対異世界防衛学園

くノ一

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メインストーリー

7.生徒会長さん

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 先に施設から出たのは零だった。今日は早めに帰って色々とやっておかないといけないと零自身が思ったことだった。授業は午後3時終了みたいだ。今日は金曜日、明日は少し休めそうなどと考えながら近くのスーパーなど足を運んだ。
 男子寮や女子寮なら大抵バイキング形式の食事場がある。だが一部は料理したいためや零達のようにシェアハウスだと大抵料理をする必要がある。一応シェアハウスにも似たような物はあるが、人がいつも混んでるのでなかなか中に入れないのが現状である。
 路上を歩きながら零は昨日よったスーパーを探した。他にも帰る生徒は零意外でも何人かいたのだが、そのまま真っ直ぐ帰宅するようだった。
 スーパーを見つけて中に入ると何人か生徒がいた。
「この人達も自炊なのだろう」
 零の口から吐くように呟いた。買いたい物を選びながら野菜コーナーで、
「おや、今年の新入生ですか?」
 後ろから女性の声らしき声が聞こえたので、零は後ろを向いた。金髪の長髪の女性がいた。
「えーと、入学式の時の模擬戦に参加されていた先輩でしたっけ」
 恐る恐る零は質問してみた。
「当たりですよ、私は美濃優子です。一応学園の総合生徒会長をしています」
「私は光咲零です」
 総合生徒会長ですっとニッコリと美濃会長が答えた。総合生徒会長…聖魔学園は三つの学校がある。一つは高等部から入学してきた人達が通う第二聖魔高等学園。そしてこの先輩が通うのは中等部からここにいる生徒達、第一聖魔高等学園。そして最後が中等部から通う聖魔中等学園でなりたっている。勿論全ての学園には生徒会がある。その生徒会が集まりその中での生徒会長がこの美濃会長なのだ。
「あらあら復習ですか?関心ですね」
 彼女は意識を集中した相手の心を見ることが出来るスキルを持っている。対象は一人じゃなくても複数でも出来るのが恐ろしいと思われる。
「新入生にしては自炊とは関心ですね」
「シェアハウスなので」
 零はそう答えて、野菜売り場にあったとうもろこしを手に取ってカゴに入れた。
「私も頑張らないといけませんね」
 美濃会長はステステと必要な物をカゴに入れて、
「また会える機会がありましたら会いましょうね、光咲零君」
 そしてそのまま立ち去っていった。零はその後ろ姿をただ見ていた。

「こんな物かな」
 零はスーパーから出て袋の中身を見た。買ったのは肉や野菜やパンや牛乳などを購入していた。そのまま寮であるマンションに向けて歩いていた。マンションは学園から徒歩10分辺りにあるが、スーパーなどによっていた為遠回りして帰っていた。
(しかし…ここから第一聖魔高等学園から少々離れているのになぜ会長さんはここに来たんだろう)
 零は不意に思っていた。スーパーは第二の方が近いところにある。第二だと400mで第一だと1km以上離れている。
 そんな会長が足を運ぶはずがない。あったとしたら何か目的があって来た可能性がある。そんなことを考えていたらマンションに着いた。零と葵の使っている寮部屋について入った。零達が使っているのは4階の部屋だ。一番端にある部屋なので何かと分かりやすい。
 室内に入るとまだ葵が帰ってないようだった。妖美辺りと一緒に回っているのだろう。手洗いうがいして買ってきたものを冷蔵庫に入れてから、ソファーに座った。
「これから大変だなあ」
 独り言を呟いたその時、
「ただいまあ~」
 玄関から声が聞こえてきた。どうやら葵が帰ってきたようだ。そのままリビングに入って来て、
「零はもう帰っていたのですか」
 そう言いつつ零の隣に座った。零は微笑みながら、
「今日は何にする?」
 「そうだねえ…それじゃあお好み焼きかな」
 零の質問に葵は少し考えてから答えた。お好み焼きをする材料は既に零は購入してた。今の時刻は4時を過ぎた時間帯だ。夜ご飯にするには早すぎる時間だ。
「明日の予習とかしておくよ。晩ご飯は後で準備するから」
 そう言って部屋に移動を始めた。
「あ、そうそう。手洗いうがい忘れずにね」
 零の言葉に"はーい"と葵は答えた。

 零が部屋に入ってから一時間程経った時、
「もうこんな時間か」
 零は時計を見た。今の時間は5時48分だ。ふと思い出したかのようにリビングに戻った。夜ご飯の準備とかをするためだ。リビングのソファーには葵が疲れ切ったように寝ていた。
「ご飯出来たら起こさないとなあ」
 零は落ち着いた顔で冷蔵庫にしまっていた食材を取り出した。調理を始めた。

 調理して30分後に、葵は目を覚ました。寝ぼけた顔でキッチンの方を見た。そこにはすでに零が焼き終わったお好み焼きをテーブルに運んでる最中だった。
「おやお嬢さん、お目覚めですか?」
 ニッコリとしながら零は葵を見た。テーブルにはお好み焼きが2枚ずつ入った皿が二つ置かれていた。
 葵は起き上がり、まず顔を洗った。スッキリさせる為である。それでうがいも済ませてテーブルにあるイスに座った。
「お好み焼きが二枚かあ…ちょっと多くないですかこれ」
 「いいえ、いつものことでしょ」
 零は即答しつつ作ったタレを掛けて食べ始めた。"いつものことか"と葵は思いつつお好み焼きにタレと鰹節を掛けて一口口に入れた。
「やっぱ零の料理は何させても美味しいよ!!」
 そう言いながらお好み焼きを黙々と幸せな顔をしながら食べていた。零も苦笑いしながら食べてた。

 食べ終わった後、零は後片付けをしていた。
「葵、後の片付けしておくから風呂に先入って」
 テーブルを拭いてた葵に零は言った。
「あ、うん。先に入るね」
 そう言ってテーブルを拭いてた付近をテーブルの上に置いてリビングから出て行った。零は洗い終わった食器を拭き終わったら、食器をカゴの中に置いてソファーに座った。
(少しでも実力を隠蔽しないとなあ)
 この学園にはAクラスより上のクラスがある。実力や魔力が高い人達だけ集めたエリートクラス、Sクラスがある。定員数は20人であり、一人一人が高い戦闘力を誇るらしい。零や葵もSクラスに入れる程の実力はある。だが行きたくない理由があるため、あえて実技試験では手を抜いてた。幸いそれでAクラスなのだから零達も一安心している。
 第一や中等部の方では0クラスという事になっている。実の姉である藤咲来夏も0クラスの一人でもあるためだ。色々と面倒くさい事になると予想して実力を隠して試験に挑んだ事になる。
 今日の実技で多少の実力は、先生側には大きな話題になっていることであると予測されている。今後Sクラスとの合同練習などもある。そこで何もトラブルなく練習が出来れば問題ないが、何かとあればSクラスを相手にしないといけない。
 Sクラスは主に魔力がA以上実力A以上が主な構成だ。魔力がSでも実力がCとかなら選ばれる事は滅多にない。魔力を操作出来る人が稀にいる。スキルの気道を使って魔力のちょうせいなどだ。気道を極めれば極めるほど魔力の流れも変えれる。零は身体検査では魔力操作で反応の結果を操作したのだ。葵の魔力検査でSがでたのはただ単に気道というスキルを持っていなかっただけである。
 普通に複数のスキルを同時に使用するのは魔力の強さで使用時間が限りがある。例えば魔力がCだとすると30分程しか使用出来ない。魔力は特訓次第で使用時間が伸びる。そもそも魔力の強さはその人がどれだけ使用出来るかで、使用時間が長い程評価が高くなる。それは魔力の粒子で分かってしまうので検査で見ることが出来る。それが身体検査をする大きな理由である。
 そうこう零は考えているうちに葵が風呂から出てきたのか、パジャマ姿でリビングにやって来た。頭を拭きながら、
「零~、風呂から出たから今のうちに入ってね」
「そのニッコリ顏に何かと裏がありそうなんだけど」
 ニコニコしながら零の座っているソファーに寄り添い、
「零が真剣に考える時は大抵の今後とか私のためなんだから」
「……」
 葵の言葉に何も返せない零は天井を見ながら葵の話を聞いてた。
「少しは休もうよ。道場でも家でもいつも私のために行動したりしてたんだから」
 葵は零の隣に座り零に抱き付いた。
「明日は気分転換にどこかで休も」
 そう言って零から離れようとしなかった。零は頭を撫でながら、
「と言って……ただ単に抱き付いてリフレッシュしたかっただけでしょ」
「あれ、ばれてた」
 そう言って葵は零の側から離れた。
「いつも良いこと言っていると思ったら、毎回抱きつき行動してるから瞬時にわかっちゃうよ」
 零はため息ついた顏しながら廊下に出る扉の前に立ち、
「それじゃ風呂入るから」
 スタスタと廊下に出て行った。
「なんだ、図星なのね」
 そう言って後ろ姿を見ながら葵はポツリとこぼした。
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