対異世界防衛学園

くノ一

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メインストーリー

48.開戦3

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 作戦は急いで考えたが、これが通用するかは分からない。だが、ぶっつけ本番だ。シュミレーションをしなくとも、俺の勘を信じないといけない。
「葵、始まったとともに配置につけ。俺は一旦戦線へと向かう」
「分かった」
「他の皆は俺が合図を出すまでは防衛を優先」
 合意を得て、スタートの合図に数人だけ残り、全員駆け出した。
 ビルの上を走りながら俺はマーキングを行っていく。S組だ。どこまで手が通用するか分からない。中心まで移動した後、その付近に隠れながら待機する事にした。
 相手チームのメンツが来るのを待ってから来た時に襲う為である。

 数分待った後、敵の班が中央を取る為に噴水まで来ていた。待機していて正解だ。サプレッサー式のハンドガンを構え、地面へと撃つ。その弾は噴水の後ろに隠れている2人の後ろのビルから出現し、1人の頭に命中する。
「どこから……」
 冷静だ。1人が倒れたっていうのに、あの女子はかなり冷静でいる。なので今度は真正面から命中させるとするか。
 もう1発今度は地面ではなく真横の位置にいるここからハンドガンで頭を狙う。
 1発命中し、その場で倒れた。
「これでよしっと」
 俺は来ないことを確認した後、通信で指示を送る。
「行動パターンB開始だ」
 それだけを送った後、あと数人片付ける為にサプレッサー式のハンドガンをもう一丁取り出し、相手の陣地へと走り出した。

「中央取りに行った2人の連絡は」
「途絶えました。既に待ち伏せされてた感じかと」
「意外と相手早いね。相当な実力者がいるならかもしれないね」
「だな。俺ら以上の戦闘力を持ってる奴は1人しかいない」
 ここはS組陣地、そこで会話が飛び交っていた。
「中央は諦めるしかないな。相手は防衛か?中央取っているなら攻めてくるはずだが」
「防衛班Bが何者かと交戦。全滅した模様」
「攻めてきてるじゃない」
 霧上は何かを見つめるように戦地へと目を向けた。そして答えが出たかのように呟いた。
「きっとあいつが現れたのだろう。俺の出番だ。班をいくつか前進させておいてくれ」
「分かったけど、勝つ見込みは?」
「ない。だが、全力で潰しにかかるよ」
 虎の言葉に正義は素直に答えた。彼もプライドっという物があるのだろう。目の前の敵を仕留める為に戦地へと足を運んだ。

「奇襲かければS組も何もないな」
 油断は出来ない。俺が思っている奴の方がまだ実力はあるだろう。今頃何個かの班が戦線へと向かわせているはずだ。まあ、これはあくまで俺の予想に過ぎないが、だから防衛部隊の位置を事前に決めて教えていた。
 ハンドガンを構え直し、壁に撃ち込む。壁の向こうに2人確認して頭を狙い倒す。魔力の節約を一応しておきたいからである。
 そろそろ本命が動いているはずだ。俺を倒す為にな。だから俺は本気で相手する。ここで諦める俺ではない。
 すると何者かがこちらへと近づいてくる音が聞こえてきた。 俺は一本の道の先へと銃口を向ける。
 今俺が一番相手にしないといけない相手、そいつが俺の目の前に現れてくれたのだ。
「君が戦線に出てきていると思ったよ」
「お前がここへと来ると思っていたよ」
 それぞれが銃口を向ける。どちらも気を抜けない、本気で潰しに掛かるであろう。
「君の実力、1度は見ておきたかったけど、それは仕方ない。俺の実力、君に見せてあげるよ」
「なら俺も本気で相手させてもらう」
 2人は同時に走り出し、撃ちあった。俺は霧上の弾を落とすように打ち続けて、そして近接へと持ち込んでいく。
 格闘をしながら銃口から発射される。だが、両者は撃っているが、それは全て避けてる。
「なかなかやるな」
「君こそ」
 俺と霧上、2人の格闘をしつつ後ろへと下り撃ち合いをする。弾は空中で全て弾いた。霧上は撃ちながら空中を一回転し、着地をする。
「思ってたよりはやるみたいだな」
「S組の代表に言われたくないなそれ」
 互角とも言えるだろう。だが、今の状況で彼は気付いてない。俺はもう準備を終わらせている事に。
 霧上が前へと前進する。そして何かに反応するかのように壁から銃弾が彼に向けて飛んでくる。
 霧上は何発かも分からない弾をステップをしながら1発ずつ落としていく。それでも数発は体をかすった。
「く……!」
 彼は少しダメージを受けながら立ち上がる。
「舐められたものだ。まさか罠を張ってるとはな」
「罠ではない。それに魔力による壁の中へと閉じ込めてたに過ぎん」
 傷と言ってもまだまだ身軽に動ける程だ。ここでやられる訳にはいかない。
 霧上はマシンガンを捨てて、後ろから剣を取り出した。
「これで決着をつけさせてもらう」
 先程とは思えないスピードで近付いてきた。最初の一撃をハンドガンで受け止めるが、そのうち左のハンドガンを飛ばされてしまった。
「成る程……実力は想定以上だ」
 片方のハンドガンで連射するが、全て剣で弾かれる。目と行動、彼は俺と同じ事が出来るってことか。
 ハンドガンを左へと持ち直し、折りたたみ式の剣を取り出す。カチッと音がなった時に、ハンドガンで撃ちながら近付いていく。
 防ぎながら徐々に接近し、仕留める。だが、倒すのに時間は掛かるだろう。剣で攻撃を加えつつ、撃ち込む。
 いつ、ハンドガンを飛ばされるかは分からない。だからその前に仕留める。
「おりゃあ!」
 彼は的中する弾を弾きながら接近し剣でハンドガンへと入れ込む。そして大きく空へと飛ばされた。
 まだ全力までは出してないが、相手の実力を甘く見過ぎた。ハンドガンなしの接近戦バトルの開幕って訳か。
 だからこそこいつには俺の全力を見せておく必要性がある。俺はほんの数秒で考えを改めて、彼に全力で相手する事を考えた。
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