対異世界防衛学園

くノ一

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メインストーリー

42.チェスプレイ5

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 今の所作戦通りとは言えないが、一応こちらのペースで進んでいるか。
『こちら西側、敵機と遭遇、交戦の末撤収します』
『東側は順調に進行中』
 今の所支障は無いか。いや、怖すぎるほど順調に進み過ぎている。白が動けないだけなのか、作戦で動いているのか、そこが読めない。
「今回は早々に決着は着けてくれないって事か」
 今回ばかりは考えて行動をしている。今の手駒とマップの配置などを再度確認した。既に2機は行動不能にされているが、白の陣営は既に3機行動不能にしている。
 状況は今の所こちらが有利だが、いつ白が仕掛けて来るかは分からない。
 東に進めている6機と後方に待機させている3機は今の所敵に遭遇してない。むしろ西側に戦力を投入しているように見える。最低限の守りと最大の戦力を持って潰すって所だろう。
「まだ始まったばかりだし、動こうにも早過ぎるって所か」
 まあ、今は削り合いで敵戦力を削っていくか。

『東側から数機確認。こちらは撤収します』
 東側には3機の迎撃アーマーを待機させていた。だけど、それ以上の数を分散しながら前進させて来たのだ。これ以上小競り合いで戦力を減らされるなら、後方からの支援を受けながら迎撃を展開させればいい。
 だけど、これ確実に後方にも機体待機させてそうなんだよなあ。前に似たような事あってボロボロにされた事あったし。
「…………罠だろうなあ」
 そう確信した時、私はマップと機体に指示を出した。今は西に戦力を集めている最中だから、そっち方面の守備を強化しておこうかな。
 ピピっと音がなる。10分が経つという合図が今なったのだ。

『敵機確認しましたが、後方に下がって行きました』
「そのまま周囲警戒しつつ、前進」
 このような指示を出しても、多分西側に守りを固めるだろうな。東側の戦力を後退させる事は東は守りは少ないのだろう。
「西側の守りと迂回うかいルートをして、強襲するように4機用意しておくか」
 一番近いポイントにいる4機を敵がいなさそうなポイント順に迂回ルートを選択する。
 多分このルートだと、敵に遭遇したとしてもすぐに対処可能だろう。
 白が突撃を開始する前に戦力を削っておきたいところだ。
「西側の守備を強化しておくか。いつでも銃撃出来るようにしておいてくれよ」
 俺はそのように祈るしかなかった。
 東側は端までマップ埋め出来たようで、敵陣営の主力は中央から西側に守りを固めているみたいだった。こっちとして確認出来るのは東側沿いに3機確認していた
「東側は現在確認取れている敵機に銃弾を浴びさせてやれ。無人機はこちらが操作する」
『了解』
 3機は有人機でも残り3機は無人機だ。一応3機程度はこちらで動かせる。実際には全機を一斉に動かす事も可能なんだが、そこまで今はする必要性はない。
 3機の無人機のメインカメラを開き、勢いよくキーボードを打つ。ピピピっと音が響く中で、俺は3機の射程の目標ポイントなどを入力、そしてそのうち一機の操作を自ら行う。
 まあ、ゲーム感覚でマウスとキーボードでやるんだけどね。ちなみにネットゲーとかによくあるFPSとほぼ同じ操作でやっている。
 片手のライフルを構えながら移動する。岩場などに隠れながら撃っている機体に横からペイント弾を浴びせる。
 普通はここまで的確には狙えないが、特訓などの練習も兼ねてた為に出来ている。普通に素人がやると半々だろう。
「とりあえず、残りの機体を撃破しつつ、周囲を縮ませていけ。相手を身動き出来ない状態まで持っていくんだ」
『りょ、了解』
 通信で後ろの有人機に伝えた後に、前へと前進をする。西側の防衛は念の為に固めている。こちら側から攻めれば、敵は確実にかごの中にいる事になる。
 激しい銃撃戦になりながらも、俺は無人機を一機を前進し、確認している敵機の近くまで移動させた。戦線を維持しつつ、敵の行動範囲を潰すためだ。
 だが、先程の前進させた無人機が1発のペイント弾が胴体に命中し、機能停止をした。
「あら、遠距離からの射撃か」
 場所は分からないが、相手の陣地のこちらを見渡せる場所から射撃したのだろう。
 更に後方に二機の機体が潜んでたのか、援護をするかのように射撃をし始めたのだ。
「潜めてたのか…」
 ここまでの行動は予想外だ。むしろこちらに戦力を投入するって事は、向こうは少数で守れてる事になる。
 ここの戦力だけでは突破は難しそうになっている。敵機の配置がこちらが動ける範囲全域に撃ち込める位置にいるのだ。
「だけど、ここはもうここ待機させておいて問題なし、そろそろ連絡が入ると思うが」
『目標ポイントに到達。敵機がよく見えます』
「今の生存機全機で会っているか」
『です。霧で少々視界は悪いですが、何とか全機確認出来ます』
 カメラワークを切り替えつつ、俺も確認をする。数えるだけでは敵の配置は完全に掴んだ事になるなこれ。
「分かった。突撃は控えて待機」
『了解しました』
 これで相手の駒が見えてくる。この配置だと突撃をすると包囲され、周りからペイント弾を撃ちまくるで集中砲火にしてくるであろう。
 だけど、守りにも完璧など無い。微かな穴も実際にはあるからだ。
「なら、やって見るか。既にこちらの攻撃態勢は出来ているからな」
 そして一気に命令を投げるのであった。

「そろそろ動くと思いますよ」
「霧っていう悪天候でも零は穴という穴を見つけてくるからねえ」
 まあ、このフォグスコープがあれば霧なんてあったとしても綺麗に見せてくれる。最近はコンパクトになってるのか、メガネと変わらない程だ。
「あそこに三機配備している時点で、距離感からして機体は全機確認しちゃってるでしょうね」
 隣では同じくフォグスコープを装着しているアリサがそう言っている。
 まあ、こんな状況で嬉しい事が一つ。途中からペイント弾が1発も飛んできてない事かな。2人が真剣になると、僕の存在を忘れてくれる。
 だけど、そんな事を考えてるから隣から電流が流れている針が僕の体に刺さるんだ。
「……って、なんか体が痺れるんですけど!!」
「気のせいでは無いですか。こんな状況で針投げる人なんていないと思いますけど」
「いや、ならあなた様が持っている針は何ですか…」
 体が痺れる。てか、これ投げる為にアリサとの間に展開していたシールドがなくなってる感じがするんですけど。
 う、動けない。まさか安心からか変身してないから余計にキツイ。

「さあ、何処からでも攻めてらっしゃい。この完璧な防衛を突破出来るかな」
 私の考えた作戦。零が何も知らずに突っ込んでくるのが目に見える。配置さえばれなければの話だけど。
 でもさっきから銃撃戦を展開しているだけで、全く攻めてこないんだよねえ。まさかだと思うけど勘付かれたとかないよね。
『二機が突っ込んで来ました』
「なら迎撃で、このままの調子でお願い」
 やっと突っ込んで来たか。ならこの調子で一機ずつ潰せれー、
『右側から射撃及び数機突進して来ました!』
「え……」
 ちょっとちょっと!最初の二機は捨て身の目線を向けさせる為なの!まさか横から強襲して来るなんて分からなかった。
『横から強襲受けたせいで、陣形崩れました』
『流れ込むかのように攻めてきます』
 陣形が崩れるのを図って、一気に攻めるなんて。
「陣形立て直し、東の防衛のうち二機は戻って応戦。被害は大きくなる一方だから、焦らず後退」
 ここまで崩れると立て直し無理かも。一機ずつ確実に潰しに掛かってる。被害は既に6機って所かしら。
「むむむ、やってくれたわね」

「森林方面の守り捨ててたのが裏目に出たね」
 森の方から1機の援護射撃。そしてその後から最初突撃させた無人機の2機を追うかのように陣形を崩れたところを5機の突撃。6機の撃破に成功はした。あとは粘りつつ潰しに行くだけ。
「陣形崩れば、戻すまで時間が掛かるはずだ。なら攻めるなら駒がある方がいい」
 だから、俺は駒を動かすのに専念した。
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