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メインストーリー
22.S組のエース1
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『ではシュミレーションシステムを開始します。参加プレイヤーはカウンドダウンが終わるまで動かないでください』
何もない空間で声が響いていた。そこに一人の青年がいた。両手にはマシンガンにナイフが付いたような銃器を装備していた。その時、何も無いはずの空間に建物などが出現した。いや、むしろ再現されたと言っていいだろう。
青年の前には三体の自動ユニットが出現していた。
『では、シュミレーションを開始します。開始とともに銃撃を開始して下さい』
音とともにビルに映し出されたスクリーンに数字がカウンドダウンを開始した。その音が止むまで青年は動かない。
10から開始したカウンドダウンはもう3になり、そして0になった時カウンドダウンの時よりも長く、大きく鳴り響いた。
目の前にいた自動ユニットは青年に向けて銃撃を開始した。青年はそれを右に交わし、ビルの壁を走りながら両手に持っていたマシンガンをそのアンドロイドに向けて撃ち始めた。
弾は全て命中、三体の自動ユニットは光のエフェクトとなり消えていった。
「残り12体……」
青年は小さく呟いた。壁から地面に着地して辺りを見渡す。
青年は見向きもせずに右手に持っていたマシンガンを真横に向け、数発撃った。その向こうで何かが倒れる音ともに光のエフェクトとなり消えていった。
「これで11体……」
そして青年はそう小さく呟いた。そして奥から無数の足音が聞こえて来た。青年へと向かっているのだ。
青年は小さく微笑んだ。彼はこの場を楽しんでいるのだ。
ゲームの一環でしか彼は思っていないのだ。
青年は歩き出した。自動ユニットの行動は一体では無い。数体で行動している。
背後のビルの屋上に一体の自動ユニットの姿が見られた。自動ユニットの前にはスナイパーライフルが置かれていた。背後からスナイパーで狙っているのだ。
そしてその自動ユニットはトリガーを引いた。大きな音ともに一発の魔力弾が飛び出す。スナと青年の距離は大体300m程度だ。彼が避けれるのは打つ直前にしかないのだが、青年はそのスナイパーライフルの魔力弾を持っていたマシンガンに付けられたナイフでそれを切ったのだ。
本来ならこんな事は一般の人には出来るはずが無い。だが彼はやり通したのだ。
青年は向きを変え、そのスナイパーを装備した自動ユニットに向かって走り始めた。スナの自動ユニットもそれを阻止するかのように一発撃った。だが軽く避けられ、そしてジャンプしてスナの目の前に来た時、両手に持っていたマシンガンをスナに撃ち込んだ。撃ち込み終わった時、一回転して地面に着地した。
「これであと10体……」
青年は呪文のように呟いた。
振り返ると後ろからは三体の自動ユニットが迫っていた。射程距離に入ったのか早歩きしながら撃ち始めた。
青年は魔力弾が飛び交う所を走り出した。走りながら三体の自動ユニットにマシンガンを撃ち始めた。青年には一発も当たらない。だが、自動ユニットには青年のマシンガンが命中しているのか一体ずつ倒れていく。
二体が倒れて最後の一体になった後に、青年は撃つのを止めた。そして素早くジャンプして自動ユニットの後ろに立った。自動ユニットはすぐに向きを変えようとしたが、その前に青年のマシンガンに付けられたナイフによって首筋を切られ、光のエフェクトともに消えていった。
「残り7体……」
そして青年は呟いた。
青年が気がつくと周りには7体の自動ユニットが囲んでいた。どうやら先程の自動ユニット兵達は囲む為の時間稼ぎをしていたようだ。
青年は少し笑った。その目には諦めが無かった。むしろこれくらいは容易いと思っているのだろう。
そして自動ユニットは一斉に撃った。青年はまたしても走り出した。ジャンプして壁を走りながら一体ずつ、確実に撃ち抜いた。
「残り……6……5……4……3……」
一体ずつ倒しながら青年はそう口で呟いていた。
もはや彼がしているのは誰もが出来るアクロバティックな事では無い。レベルが高すぎる。1分も経たずに4体の自動ユニットを仕留めていた。
屋上にいる自動ユニットがトリガー引きながら打ち続けた。だが、青年は軽々と避けながらビルの壁を走った。走りながら上がり、その自動ユニットの高さまで来ると数発だけを撃ち込んで着地した。
勿論自動ユニットは仕留めていた。光のエフェクトともに消えていった。
「残り2体……」
そう口にした時、持っていたマシンガンを地面に落とした。そして代わりに腰に装備していた刀を取り出した。
彼の前後に残りの自動ユニットが近づいていた。射程距離に入ったら撃つ為に走っていた。
後ろにいた自動ユニットに向けって走り出した。
「……加速」
彼が口にした時、彼のスピードはかなり速くなった。自動ユニットは撃ち始めた。だがスピードは青年が勝っていたらしく、目の前に接近され、そして持っていた刀で斬られた。光のエフェクトとなり消えていった。
「残り1体……」
そして後ろを振り返る。最後の一体が青年に向けて走っていた。
青年は構えて、走り出した。先程と同じスピードでだ。
自動ユニットも撃ち始めた。彼はその魔力弾を自身に飛んでくる分だけを剣で弾かせていた。そして目の前に来るとすかさず後ろに回り込み、剣を左胸に刺した。抜いた時地面に倒れこんだ。
「これで全部か……」
青年はそう呟いた。その時、
『シュミレーションを終了します。お疲れ様でした』
声が流れるとともにビルなどの風景が消えて、最初の風景に戻った。
後ろの方でドアがスライドし、学生服の上に白い博士が着てそうな白服を着用し、更にはメガネを付けている青年が入って来た。
「お疲れ、霧上正義。今回もいい記録が出ているよ」
「こんなの俺にとっては足場でしか無い……もっと強いプログラムは無いのか……如月」
正義は如月に問いかけた。如月はメガネを触りながら、
「今の所はこのプログラムが限界だね」
如月は片手に持っていたPCを触りながら更に付け加えるように伝えた。
「そういえば先週の生徒会の試合の映像を見たけど……、攻略さえ分かれば君の敵では無いさ」
そう言いながらその映像を再生しながら見ていた。そして、
「だけど、彼は君が倒そうと考えている藤咲雪を倒している。油断は禁物って所かな」
正義はそんな如月の横を通り過ぎ、その部屋から出た。その後ろを如月が付いて行く。
「なら、俺は正々堂々と相手するまでだ。彼は何者であろうと俺と対等にやりあえるなら嬉しいほどだ。情報とかは任せるよ。如月寅」
歩きながら正義は言った。如月はハイハイと肩を落としながら言った。
その二人の先に女性の紫色のショートヘアーの子が立っていた。右腕にはスナイパーライフルを装着していた。正義は一度立ち止まり、彼女に声を掛けた。
「京子、スナの練習はいいのか?」
正義は小柄の少女に言った。京子と呼ばれた少女は、
「ある程度の予測撃ちの練習はしたから、今日はもう帰る予定よ」
少女はそう言った。この後装備を返却して帰る予定だったのだ。それは正義も同じ事をしようとしていた。そしてスタスタと京子は装備整備室へと足を向けた。
「彼女も大変そうだ」
「白井京子……、スナイパーの凄腕の持ち主であり、それを補佐する特殊能力『サードアイ』を持っている子か」
彼女のデータを見ながら如月は呟いた。特殊能力『サードアイ』の効果は遠距離まで見れる効果を持っている。無論第三の目とも言える効果もあると言われている。
そして立ち止まっていた足を動かし始めた。
「今の俺達を止めれるものはいない」
彼はそう如月に言った。
何もない空間で声が響いていた。そこに一人の青年がいた。両手にはマシンガンにナイフが付いたような銃器を装備していた。その時、何も無いはずの空間に建物などが出現した。いや、むしろ再現されたと言っていいだろう。
青年の前には三体の自動ユニットが出現していた。
『では、シュミレーションを開始します。開始とともに銃撃を開始して下さい』
音とともにビルに映し出されたスクリーンに数字がカウンドダウンを開始した。その音が止むまで青年は動かない。
10から開始したカウンドダウンはもう3になり、そして0になった時カウンドダウンの時よりも長く、大きく鳴り響いた。
目の前にいた自動ユニットは青年に向けて銃撃を開始した。青年はそれを右に交わし、ビルの壁を走りながら両手に持っていたマシンガンをそのアンドロイドに向けて撃ち始めた。
弾は全て命中、三体の自動ユニットは光のエフェクトとなり消えていった。
「残り12体……」
青年は小さく呟いた。壁から地面に着地して辺りを見渡す。
青年は見向きもせずに右手に持っていたマシンガンを真横に向け、数発撃った。その向こうで何かが倒れる音ともに光のエフェクトとなり消えていった。
「これで11体……」
そして青年はそう小さく呟いた。そして奥から無数の足音が聞こえて来た。青年へと向かっているのだ。
青年は小さく微笑んだ。彼はこの場を楽しんでいるのだ。
ゲームの一環でしか彼は思っていないのだ。
青年は歩き出した。自動ユニットの行動は一体では無い。数体で行動している。
背後のビルの屋上に一体の自動ユニットの姿が見られた。自動ユニットの前にはスナイパーライフルが置かれていた。背後からスナイパーで狙っているのだ。
そしてその自動ユニットはトリガーを引いた。大きな音ともに一発の魔力弾が飛び出す。スナと青年の距離は大体300m程度だ。彼が避けれるのは打つ直前にしかないのだが、青年はそのスナイパーライフルの魔力弾を持っていたマシンガンに付けられたナイフでそれを切ったのだ。
本来ならこんな事は一般の人には出来るはずが無い。だが彼はやり通したのだ。
青年は向きを変え、そのスナイパーを装備した自動ユニットに向かって走り始めた。スナの自動ユニットもそれを阻止するかのように一発撃った。だが軽く避けられ、そしてジャンプしてスナの目の前に来た時、両手に持っていたマシンガンをスナに撃ち込んだ。撃ち込み終わった時、一回転して地面に着地した。
「これであと10体……」
青年は呪文のように呟いた。
振り返ると後ろからは三体の自動ユニットが迫っていた。射程距離に入ったのか早歩きしながら撃ち始めた。
青年は魔力弾が飛び交う所を走り出した。走りながら三体の自動ユニットにマシンガンを撃ち始めた。青年には一発も当たらない。だが、自動ユニットには青年のマシンガンが命中しているのか一体ずつ倒れていく。
二体が倒れて最後の一体になった後に、青年は撃つのを止めた。そして素早くジャンプして自動ユニットの後ろに立った。自動ユニットはすぐに向きを変えようとしたが、その前に青年のマシンガンに付けられたナイフによって首筋を切られ、光のエフェクトともに消えていった。
「残り7体……」
そして青年は呟いた。
青年が気がつくと周りには7体の自動ユニットが囲んでいた。どうやら先程の自動ユニット兵達は囲む為の時間稼ぎをしていたようだ。
青年は少し笑った。その目には諦めが無かった。むしろこれくらいは容易いと思っているのだろう。
そして自動ユニットは一斉に撃った。青年はまたしても走り出した。ジャンプして壁を走りながら一体ずつ、確実に撃ち抜いた。
「残り……6……5……4……3……」
一体ずつ倒しながら青年はそう口で呟いていた。
もはや彼がしているのは誰もが出来るアクロバティックな事では無い。レベルが高すぎる。1分も経たずに4体の自動ユニットを仕留めていた。
屋上にいる自動ユニットがトリガー引きながら打ち続けた。だが、青年は軽々と避けながらビルの壁を走った。走りながら上がり、その自動ユニットの高さまで来ると数発だけを撃ち込んで着地した。
勿論自動ユニットは仕留めていた。光のエフェクトともに消えていった。
「残り2体……」
そう口にした時、持っていたマシンガンを地面に落とした。そして代わりに腰に装備していた刀を取り出した。
彼の前後に残りの自動ユニットが近づいていた。射程距離に入ったら撃つ為に走っていた。
後ろにいた自動ユニットに向けって走り出した。
「……加速」
彼が口にした時、彼のスピードはかなり速くなった。自動ユニットは撃ち始めた。だがスピードは青年が勝っていたらしく、目の前に接近され、そして持っていた刀で斬られた。光のエフェクトとなり消えていった。
「残り1体……」
そして後ろを振り返る。最後の一体が青年に向けて走っていた。
青年は構えて、走り出した。先程と同じスピードでだ。
自動ユニットも撃ち始めた。彼はその魔力弾を自身に飛んでくる分だけを剣で弾かせていた。そして目の前に来るとすかさず後ろに回り込み、剣を左胸に刺した。抜いた時地面に倒れこんだ。
「これで全部か……」
青年はそう呟いた。その時、
『シュミレーションを終了します。お疲れ様でした』
声が流れるとともにビルなどの風景が消えて、最初の風景に戻った。
後ろの方でドアがスライドし、学生服の上に白い博士が着てそうな白服を着用し、更にはメガネを付けている青年が入って来た。
「お疲れ、霧上正義。今回もいい記録が出ているよ」
「こんなの俺にとっては足場でしか無い……もっと強いプログラムは無いのか……如月」
正義は如月に問いかけた。如月はメガネを触りながら、
「今の所はこのプログラムが限界だね」
如月は片手に持っていたPCを触りながら更に付け加えるように伝えた。
「そういえば先週の生徒会の試合の映像を見たけど……、攻略さえ分かれば君の敵では無いさ」
そう言いながらその映像を再生しながら見ていた。そして、
「だけど、彼は君が倒そうと考えている藤咲雪を倒している。油断は禁物って所かな」
正義はそんな如月の横を通り過ぎ、その部屋から出た。その後ろを如月が付いて行く。
「なら、俺は正々堂々と相手するまでだ。彼は何者であろうと俺と対等にやりあえるなら嬉しいほどだ。情報とかは任せるよ。如月寅」
歩きながら正義は言った。如月はハイハイと肩を落としながら言った。
その二人の先に女性の紫色のショートヘアーの子が立っていた。右腕にはスナイパーライフルを装着していた。正義は一度立ち止まり、彼女に声を掛けた。
「京子、スナの練習はいいのか?」
正義は小柄の少女に言った。京子と呼ばれた少女は、
「ある程度の予測撃ちの練習はしたから、今日はもう帰る予定よ」
少女はそう言った。この後装備を返却して帰る予定だったのだ。それは正義も同じ事をしようとしていた。そしてスタスタと京子は装備整備室へと足を向けた。
「彼女も大変そうだ」
「白井京子……、スナイパーの凄腕の持ち主であり、それを補佐する特殊能力『サードアイ』を持っている子か」
彼女のデータを見ながら如月は呟いた。特殊能力『サードアイ』の効果は遠距離まで見れる効果を持っている。無論第三の目とも言える効果もあると言われている。
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