対異世界防衛学園

くノ一

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メインストーリー

47.開戦2

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「葵、そっちからミサイル撃ち込んでから次のポイントに移動」
『こちらD班。敵さんの抵抗が激しい。向こうから援軍寄せてくれないか?』
「拡散させて後方へ下がって。上手く出来れば誘導出来るかもしれない」
『分かった』
 通信で次々と指令を出していく。相手チームも考えたものだ。俺らが拡散してくる事も計算に入れて行動をしている。
 先程のクラスとは少々攻略は難しいかもしれない。
『一応ポイントに到着。予定通り敵さんが通路を通過中』
「なら狙って殲滅して」
『OK』
 遠くからでも分かる通りに激しいビーム砲にしか見えない。あれを間近で食らうのは勘弁なんだけどな。
「相手チームの数も減っている。順調にポイント稼ぎに行くぞ」
『『了解』』
 出す指示はこんなもので大丈夫だろう。相手の数も減ってきてる事だし、攻めれば相手は終わる。この試合は楽だったかもしれない。

「お疲れ」
「いやあ楽な試合で良かったよ」
 試合に参加してたメンバーがそれぞれで言葉を交わしていた。俺は今回は命令しか出してないから戦線には参加してない。
 一応司令塔としては活動してたんだけど、今となってはどうでもいいだろう。
「いやあ零君の指示はホントに助かるなあ。何があったらそんな事出来るんだよ」
「簡単な事だよ。戦略ゲームやり込んだから大抵の知識はあるんだよ」
 隣で潤が話し掛けてきたので、それに答える。戦略ゲームという名のリアル模擬試合をやっているのだ。それなりに知識はつく。
  今回の相手は苦戦したけど、二歩読んでいれば勝てる相手だった。だから俺は行動を予測して指示を送ったに過ぎない。
「それで次の対戦チームってどこなんだ」
「さあ、明日だからなあ。結果は夜に出ると思うよ」
 今日は連戦だったし、疲れている者も多いはずだ。あまり動いてない俺でさえ疲れてるんだ。
「潤こそ今日は休んでくれよ。明日はもっと働いてもらうからな」
 そう言っておいて明日は仕事させる予定にはしてある。それに気付いたのか、潤はそっと下がっていく。
「まさか、死ぬ気で突っ込めじゃ無いよな」
「よう分かったな」
「マジかよ…」
 突っ込ませるだけでもいい囮にはなるだろう。まあ、俺の場合死ぬつもりでやらないだろうが。

 今日はその場で解散となり、明日9時にここに来るように先生が言っていた。明日もやるとなると疲れも倍に感じる。
「お疲れ。はいこれ」
「あぁ、ありがとう」
 家に着いてソファーでぐったりとしてると葵が飲み物を渡してくれた。それを飲みながらも明日の作戦をかんがえる。
「何かいい案でも思いついたの?」
「いいや、何も」
 今の所考えられる事はあまりない。今の状態で行動パターンを変える必要だけでいいと思うが、相手はどのような戦法を使ってくるかは分からない。
 考えるだけではいい案はまとまりそうに無いな。少し休憩を挟みながら何か取り組んでからでも遅くは無いだろう。
 自室に戻り、棚からとあるCDを取り出す。それをPCへと入れる。
「癒しと言えばこれしか無いなあ」
 入れたのは音楽CDだ。時たまに良いのを買っては溜め込んでたりしている。このCDもその一つだ。
「やっぱこの曲はかっこいいなあ」
 そう思いながらもノートへと作戦案を考える事にした。

 次の日、会場は一般客とかが多く出入りしていた。
「昨日より人多くない?」
「言われてみれば多いな」
 観客席は昨日よりも遥かに多くの人が座っていた。まさかとは思うが、今日が決勝試合とか無いよな。
 廊下から潤が慌てて走って来た。息を切らしながらも言葉を出した。
「次の試合が決勝だってよ。更にS組って情報だ」
 マジかよ。実力や魔力の量などあっちが上じゃないか。昨日考えた作戦を時間内に再度見直す必要が出てくる。
「試合開始まであと何分間ある?」
「確か1時間ぐらいかな」
 葵に聞いたが、多分開始は10時半だろう。それまでに作戦の見直しをやらないといけない。
 昨日考えた複数の作戦は通用しないと思われる。今出来る事、考えられる範囲で新たな作戦を考え直さないと俺らは負けるであろう。
「潤、相手チームの情報は公開されてるか」
「多分ね。それを持って来ればいいのか?」
「お願いだ。すぐに持って来てくれ」
 相手情報があればどんな行動をするのか少しは読めるだろう。
 今は何よりも情報があまりにも少なすぎる。まずは情報収集が先だろう。
 あおいにはここにいてもらうとして、クラスメイトに動いてもらうしか無いだろう。クラスメイトの知っているメールへと何通か送る。
 返信も帰って来ては動いてくれるそうだった。
「今は報告を待つしかないか……」
 一刻を争う時、動いてくれている者の情報を待つしかなかった。
「一旦落ち着いたらどう?」
「まあ、仕方ないか。まだ時間はある。それまでに報告が来ればいいのだが」
 報告がなかったら昨日考えた作戦の一つを使う事になるであろう。それだけは何としてでも避けたいと願った。
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