26 / 55
メインストーリー
25.S組のエース4
しおりを挟む
「てか小葉~。ここで買い物していたんだね」
「うん、頼まれた品は一応買えたよ」
知り合いなのか、鏡花は馴れ馴れしく喋っていた。そしてふと思い出したかのように鏡花は3人に彼女の事を話し始めた。
「あ、彼女は如月小葉。同じクラスにいる子で私のルームメイトでもあるのよ」
確かにそのような名前を自己紹介の時に聞いたのを思い出す。だが、あまりにもうる覚えのためあまり覚えてなかった。
「如月小葉です。こうして話す事になるなんて少し以外でした。光咲零君」
彼女は名前を言った後、まるで前から話したかったような感じに言っていた。
「まるで話したかった……の?」
葵は頭を傾げながら、小葉に質問をした。それは隣にいる二人も一緒だった。
葵の言葉に小葉は小さく頷いた。零は周りに視線を向けてから、
「色々と気になる事も多いが……ここだとなんか目立ってるみたいだからさ。一旦家に帰った方がいいかも知れない」
周りの目線を気にするかのように四人に喋った。周りの通行人が何人か立ち止まって見ていた。 それを気にしての事だ。
「なら一旦家に帰ろうか。何しに来たか分からなくなるけど」
葵の言葉に五人はその場から離れた。
家でもある寮の一室に戻った四人は小葉から何があったのか色々と聞いた。イスにゆらゆらと揺らしながら潤はこう答えた。
「なるほどねえ……、才能に恵まれた人がやりそうな差別だなあ」
「私の家だけかも。他の家ではこのような差別しているとは思えないけど」
意見は人それぞれだと思われる。だが、一般的にこんな境遇は少ないだろう。ただ能力としての才能を持つだけで自身が特別な存在だと思うのも少なくはない。零の家では『自分の力だけが特別と思うな。その力は人を救う為にあるのだ』と教え込まれていた。
少しその場が沈黙してしまった。その沈黙を破るかのように零が口を開かせた。
「これは終わらすべきではないのかな」
その言葉を聞いた小葉は零に向かって、
「私にはどうすればいいのか分からない。もし、あれば行動していただろうなあ」
彼女は行動しても何も変わらないと感じていた。だからこそ、この劣等感を受け入れている。
そんな彼女だからこそ、零は助けたいと思っていた。
「なら、彼よりも実力があると思わらせればいい」
「無理よ……私では彼には勝てない」
零の意見を却下した。
「劣等感を感じるなら強くなる努力をすればいいじゃないかな。俺もまだ能力は持ってないから言える柄じゃないが」
「あなたは元々強いでしょ。数々のスキルを持っているし、それに私は努力したところで無意味よ」
自分を否定するかのような口調だった。彼女には既に諦めているのだ。何も出来ない、話を聞けば聞くほどにそれは大きくなっていくようだった。
零はため息を吐いてから、立ち上がった。
「なら、強くなるように俺らが面倒を見る。そして次の学年別の大会行事で勝てばいい。能力の使用は禁止されている大会だ。自分の運動能力と体術で圧倒出来るようにすればいい」
大会はFPWS形式のルールになっている。一年の中で複数ある大会の一つでもあるが、唯一能力の使用を禁止されている。だからこそ、都合が良いと零は感じたんだろう。
「能力で勝たないといけないと私は思っているんの……」
能力を使わずに勝利しても何も意味がないと彼女は思っていた。だからこそ能力を使わずに勝ち、次での勝負では能力を使おうと使わなくても自身を持って挑める。彼はそう感じていたのだ。
「だからこそだよ。まずは勝利する事だけを考えれば良い。次の月曜の実技はこの女子二人が相手になるから、全力で彼女達に挑めば良い」
零の言葉に二人が反応した。
「ちょ!何私達を巻き添えしているのよ!」
「そ、そうです。私達は体術得意ではないんですが」
「いや、葵は体術相当出来るだろ。俺がやっていいが、あとで何言われるか分からないからね」
二人は売られたと感じ反発したが、零はため息を吐きながら立て続けに言った。
「俺が何かするとそこの人が襲いに掛かってくるからやれないのも理由だが」
視線を葵に向けた。昔零は葵に十字固めなどをもろに何回も食らっていた。そのせいもあり、こういう場面は女性陣に投げていた。
「分かった分かった。やればいいんでしょやれば」
葵はため息を吐きながら寝るかのように頭をテーブルにくっ付けた。
「諦め早くて助かるよ」
「私は何も頼んでないのだが……、まあ私の実力を見てもらえるならいいか」
彼女はもう断れないと踏んだのか諦めていた。
零は少しホッとしながら、話 立ち上がりテレビの前に立ちある物を手に取った。
「話は終わったし、これの続きするか」
それはコントローラーだった。潤に鏡花がそれに食いついた。
「てか、食材どうするの?何も買ってないんだけど……」
「レトルトあるからそれでいいと思うんだが」
「あれはもしの時に残したいんだけどてん…今日ぐらいはいいか」
レトルトでもたまにいいかっと葵は思いながら、零の所に向かった。そして夜遅くまでゲームに没頭していた。
「うん、頼まれた品は一応買えたよ」
知り合いなのか、鏡花は馴れ馴れしく喋っていた。そしてふと思い出したかのように鏡花は3人に彼女の事を話し始めた。
「あ、彼女は如月小葉。同じクラスにいる子で私のルームメイトでもあるのよ」
確かにそのような名前を自己紹介の時に聞いたのを思い出す。だが、あまりにもうる覚えのためあまり覚えてなかった。
「如月小葉です。こうして話す事になるなんて少し以外でした。光咲零君」
彼女は名前を言った後、まるで前から話したかったような感じに言っていた。
「まるで話したかった……の?」
葵は頭を傾げながら、小葉に質問をした。それは隣にいる二人も一緒だった。
葵の言葉に小葉は小さく頷いた。零は周りに視線を向けてから、
「色々と気になる事も多いが……ここだとなんか目立ってるみたいだからさ。一旦家に帰った方がいいかも知れない」
周りの目線を気にするかのように四人に喋った。周りの通行人が何人か立ち止まって見ていた。 それを気にしての事だ。
「なら一旦家に帰ろうか。何しに来たか分からなくなるけど」
葵の言葉に五人はその場から離れた。
家でもある寮の一室に戻った四人は小葉から何があったのか色々と聞いた。イスにゆらゆらと揺らしながら潤はこう答えた。
「なるほどねえ……、才能に恵まれた人がやりそうな差別だなあ」
「私の家だけかも。他の家ではこのような差別しているとは思えないけど」
意見は人それぞれだと思われる。だが、一般的にこんな境遇は少ないだろう。ただ能力としての才能を持つだけで自身が特別な存在だと思うのも少なくはない。零の家では『自分の力だけが特別と思うな。その力は人を救う為にあるのだ』と教え込まれていた。
少しその場が沈黙してしまった。その沈黙を破るかのように零が口を開かせた。
「これは終わらすべきではないのかな」
その言葉を聞いた小葉は零に向かって、
「私にはどうすればいいのか分からない。もし、あれば行動していただろうなあ」
彼女は行動しても何も変わらないと感じていた。だからこそ、この劣等感を受け入れている。
そんな彼女だからこそ、零は助けたいと思っていた。
「なら、彼よりも実力があると思わらせればいい」
「無理よ……私では彼には勝てない」
零の意見を却下した。
「劣等感を感じるなら強くなる努力をすればいいじゃないかな。俺もまだ能力は持ってないから言える柄じゃないが」
「あなたは元々強いでしょ。数々のスキルを持っているし、それに私は努力したところで無意味よ」
自分を否定するかのような口調だった。彼女には既に諦めているのだ。何も出来ない、話を聞けば聞くほどにそれは大きくなっていくようだった。
零はため息を吐いてから、立ち上がった。
「なら、強くなるように俺らが面倒を見る。そして次の学年別の大会行事で勝てばいい。能力の使用は禁止されている大会だ。自分の運動能力と体術で圧倒出来るようにすればいい」
大会はFPWS形式のルールになっている。一年の中で複数ある大会の一つでもあるが、唯一能力の使用を禁止されている。だからこそ、都合が良いと零は感じたんだろう。
「能力で勝たないといけないと私は思っているんの……」
能力を使わずに勝利しても何も意味がないと彼女は思っていた。だからこそ能力を使わずに勝ち、次での勝負では能力を使おうと使わなくても自身を持って挑める。彼はそう感じていたのだ。
「だからこそだよ。まずは勝利する事だけを考えれば良い。次の月曜の実技はこの女子二人が相手になるから、全力で彼女達に挑めば良い」
零の言葉に二人が反応した。
「ちょ!何私達を巻き添えしているのよ!」
「そ、そうです。私達は体術得意ではないんですが」
「いや、葵は体術相当出来るだろ。俺がやっていいが、あとで何言われるか分からないからね」
二人は売られたと感じ反発したが、零はため息を吐きながら立て続けに言った。
「俺が何かするとそこの人が襲いに掛かってくるからやれないのも理由だが」
視線を葵に向けた。昔零は葵に十字固めなどをもろに何回も食らっていた。そのせいもあり、こういう場面は女性陣に投げていた。
「分かった分かった。やればいいんでしょやれば」
葵はため息を吐きながら寝るかのように頭をテーブルにくっ付けた。
「諦め早くて助かるよ」
「私は何も頼んでないのだが……、まあ私の実力を見てもらえるならいいか」
彼女はもう断れないと踏んだのか諦めていた。
零は少しホッとしながら、話 立ち上がりテレビの前に立ちある物を手に取った。
「話は終わったし、これの続きするか」
それはコントローラーだった。潤に鏡花がそれに食いついた。
「てか、食材どうするの?何も買ってないんだけど……」
「レトルトあるからそれでいいと思うんだが」
「あれはもしの時に残したいんだけどてん…今日ぐらいはいいか」
レトルトでもたまにいいかっと葵は思いながら、零の所に向かった。そして夜遅くまでゲームに没頭していた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
弱いままの冒険者〜チートスキル持ちなのに使えるのはパーティーメンバーのみ?〜
秋元智也
ファンタジー
友人を庇った事からクラスではイジメの対象にされてしまう。
そんなある日、いきなり異世界へと召喚されてしまった。
クラス全員が一緒に召喚されるなんて悪夢としか思えなかった。
こんな嫌な連中と異世界なんて行きたく無い。
そう強く念じると、どこからか神の声が聞こえてきた。
そして、そこには自分とは全く別の姿の自分がいたのだった。
レベルは低いままだったが、あげればいい。
そう思っていたのに……。
一向に上がらない!?
それどころか、見た目はどう見ても女の子?
果たして、この世界で生きていけるのだろうか?
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
農家の四男に転生したルイ。
そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。
農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。
十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。
家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。
ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる!
見切り発車。不定期更新。
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
誰からも食べられずに捨てられたおからクッキーは異世界転生して肥満令嬢を幸福へ導く!
ariya
ファンタジー
誰にも食べられずゴミ箱に捨てられた「おからクッキー」は、異世界で150kgの絶望令嬢・ロザリンドと出会う。
転生チートを武器に、88kgの減量を導く!
婚約破棄され「豚令嬢」と罵られたロザリンドは、
クッキーの叱咤と分裂で空腹を乗り越え、
薔薇のように美しく咲き変わる。
舞踏会での王太子へのスカッとする一撃、
父との涙の再会、
そして最後の別れ――
「僕を食べてくれて、ありがとう」
捨てられた一枚が紡いだ、奇跡のダイエット革命!
※カクヨム・小説家になろうでも同時掲載中
※表紙イラストはAIに作成していただきました。
異世界でも保育士やってます~転生先に希望条件が反映されてないんですが!?~
こじまき
ファンタジー
【読んでいただいて♡いただいて、ありがとうございます。王城編準備中のため、12月12日からしばらく更新お休みします。考えてた構成が「やっぱなんか違う」ってなり、慌てております…汗】
「こんな転生先だなんて聞いてないっ!」六年間付き合った彼氏に婚約を解消され、傷心のまま交通事故で亡くなった保育士・サチ。異世界転生するにあたり創造神に「能力はチートで、広い家で優しい旦那様と子だくさんの家庭を築きたい」とリクエストする。「任せといて!」と言われたから安心して異世界で目を覚ましたものの、そこはド田舎の山小屋。周囲は過疎高齢化していて結婚適齢期の男性なんていもしないし、チートな魔法も使えそうにない。創造神を恨みつつマニュアル通り街に出ると、そこで「魔力持ち」として忌み嫌われる子どもたちとの出会いが。「子どもには安心して楽しく過ごせる場所が必要」が信条のサチは、彼らを小屋に連れ帰ることを決め、異世界で保育士兼りんご農家生活を始める。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる