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メインストーリー
10.暴走事件
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喫茶店を後にした三人はモールを歩いていた。現時刻は2時48分、喫茶店を出たのが2時30分なので10分程度歩いてる事になる。
「次どこ行こっか」
来夏は止まり、後ろで歩いてる零と葵に振り向いた。ついさっきの喫茶店であった揉め事の方に行ったのか、零達のいるところには人の気配すらしなかった。なので零は、
「来姉の行きたいところで」
誰もいない事を確認してから『藤咲先輩』から『来姉』に変えたのだ。零達のいるモールは円になっているので、歩いていたらその内入り口に着く。
「しかし、このモール広いなあ」
今いる所は入り口から全体の三分の一ぐらいしか進んでない。途中にあるモールの地図を何度も確認見ているので、まだ半分も行ってない事になる。来夏は少々考えた後、
「そうだねえ…確か歩くだけで一週するだけで40分ぐらい掛かるかな」
零と葵は何かを想像していたがすぐにやめた。その想像している時に来夏が歩き出した。零と葵もそれに続いて歩き出した。
「次はどこに行くんですか?」
来夏の隣まで駆け寄った。来夏は歩きながら考えている仕草をしながら、
「そうだねえ……行くとしたらカバン専門店かな」
ついさっき洋服店と喫茶店に寄っているので、次はカバンと来た。今零が持っている紙袋は全部で三つなので、カバン専門店とかに寄るとなるとまだまだ増えるらしい。
「来姉、あと持てる袋は三つだけだからね」
「はいはい、零が持てるのは6つまでねっと」
来夏の言葉は明らかにそれ以上持たそうとしている喋り方をしていると直角的に零は感じていた。それに足してこの服装なので何かと痛く感じていたようだ。
「来姉、こんな格好されたゆえに荷物持ちとか何の罰ゲームですか」
零の言葉に来夏の表情には何かに刺されたような笑みを浮かべていた。
「ま、まあまあ。そんな事気にしない気にしない」
作り笑いをしている来夏を零は少し首を傾げていたが、すぐにやめて来夏について行った。
数分間歩いた後に目的である来夏のオススメのカバン店専門店に着いた。さすがにカバン専門店だけあって、リュックから小カバン、旅行用のバックまであった。
「色々と好みのカバンがいっぱいなので悩みます」
葵は来夏と一緒に選んでいた。勿論零は一人でカバンを見ていた。
「結構色々と置いてるんだ…」
零が肩掛けカバンを見ていた時後ろから肩に突かれたので、零は振り向いたらそこには葵がいた。
「零はこれでもかけて下さい」
葵から受け渡されたのは黒色の肩掛けカバンだった。葵は零の事を考えて選んだようだ。
「あ、ありがとう」
零はお礼してそのカバンを受け取った。葵も自分用に買うカバンを選んでいたようだ。来夏も来て、
「みんな選んだ事だから、購入して次移動しよ」
そう言ってレジにみんなで向かった。歩いてる時に零はあるカバンが目に入った。それは腰に付けるカバンだった。零のカバンは主に肩掛けのカバンは とかリュック型のカバンばかりだ。なのでこういうカバンには凄く興味があったのだ。
「そのカバンもついでに買えばいいのに」
いつの間にか零の隣に来夏が立っていた。来夏の言葉で零はそのカバンを手に取って、レジに向かった。
全員で買ったカバンは四つ、袋は全部で三つあったので大きな袋に二つと小袋に一つとで分けてもらった。大きい方は零と葵の物を入れてある。零が最後に手に取った腰掛けのカバンは買った時に中に詰まっていた紙を全て取ってそれを今着用している。
「いい買い物でしたね」
「久々にこんなに購入したかも」
葵と来夏は楽しそうに会話していた。周りには他の学生が歩き始めていた。あの騒動が少しずつ収まっているのであろう。買い物を楽しんでいるカップルや友達で買いに来ている生徒もいた。
「それにしても、零が買ったカバンをすぐに着用するなんてね」
「これは気に入ったの」
葵の笑顔の言葉に零は帽子で顔を隠しながら答えた。
「零だってたまには息抜きもしないとね」
来夏は微笑みながら会話に混ざってきた。零はため息をつきながら、
「俺だってこんなカバン欲しい時だってありますよ」
零はそう言った時、サイレン音がモールに響いた。零と葵は何が起こったのか分かってない。他にも来夏から音が聞こえてきた。その音の正体は生徒会役員に届くメールだったようだだ。
「来姉!このサイレン音は何なの」
「緊急事態って事よ。周りの生徒はシェルターに移動始めているわ。零と葵もすぐ避難した方がいいから」
来夏はそれだけ言って走って行った。何があったかは分からないが既に周りに学生はいない。零と葵もどうすればいいのか分からなかった。
突如零の後ろから壁が破壊される音と破壊された時に起きた暴風、そして機械音が鳴り響いた。
来夏は走っていた。生徒会からの緊急指令が来たからである。
(防衛用自動兵器ユニットがハッキングされて勝手に暴走しているなんてね)
彼女に届いた緊急指令の内容は第一学園ショップモール付近で暴れだしたユニットの破壊。数はそんなに多くないが、対アーマー用兵器ユニットも起動している事一機が乗っ取られたという事。対アーマー用兵器ユニットはそのままの通りにアーマーを着用した人との戦闘に特化した自動ユニットである。それがこの付近で暴れているとなるとこのモールも対象になっている。
(早く破壊しないと……!!)
その時後ろの方から微かに爆発音が聞こえてきた。そろそろ入り口の所まで迫っていたが足を止めた。
(もしまだ残っているなら零達が危ない!!)
動こうとした時、
「来姉!ここにいたのですか」
入り口の方から声が聞こえた。入り口のその声の正体は、
「雪、なぜモールに…外は大丈夫なの」
雪と呼ばれた少女は見た目は白髪でロング、そして赤い瞳をしていた。
「外の方は何とか一掃しました。何体かこのモールに入ったのです。しかも対アーマー兵器ユニット付きですけど」
その言葉が本当なら先程の爆発音はその対アーマー兵器がやった事になる。
「雪、まだモール内に人がいると思うわ。多分戦闘状態だけど助太刀しにいくよ」
「分かりました来姉」
雪が持ってきてくれた刀とハンドグローブを装着して来た道を引き返した。
「何なのこれ…」
葵がボソッと呟いた。零の目の前には人よりも大きいロボットが現れた。正確には対人戦を想定して作られたようにも見える。
「これは対アーマー用兵器ユニットだね。暴走したのはこいつで間違いなさそうだ」
零は素早く状況を見てから、近くに落ちてた鉄パイプを手に取った。
「まさかやる気なの?」
「こいつぐらいなら1分ぐらいで十分かな」
葵に持っていた紙袋を渡してる最中に壊された壁から人型のアンドロイドが数体、銃を持ちながらロボットの前に現れた。
「一体だけじゃなくて数体いたのか、対人用に作られた人サイズの自動ユニットが数体か」
対アーマー兵器の前に現れた対人用自動ユニットは零達に銃口を向けていた。対人ユニットが装備している銃は、人工的に作られた魔力弾が主力のライフルだった。それを見た零は、
「葵!!自分の周りだけに能力を使って魔力弾を防ぐんだ」
零の言葉に葵は周りには暴風壁を展開させた。葵が展開中に零は鉄パイプを剣のように構えた。すると鉄パイプが刀に変わったのだ。
零は気道で魔力を完全に操る事が出来るようになっていた。それが物や人でも軽々と作ってしまう、そんな素質を持っている事になる。
すると対人ユニットがライフルを撃ち始めた。葵は暴風壁で守られているので魔力弾が届く事はない。その暴風壁の外にいた零は魔力弾を斬ったりした。
零の頭には声が流れていた。零は魔力弾を斬りながら、
「対人用兵器ユニット、名はセグラスか。警備用に作られた兵器ってところかな」
零はその兵器の情報が見えていた。零の見ている世界観に電子世界を結合させたのだ。そうすると兵器の情報が瞬時に分かる。この特権を持ているのは世界でもそんなにはいない。
零が魔力弾を剣で斬りながらジャンプしてユニットの中央に入り、五体のユニットを斬り壊した。更に出て来るユニット兵。零は片手の刀だけで戦闘を始めた。
「何……これは銃声の音…誰か逃げ遅れたみたいね」
来夏と雪が走っていた。銃声している事は誰かが戦闘に入ったか、逃げ遅れた学生兵に無差別に攻撃をしているかに限る。途中来夏と雪は止まった。
「来姉どうします?早く向かった方がいいかと」
「分かっているわ。だけどまだこんなにユニットがいるなんてね」
来夏の目の前には複数のユニットが立っていた。あくまで時間稼ぎするために配置しているように。
「雪、一気に片付けるわよ」
「はい来姉」
もう一つのところで戦闘が始まっていた。
十数体のユニットを破壊した零の目の前には4mはあるであろう対アーマー用兵器が待ち構えていた。4足歩行に複数の主砲と副主砲があった。なおそれら全て魔力弾である。しかも接近戦も可能にしている。さすが対アーマー用兵器だけはある。
装備されていたガトリングガン二丁から魔力弾を乱射してきた。それを避けながら接近戦を繰り返していた。対アーマー用兵器だけあって、バリアも搭載していた。バリアを破壊しない限り破壊すら困難のままだった。
「やっぱ素早くバリアを壊しにかからないと」
ユニットの接近攻撃はかなりの速さでしてくるためそれを避けながらバリアを少しずつ削る必要があった。アーマーを装着してないので、一発でも当たれば相当な痛みが走る。
「く、やるしかないか」
零は先程よりも更にスピードを上げた。そのスピードについて来れないのか、四方八方に撃ち始めた。
するとバリアにヒビが入り、そして崩れた。零はそれを確認すると容赦なく足、アームや銃などを破壊した。
「これで終わりだ!」
零は叫びながら頭部に刀を刺した。ユニットはそれが致命傷だったのか機能停止した。零は刺したままそこから降りた。零が降りた時に刀の姿は鉄パイプに変わった。
零が降りた時無傷の紙袋を持った葵がやって来た。
「お疲れ様ですよ零」
葵は紙袋を零に渡した時に葵の後ろから来夏と雪ががやって来た。
「二人とも大丈夫ですか!!」
走っていた二人が零の隣に止まった。
「藤咲先輩、私達は大丈夫ですよ」
零が答えた。来夏について来てた零と似た髪の色をしていた。
「それより藤咲先輩、その子は誰ですか?」
零は知っている人だけど、知らないように聞いた。葵も同じだ。葵も零もかのじょを知っていたからである。
「あー、この子は私の妹よ。名前は藤咲雪で…一年の間では相当の美少女って話よ」
見た目はお人形さんに見えるほどの可愛さだ。更に零と同じ身長にスタイルも抜群なので、学園では有名なのも分かる。
彼女、雪は零の後ろの兵器の残骸を見て、
「これあなたがしたの?」
雪は後ろの残骸が気になっていた。この短時間にこれだけの兵器を破壊したのだ。さすがに雪もそっちが気になったのだろう。
「俺が全て破壊した」
零は名乗り上げた。雪も彼には興味が湧いたような目付きで、
「私と同じ身長に同じ白髪なのがねえ…女子じゃ勿体無いね。特に胸が」
「俺は男だ」
雪は零の事を女の子に見えたようだ。服装も女性服みたいなの着てたのが一番の理由だろう。
「男なの…?」
驚いた表情を浮かべながら、零の顔をずっと見ていた。来夏はこれを見てため息を吐きながら、
「こっちの白髪の子が光咲零。そして雪に劣らない可愛さを出している子が東野月葵よ」
「そうなんですか……名前は覚えました」
雪はそう言って振り向き、
「私は後処理の方があるのでこれで失礼します。後々に処理班が来ると思います。では」
雪はそれだけ言ってその場を去って行った。後ろ姿はすぐに見えなくなった。どうやらスキルを使用したみたいだ。
「それより私の荷物はある?」
零は来夏の分の荷物を渡して来夏と葵と一緒にその場を後にした。
「次どこ行こっか」
来夏は止まり、後ろで歩いてる零と葵に振り向いた。ついさっきの喫茶店であった揉め事の方に行ったのか、零達のいるところには人の気配すらしなかった。なので零は、
「来姉の行きたいところで」
誰もいない事を確認してから『藤咲先輩』から『来姉』に変えたのだ。零達のいるモールは円になっているので、歩いていたらその内入り口に着く。
「しかし、このモール広いなあ」
今いる所は入り口から全体の三分の一ぐらいしか進んでない。途中にあるモールの地図を何度も確認見ているので、まだ半分も行ってない事になる。来夏は少々考えた後、
「そうだねえ…確か歩くだけで一週するだけで40分ぐらい掛かるかな」
零と葵は何かを想像していたがすぐにやめた。その想像している時に来夏が歩き出した。零と葵もそれに続いて歩き出した。
「次はどこに行くんですか?」
来夏の隣まで駆け寄った。来夏は歩きながら考えている仕草をしながら、
「そうだねえ……行くとしたらカバン専門店かな」
ついさっき洋服店と喫茶店に寄っているので、次はカバンと来た。今零が持っている紙袋は全部で三つなので、カバン専門店とかに寄るとなるとまだまだ増えるらしい。
「来姉、あと持てる袋は三つだけだからね」
「はいはい、零が持てるのは6つまでねっと」
来夏の言葉は明らかにそれ以上持たそうとしている喋り方をしていると直角的に零は感じていた。それに足してこの服装なので何かと痛く感じていたようだ。
「来姉、こんな格好されたゆえに荷物持ちとか何の罰ゲームですか」
零の言葉に来夏の表情には何かに刺されたような笑みを浮かべていた。
「ま、まあまあ。そんな事気にしない気にしない」
作り笑いをしている来夏を零は少し首を傾げていたが、すぐにやめて来夏について行った。
数分間歩いた後に目的である来夏のオススメのカバン店専門店に着いた。さすがにカバン専門店だけあって、リュックから小カバン、旅行用のバックまであった。
「色々と好みのカバンがいっぱいなので悩みます」
葵は来夏と一緒に選んでいた。勿論零は一人でカバンを見ていた。
「結構色々と置いてるんだ…」
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「零はこれでもかけて下さい」
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「あ、ありがとう」
零はお礼してそのカバンを受け取った。葵も自分用に買うカバンを選んでいたようだ。来夏も来て、
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そう言ってレジにみんなで向かった。歩いてる時に零はあるカバンが目に入った。それは腰に付けるカバンだった。零のカバンは主に肩掛けのカバンは とかリュック型のカバンばかりだ。なのでこういうカバンには凄く興味があったのだ。
「そのカバンもついでに買えばいいのに」
いつの間にか零の隣に来夏が立っていた。来夏の言葉で零はそのカバンを手に取って、レジに向かった。
全員で買ったカバンは四つ、袋は全部で三つあったので大きな袋に二つと小袋に一つとで分けてもらった。大きい方は零と葵の物を入れてある。零が最後に手に取った腰掛けのカバンは買った時に中に詰まっていた紙を全て取ってそれを今着用している。
「いい買い物でしたね」
「久々にこんなに購入したかも」
葵と来夏は楽しそうに会話していた。周りには他の学生が歩き始めていた。あの騒動が少しずつ収まっているのであろう。買い物を楽しんでいるカップルや友達で買いに来ている生徒もいた。
「それにしても、零が買ったカバンをすぐに着用するなんてね」
「これは気に入ったの」
葵の笑顔の言葉に零は帽子で顔を隠しながら答えた。
「零だってたまには息抜きもしないとね」
来夏は微笑みながら会話に混ざってきた。零はため息をつきながら、
「俺だってこんなカバン欲しい時だってありますよ」
零はそう言った時、サイレン音がモールに響いた。零と葵は何が起こったのか分かってない。他にも来夏から音が聞こえてきた。その音の正体は生徒会役員に届くメールだったようだだ。
「来姉!このサイレン音は何なの」
「緊急事態って事よ。周りの生徒はシェルターに移動始めているわ。零と葵もすぐ避難した方がいいから」
来夏はそれだけ言って走って行った。何があったかは分からないが既に周りに学生はいない。零と葵もどうすればいいのか分からなかった。
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来夏は走っていた。生徒会からの緊急指令が来たからである。
(防衛用自動兵器ユニットがハッキングされて勝手に暴走しているなんてね)
彼女に届いた緊急指令の内容は第一学園ショップモール付近で暴れだしたユニットの破壊。数はそんなに多くないが、対アーマー用兵器ユニットも起動している事一機が乗っ取られたという事。対アーマー用兵器ユニットはそのままの通りにアーマーを着用した人との戦闘に特化した自動ユニットである。それがこの付近で暴れているとなるとこのモールも対象になっている。
(早く破壊しないと……!!)
その時後ろの方から微かに爆発音が聞こえてきた。そろそろ入り口の所まで迫っていたが足を止めた。
(もしまだ残っているなら零達が危ない!!)
動こうとした時、
「来姉!ここにいたのですか」
入り口の方から声が聞こえた。入り口のその声の正体は、
「雪、なぜモールに…外は大丈夫なの」
雪と呼ばれた少女は見た目は白髪でロング、そして赤い瞳をしていた。
「外の方は何とか一掃しました。何体かこのモールに入ったのです。しかも対アーマー兵器ユニット付きですけど」
その言葉が本当なら先程の爆発音はその対アーマー兵器がやった事になる。
「雪、まだモール内に人がいると思うわ。多分戦闘状態だけど助太刀しにいくよ」
「分かりました来姉」
雪が持ってきてくれた刀とハンドグローブを装着して来た道を引き返した。
「何なのこれ…」
葵がボソッと呟いた。零の目の前には人よりも大きいロボットが現れた。正確には対人戦を想定して作られたようにも見える。
「これは対アーマー用兵器ユニットだね。暴走したのはこいつで間違いなさそうだ」
零は素早く状況を見てから、近くに落ちてた鉄パイプを手に取った。
「まさかやる気なの?」
「こいつぐらいなら1分ぐらいで十分かな」
葵に持っていた紙袋を渡してる最中に壊された壁から人型のアンドロイドが数体、銃を持ちながらロボットの前に現れた。
「一体だけじゃなくて数体いたのか、対人用に作られた人サイズの自動ユニットが数体か」
対アーマー兵器の前に現れた対人用自動ユニットは零達に銃口を向けていた。対人ユニットが装備している銃は、人工的に作られた魔力弾が主力のライフルだった。それを見た零は、
「葵!!自分の周りだけに能力を使って魔力弾を防ぐんだ」
零の言葉に葵は周りには暴風壁を展開させた。葵が展開中に零は鉄パイプを剣のように構えた。すると鉄パイプが刀に変わったのだ。
零は気道で魔力を完全に操る事が出来るようになっていた。それが物や人でも軽々と作ってしまう、そんな素質を持っている事になる。
すると対人ユニットがライフルを撃ち始めた。葵は暴風壁で守られているので魔力弾が届く事はない。その暴風壁の外にいた零は魔力弾を斬ったりした。
零の頭には声が流れていた。零は魔力弾を斬りながら、
「対人用兵器ユニット、名はセグラスか。警備用に作られた兵器ってところかな」
零はその兵器の情報が見えていた。零の見ている世界観に電子世界を結合させたのだ。そうすると兵器の情報が瞬時に分かる。この特権を持ているのは世界でもそんなにはいない。
零が魔力弾を剣で斬りながらジャンプしてユニットの中央に入り、五体のユニットを斬り壊した。更に出て来るユニット兵。零は片手の刀だけで戦闘を始めた。
「何……これは銃声の音…誰か逃げ遅れたみたいね」
来夏と雪が走っていた。銃声している事は誰かが戦闘に入ったか、逃げ遅れた学生兵に無差別に攻撃をしているかに限る。途中来夏と雪は止まった。
「来姉どうします?早く向かった方がいいかと」
「分かっているわ。だけどまだこんなにユニットがいるなんてね」
来夏の目の前には複数のユニットが立っていた。あくまで時間稼ぎするために配置しているように。
「雪、一気に片付けるわよ」
「はい来姉」
もう一つのところで戦闘が始まっていた。
十数体のユニットを破壊した零の目の前には4mはあるであろう対アーマー用兵器が待ち構えていた。4足歩行に複数の主砲と副主砲があった。なおそれら全て魔力弾である。しかも接近戦も可能にしている。さすが対アーマー用兵器だけはある。
装備されていたガトリングガン二丁から魔力弾を乱射してきた。それを避けながら接近戦を繰り返していた。対アーマー用兵器だけあって、バリアも搭載していた。バリアを破壊しない限り破壊すら困難のままだった。
「やっぱ素早くバリアを壊しにかからないと」
ユニットの接近攻撃はかなりの速さでしてくるためそれを避けながらバリアを少しずつ削る必要があった。アーマーを装着してないので、一発でも当たれば相当な痛みが走る。
「く、やるしかないか」
零は先程よりも更にスピードを上げた。そのスピードについて来れないのか、四方八方に撃ち始めた。
するとバリアにヒビが入り、そして崩れた。零はそれを確認すると容赦なく足、アームや銃などを破壊した。
「これで終わりだ!」
零は叫びながら頭部に刀を刺した。ユニットはそれが致命傷だったのか機能停止した。零は刺したままそこから降りた。零が降りた時に刀の姿は鉄パイプに変わった。
零が降りた時無傷の紙袋を持った葵がやって来た。
「お疲れ様ですよ零」
葵は紙袋を零に渡した時に葵の後ろから来夏と雪ががやって来た。
「二人とも大丈夫ですか!!」
走っていた二人が零の隣に止まった。
「藤咲先輩、私達は大丈夫ですよ」
零が答えた。来夏について来てた零と似た髪の色をしていた。
「それより藤咲先輩、その子は誰ですか?」
零は知っている人だけど、知らないように聞いた。葵も同じだ。葵も零もかのじょを知っていたからである。
「あー、この子は私の妹よ。名前は藤咲雪で…一年の間では相当の美少女って話よ」
見た目はお人形さんに見えるほどの可愛さだ。更に零と同じ身長にスタイルも抜群なので、学園では有名なのも分かる。
彼女、雪は零の後ろの兵器の残骸を見て、
「これあなたがしたの?」
雪は後ろの残骸が気になっていた。この短時間にこれだけの兵器を破壊したのだ。さすがに雪もそっちが気になったのだろう。
「俺が全て破壊した」
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「俺は男だ」
雪は零の事を女の子に見えたようだ。服装も女性服みたいなの着てたのが一番の理由だろう。
「男なの…?」
驚いた表情を浮かべながら、零の顔をずっと見ていた。来夏はこれを見てため息を吐きながら、
「こっちの白髪の子が光咲零。そして雪に劣らない可愛さを出している子が東野月葵よ」
「そうなんですか……名前は覚えました」
雪はそう言って振り向き、
「私は後処理の方があるのでこれで失礼します。後々に処理班が来ると思います。では」
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