第一課題は壁よ」

 ここからでも見えたが、あれは想像以上に高く作られている。
 そう簡単には攻略されないように色々と仕掛けも用意しているはずだ。
 そこに突撃したとしても、中に侵入出来るのは半分もいないだろう。

「多分壁も魔法障壁は展開されているでしょうね。だけど、物理的に破壊は可能よ」

 そういう事か。魔法障壁は魔法をほぼ無力化するが、物理系の攻撃は想定してないはずだ。
 城全体を取り囲む魔法障壁を張ったとしても、物理系の障壁を展開するのは難しいはずだ。
 まあ、砦の何倍もある魔王城をそう簡単に攻略はさせてもらえないだろうがな。

「でも戦力的には我々だけでは厳しいのでは・・・」
「正直言って厳しいわね。もっと欲しいぐらいよ」

 壁に何らかの仕掛けがあるなら、彼女の言う通り、戦力はかなり必要になってくる、
 場内に入れたとしても今までにない戦力を古知屋へと回してくる可能性とある。
 これを聞いてるのは約100人程度だ。出撃にその数十倍集まるなら、多少は希望がある。
 だが、もう我々にはそんな戦力が残ってない。
 だからこそ、壁破壊作戦を展示したのだろう。

「開始は2日後、魔王軍と中央騎士団の戦闘が多少緩んだ時が勝負よ」

 その言葉に騎士達は叫ぶのであった。
 騎士達を解散させた後、投石台と対空砲の点検や、武器の整理、魔法結晶がどれくらい残ってるかなど、確認作業が始まった。
 あとは今の時点でマナポやポーション類はどれくらい残ってるかもある。
 この砦には約1万人程はいるだろう。少しでも動ける人を集めるのが攻略の決め手にもなるかもしれない。


「くそ、騎士のくせに手強い」
「油断するな。まだまだいやがる!」

 草原のど真ん中、そこでは今も戦闘していた。
 五分五分とも言える戦場に真横から増援の如く、攻めて来る者達がいた。
 そう、トラベル率いる騎士団だ。

「進め!中央騎士団を援護するのだ!」

 剣を兵士達へと向け、魔物を更に早く走らせる。
 騎士達も叫びながら、彼女の後ろをついていく。
 そして、戦闘は大きくなっていく。

「敵の増援だと!あっちは攻めていたはずじゃ・・・」
「多分あいつらは攻める前に増援で出た可能性がある」

 兵士達はそんな会話をしながらも、騎士達と戦い続けるのであった。
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