対異世界防衛学園

くノ一

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メインストーリー

8.生徒会からの通達

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「さて、今日はどこ行くですか~?」
 葵が零と一緒に出かけていた。入学してから3日目は土曜日で学校がお休みだ。なので見物ついでに出かけることにしたのだ。実際は昨日の夜の出来事であった。

~昨日の夜~
『零くーん。明日休みだからちょこっと来ない?』
 突如姉である藤咲来夏から電話が来た。今はそれを取って話をしているところだ。
「来姉。急にどうしたの」
『いやあ…明日休みだからさ、生徒会に来ないかなあってね』
 生徒会?っと零は頭を傾げながら考えて思いついたかのように、
「総合生徒会の事だよね」
『あれ…知っているなら話が早くて助かるよ弟よ』
 やっぱりかっと顏をしながら零は来夏の話を黙々と聞いていた。
『生徒会長さんが『今年の新入生代表が降りてしまったから、代わりの人材が欲しい』って言うから私がそれを引き受けたのよ』
「それで俺と葵に入ってもらおうと?」
 零の言葉に来夏は顔色変えずに質問に対して、
『人材が欲しいのは第二の生徒会よ。あそこから正式に総合生徒会の方に入ってもらうの。そうじゃないと困るもの』
 生徒会のメンバー補充と例えた方が早い。どうやら総合生徒会の方で一定数のメンバーが集まらなかったらしい。新一年生は欲しいのだろう。
『なので明日総合生徒会の方に来てもらうから』
「生徒会に行って何するの?」
 明日はどこ行こうかはまだ決めてなかった零は来夏の頼みをどうするかはまだ決められない。この話を聞いてから葵と相談して行 から決めようと考えていた。
『生徒会長と会ってもらうぐらいかな…後はいくつかの施設を私が案内してあげる。これでどうかな』
 来夏の出した内容は、生徒会長と会った後に何個かの施設を案内するとの事。零にとってはありがたい話なのだ。
「分かった。葵と相談したうえで電話掛け直すよ」
 ほんとはそうする必要は無かった。零が立っている真後ろに葵がいたからである。零は葵を見たらニッコリしながら優しく手で丸を作り出していた。零はそれを"OK"と見て、
「あー大丈夫だって」
 来夏にそう返事をした。
『ほんとに?なら後でマップを電子手帳に送っておくから、確認しておいてね』
 そう言ってたので、零は電子手帳を制服から取り出した。既に更新されてたみたいで生徒会室がある所を示していた。
「ここなの?」
 示されていた所には『総合生徒会本部』と書かれていた。
『そうそこよ。そこのビルの半分は生徒会が使用してるのよ』
  半分だけといっても約10階分は使用していると言っているようだ。ビルは15階から20階建てみたいで、生徒会はその半分の使用している。学園毎の生徒会室もあるらしく実際には十分に活用しているらしい。
『それじゃあ、明日10時ぐらいに生徒会ビルの前に来てね。それじゃあまた明日』
 通話は切れた。零は葵の方を向いて「明日は生徒会本部に行こうか」っと言ったら葵はニコッとした。

 モノレールはガラ空きではなく十人ぐらいは乗っていた。クラブや用がある人、もしくは暇つぶしのお出かけと場所移動ぐらいしかモノレールの使用はない。景気は片方は既に海が見えていた。
「いい景色ですね」
 葵は零に構ってもらおうと声を掛けた。
「まあ、見れる景色は最高だから俺は満足しているけど」
 学園内にあるモノレールの数は多い。一応色々な施設があるためにあるものだが、普段の登校での交通機関だは役に立つ。ただではないが一部の生徒では無償で乗れるらしい。
「今日は午前中に生徒会に行って、午後は来姉に案内してもらう予定だから」
「分かっているわよそんな事」
 葵は目を輝かせながら海を見ていた。零は落ち着いたた表情を見せながら海を眺めた。いつかモノレールは景色が建物になった。
「せっかくの景色が…」
 葵は残念そうな表情をした。モノレールに乗ってから約20分後に指定の駅がついた。
『生徒会前、生徒会前です』
 駅も生徒会前になっているらしい。駅に着いたので零と葵は降りた。駅から徒歩5分ぐらい歩いた後に生徒会本部に着いた。
 生徒会本部には生徒会以外にも複数の委員会もある。
 総合風紀委員、クラブ総合本部、競技委員や選挙管理人などがある。委員に入っている生徒だけでも100人以以上は入っている事になる。その内総合生徒会は20人前後辺りいる。受付の人に名前を告げたら、事前に聞いてたようで慣れた手つきで生徒会に連絡した。
 「少々お待ちください」っと受付の人が言ってたので少し待つ事にした。ロビーなのに3階ぐらいの広さがあった。葵はロビーを見渡しながら、
「結構広いね」
「学園は一つ一つの建物に力を入れてるからかな」
 作りも複雑なので相当なお金が掛かったであろう。ふと奥の通路から女子生徒がやって来て、
「あなた達が来夏が言っていたお二方でしょうか」
 とてもスタイルが良いと言える体つきをしている女子生徒が言った。
「あ、はい。藤咲先輩に呼ばれて来ました」
 零はゆっくりとした表情で女子生徒を見ていた。葵も少し慌てて彼女の方を向いた。
「私は総合生徒会書記、暮柱透子と申します。事前に話は聞いています。零さん、葵さん」
 零と葵の事を事前に聞いての行動だろうと零は思ってた。
「ではこちらへ。エレベーターで会長室に向かいますので」
 そう暮柱書記は零と葵を連れてエレベーターに向かわせた。
(なんかかっこいい先輩だね)
 葵が密かに零に言った。
(ショートヘアーも動きやすくするためだろうね)
 零も尽かさず密かに返した。曲がり角を曲がったらそこにはエレベーターがあった。それも三つが間隔的に並べられていた。
「ではこのエレベータで向かいますので」
 そう言ってエレベーターの電子パネルを触るとすでにあったのか、エレベーターの扉が瞬時に開いた。暮柱が乗ったので零達もそれに続いて乗った。エレベータの中のボタンは殆どが電子パネルだ。一部は非常用や電気が通らなくても連絡出来る無線式の警報が備わっている。暮柱書記は10と書かれたパネルを押してエレベーターで10階に向かった。
エレベーターが動いている時、外の景色が見れたのだ。構造では外側にエレベーターを設置したみたいだ。葵は食い付けになっていた。指定の階に止まり、3人は降りて、
「こちらになります」
 暮柱書記に言われるままに着いて行った。エレベーターに近かったのか少し歩いただけで『生徒会長室』があった。
「中で会長がお待ちですので、私はこれで失礼します」
 暮柱書記はそのまま去って行った。
 零が息を飲んでドアノブを開けてみた。すると、
「待っていたわ。弟よ」
 開けた瞬間金髪の女子が飛びついて来た。零は瞬時に察知して開けていたドアを閉める動作をした。来夏は飛びついたせいでドアに激突し、痛そうに鼻を押さえてた。
「ちょ……いきなり何するのよ?」
「来姉、それはこっちのセリフです。昔と変わらずに飛びつく癖はまだ残っていたんですね」
 まだ零や雪が家にいた頃によく来夏は零を抱きついたりする事がしばしばあったのだ。来夏も来夏なりのスキンシップがあったようだ。
「で、話は終わった?」
前の方で声がした。零にとっては聞いた事ある声だった。
「ホントに面白いもん見せてもらったよ」
 「会長……なぜ分かっていて止めなかったんですか?」
 まるで来夏が扉にぶつかると分かっていたような喋り方をしていた。
「えー、だってそっちの方が面白いやん」
 会長は金髪の髪を触りながら、
「私は美濃優子です。一応学園の会長をしております」
 美濃会長は立ち上がり、零に近づいた。零をじっくり見つめながら、
「あら、昨日の子……ふふふ、これは凄い未来が待っているね」
 美濃会長の目は色を変え、別の世界観が見ているような目をしていた。
「会長は特殊能力の透視能力を持っている。過去と未来を見ているのだから、私と零の過去を知っている事になる」
 来夏は丁寧に説明した。過去と未来を見る……いわば透視能力を持っているのだ。
 先生は三つしか言ってないが、中には『女神』『四獣神』などもある。それ以外にも様々な特殊能力が確認されている。代表されるのが先生が言っていた『特殊型オッドアイ』『透視能力』『性別変換』である。性別変換は世界で数人しかいないと言われているのだが、持っている人の中で有名な人がいるせいか多く知られている。
 「一つだけ言わせて頂きます」
  美濃会長は真剣に言い始めた。
「今後、学園を巻き込む事件が発生します。その中心にあなた達がいます」
 未来で何かを見たのか…零にはそれが読めなかった。
「漆黒の闇が現れるのか?」
 来夏が何かを察知したのか美濃会長に問い出した。
「そこまでは分からないわ……だけど、一昨年襲ってきた子が今年現れるとだけ言っておくわ」
「……いやこれは我々の問題だった。忘れてくれ」
 一昨年何があったのかは零には分からなかった。葵はただ話を聞く以外何もしてなかった。
「来姉……一昨年って何があったんだ?」
「その話はいつか知る事になると思う。私の口からでは言えない事だ」
 来夏はそこから深く言わなかった。いや、零の為にあえて言わなかったんだろう。
「さて、来てもらったのは他でもない…」
 美濃会長が本題に入った。零達は呼び出された身だ。何の為に呼ばれたのかはまだ分かっていない。
「生徒会に入ってもらうためです」
 あっさりと答えた。葵も零も「やっぱり」と思いながら話を聞いた。
「急激に総合生徒会の人員が減ってしまって、なので今年高等部に入学したクラスから数名入ってもらう事にしたんです。最後に決まってないのはAクラスだけでしたので、こうして呼ばせてもらいました」
 理由としては簡単だ。何かの理由で生徒会を抜けていった。それが一昨年の事件と関係がある事。今年の入学した高等部の全クラスから何名か入ってもらうと、会長はそう言っているのだ。
「昨日の練習で派手にやってたそうだから、なのであなた達に頼む事にしたの」
実力もあれば戦術が出来る人を集めていると、
「ならSクラスから数名抜けばいいじゃないですか。なぜそんな後回しみたいな事するんですか」
 零は疑問に感じていた。ならエリートから選抜すればいいじゃないのかと…、だが
「私は私が選んだ人選じゃないとダメなのよ。昨日第二あたりをうろついてたのはその為なのよ」
 先程やっていたように過去と未来を見えるのだ。自身で選抜するのは未来に対応するためだと思われる。
「なるほど…全ては未来で起こる事への対策って事ですか」
 零は諦めた表情をしながら美濃会長に言った。美濃会長は「正解よ」といい、
「それじゃ入ってもらえるわね?」
 零と葵にニコニコしながら聞いてきた。
「わ、私は零が決めるなら…」
 葵は全て零に任すと言っている。零も少々悩んだ。悩んで考えたのは、
「入ります。入っても入らなくても起こる出来事からは逃げられないのですから」
 零は決心してそう言った。総合生徒会に入るには、まず各学園の生徒会に入る必要がある。そこから総合生徒会が人選として抜くのだ。例外があるとしたら、生徒会長が直々に推薦することだ。
「言ってくれると思っていたわ。あと生徒会は重要行事以外では週一集まりだから」
 美濃会長はニコニコしながらイスのところに戻って、
「今日の予定はひとまず終わりよ。来夏…案内してきたら?」
 ニッコリしながら振り向いて来夏に言った。
「そうですね……では生徒会長、私はこれで失礼します」
「はいはい、行ってきなさい」
 来夏は挨拶した後に零達を連れて出て行った。

 一人生徒会長室に残った美濃会長は、
「ふふふ……ふふ」
 笑っていた。何かを見たかのように、
「まさか来夏さえ知らない真実があったなんて」
 彼女は微笑みながら独り言のように呟いていた。
「彼が入れば襲来してくる者達に対抗は十分かもね」
 後ろの窓に行って見つめながら、
「今後起こる事へのイタズラなのかな」
 彼女は窓から離れ生徒会室を後にした。
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