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魔王城への進行
293.壊れてゆく壁
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「ん?いきなり霧が出てきたか・・・」
「昨日から異常だよなぁ。近くで霧が何箇所かに発生してたってよ」
壁の屋上、兵士達はそんな会話をしていた。
「それにしても今日はやけにひでえな。かなりの高さがあるのに、もうほとんど下が見えねえ」
「こんなタイミングで襲撃されたら、一溜まりもねえな」
「こんなに視界悪い状態でか。場内にも侵食されてるし、晴れるまではここで待機だろうな」
そんな会話をしている時、小さな音が聞こえてきた。
会話をしていた1人の兵士が気付き、外を見るが、霧のせいで何も見えない。
「どうした。何か見つけたのか?」
「いや、変な音が聞こえたからてっきり攻めて来ているのかとー」
喋っている時、大きな揺れが彼らを襲った。
屋上にいた兵士達全員がその場に倒れ込む。揺れが収まり、立ち上がろうとする。
「一体何が・・・」
「て、敵襲だあああ!!」
大きな声で叫んだ時、次々と揺れが彼らを襲った。
「よし、装填した後、発射だ!」
リーネは大きく声を上げた。丸い砲弾が次々と投石台から発射されていく。
大きな弾丸は対空砲の実弾だったらしく、そちらもセットしては発射されていた。
「あの対空砲、そんな使い方も出来たのか」
「魔法だけが取り柄じゃないのよ。実弾も使わないとね」
視界悪いのによく命中するな。ここからでも壁に当たった音ははっきりと聞こえてくる。
多分角度調整は既に済ませているのだろう。
「ほとんどの窓は潰れたけど、まだ開通はしてないようね」
リーネは視界が悪い中、水晶を片手に喋っていた。
次々と発射されていく砲弾は壁へと当たっていく。それでも、まだ開通とまでは言ってないようだ。
「少しずつ角度をずらしていって。突撃する時に窓が残っていたら、狙われるわよ」
その言葉に騎士達は微妙な角度調整をしてから、砲弾で攻撃をする。
その繰り返しで、次々と弾が壁へと攻撃をする。
ほぼ全ての砲弾を使用するらしく、次々と装填されては打ち続けている。
何十発もある砲撃でリーネはギリギリ壁を破壊出来ると言っていた。今はどうなっているかは知らんが、かなり地響きが響いているだろうな。
「どこから攻撃してきている!」
「壁を破壊しにくるか・・・、くそ!この霧じゃ分からねえ」
「ここは危険だ!お前達も地上へと降りろ!」
地響きがしてる中、壁の屋上へといた者達は慌てるかのように移動をしていた。
壁の中にいた連中の一部は瓦礫の下敷きになっている者も少なくはない。
中庭の方でも地響きの中、懸命に耐えている連中もいた。
「これは壁が破られるのも時間の問題ですね」
「この状況を打破する方法は・・・」
「ない。魔法障壁を逆手にとった作戦よ。今の状況で打破なんて無理よ」
ベレニアスは近くにいた兵士へと言った。この状況を打破する事など、最初から無理と彼女には分かっていた。
崩壊していく壁を見ながら、腰に装着している剣へと手を当てた。
「昨日から異常だよなぁ。近くで霧が何箇所かに発生してたってよ」
壁の屋上、兵士達はそんな会話をしていた。
「それにしても今日はやけにひでえな。かなりの高さがあるのに、もうほとんど下が見えねえ」
「こんなタイミングで襲撃されたら、一溜まりもねえな」
「こんなに視界悪い状態でか。場内にも侵食されてるし、晴れるまではここで待機だろうな」
そんな会話をしている時、小さな音が聞こえてきた。
会話をしていた1人の兵士が気付き、外を見るが、霧のせいで何も見えない。
「どうした。何か見つけたのか?」
「いや、変な音が聞こえたからてっきり攻めて来ているのかとー」
喋っている時、大きな揺れが彼らを襲った。
屋上にいた兵士達全員がその場に倒れ込む。揺れが収まり、立ち上がろうとする。
「一体何が・・・」
「て、敵襲だあああ!!」
大きな声で叫んだ時、次々と揺れが彼らを襲った。
「よし、装填した後、発射だ!」
リーネは大きく声を上げた。丸い砲弾が次々と投石台から発射されていく。
大きな弾丸は対空砲の実弾だったらしく、そちらもセットしては発射されていた。
「あの対空砲、そんな使い方も出来たのか」
「魔法だけが取り柄じゃないのよ。実弾も使わないとね」
視界悪いのによく命中するな。ここからでも壁に当たった音ははっきりと聞こえてくる。
多分角度調整は既に済ませているのだろう。
「ほとんどの窓は潰れたけど、まだ開通はしてないようね」
リーネは視界が悪い中、水晶を片手に喋っていた。
次々と発射されていく砲弾は壁へと当たっていく。それでも、まだ開通とまでは言ってないようだ。
「少しずつ角度をずらしていって。突撃する時に窓が残っていたら、狙われるわよ」
その言葉に騎士達は微妙な角度調整をしてから、砲弾で攻撃をする。
その繰り返しで、次々と弾が壁へと攻撃をする。
ほぼ全ての砲弾を使用するらしく、次々と装填されては打ち続けている。
何十発もある砲撃でリーネはギリギリ壁を破壊出来ると言っていた。今はどうなっているかは知らんが、かなり地響きが響いているだろうな。
「どこから攻撃してきている!」
「壁を破壊しにくるか・・・、くそ!この霧じゃ分からねえ」
「ここは危険だ!お前達も地上へと降りろ!」
地響きがしてる中、壁の屋上へといた者達は慌てるかのように移動をしていた。
壁の中にいた連中の一部は瓦礫の下敷きになっている者も少なくはない。
中庭の方でも地響きの中、懸命に耐えている連中もいた。
「これは壁が破られるのも時間の問題ですね」
「この状況を打破する方法は・・・」
「ない。魔法障壁を逆手にとった作戦よ。今の状況で打破なんて無理よ」
ベレニアスは近くにいた兵士へと言った。この状況を打破する事など、最初から無理と彼女には分かっていた。
崩壊していく壁を見ながら、腰に装着している剣へと手を当てた。
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