対異世界防衛学園

くノ一

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メインストーリー

29.学園内の騒動4

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 昼12時頃、街中に幅の長い紫のとんがり帽子に紫の分厚いワンピースを来た女性が歩いていた。彼女の表情はとても楽しそうにクスクスと笑みを浮かべていた。彼女は独り言のように呟いていた。
「で、そちらは作戦通りに進んでますの?」
『今の所は順調ですが……、再度確認しますが今回行うのはただの時間稼ぎでいいのでしょうか?』
「ええ、私達はあくまで誘導に過ぎないのです。必要な戦力と物資の配達はバレる恐れがあるものでしてよ」
 彼女は何も無いかのように歩いている。ただ珍しい格好をしている為か何人もの若者がその姿に見惚れていた。長い髪は魔女でも表すかのようにフサフサと揺らしながら。
「それで例のシステムは完成したのですか?」
『は、一応4月には実験としてホールの警備ユニットで実験をしました。データは既に確認されていると思いますが、実験は成功です。今回の作戦には十分発揮されるかと』
「そう、それは良かった。今回は新作の防具一式の試験があるのをお忘れなく」
『では我ら思考の思うままに!』
 その言葉とともに通話が切れた。彼女は楽しそうに目的地に向かって歩んでいた。
「さあ、私に最高のショーを見せてくれると信じてますよ」
 彼女は空を見ながら何かを期待する目をキラキラと輝せながら学園へと歩き出した。

「それでは、この問題わかる人いるか?」
 電子黒板をペシペシと叩きながら、先生が生徒に問題を出した。今受けている教科は魔機力の授業だ。簡単に説明すれば、俺らが使用する銃やアーマーなどに組み込まれる方式についての勉強だ。簡単な組み立てから常識があっても無理と言いたくなる程の高い技術が必要な組み立てもある。
 そういえば、この授業が担当フィーネ先生だったけ。あれでもかなりのやり手と聞くが……。まさかここまでとは思わなかったぞ。
「……誰も居ないか。ならそこの白髪少年、この方式の説明してみなさい」
 余りにも無反応だったのか、フィーネ先生は適当に使命をした。まだ名前も覚えてないのか、俺を『白髪少年』と呼んだ。いや、そこはちゃんと覚えてから呼んでください。
 俺は立ち上がり、電子黒板に映し出されている方式について説明を始めた。
「えーと、その方式は魔力弾をバースト形式にして発射する為の初期配置です。そこから右側に付け加えると単発になり、中央に付け加えると二点バーストになり、最後に左側に付け加えると三点バーストになります」
 黒板に映し出されているのは棒状のを幾つも組み合わせた物が映っていた。ちなみにその棒を立体には出来ない。人間には見えるか見えないか辺りの大きさでメモリに組み込まれている。それを銃や剣、アーマー類などに組み込まれる事でそれにそった魔力弾が使用出来る。
 まあ、簡単に言うと全ての武器やアーマー、スーツなどにメモリが入れられており、そのメモリの中に方式が組み込まれているって事だ。勿論一つだけじゃなく、複数入れる事も可能だ。
「まあ正解だ。お前は勉強はよく出来るからな。皆も復習するように!」
  フィーネ先生がそう言って次の内容のページを開いていた時、突如となく緊急ベルが鳴り響く。そしては放送も流れた。
『不審者が学園内の門を破壊し、侵入を確認!生徒はすぐに避難を始めて下さい!繰り返します。生徒はすぐに避難をー』
 何が起こったのか誰1人分からなかった。

 何が起こったのかは数分前の事。
 零達が通う門の付近には警備ユニットが立っていた。学園に配属されている警備ユニットは人格があり、普通に喋れるように作られている。そんな警備ユニットが門に向かって歩いている紫のワンピースを着込んだ女性を見ていた。
 そして門の前に立つなり、いきなり爆風が走った。
「おとなしく投降するんだ。今なら手荒な真似はしなー」
 警備ユニットが喋っている時に女性はどこから取り出したのか鎌を掴み、警備ユニットを一振りした。
 一瞬にして警備ユニットは真っ二つになった。それを見ていた他の警備ユニットが銃器を取り出し女性に向けた。
「さあ……、楽しいショーの始まりですー」
 女性はそう言いながら、ワンピースを脱いだ。いや、ワンピースは元から隠すためだったのか。中からは光り輝いた鎧が姿を出したのだ。
「この新作の装備で暴れるんですから。楽しませてくださいね」
 鎧から取り出したのか、片手に鎌を持ち勢いよく横へと降った。その放たれた刃は警備ユニットを切り裂く。
 彼女は少々つまらそうに言葉を誰もいない所に投げ飛ばした。
「こんなものですの?私をもっと楽しませてくれないと」
 どこらところへと人型の警備ユニットとボール型のユニットが現れ、撃ち始めた。ボール型の警備ユニットは左右から装着されたサブマシンガンが姿を見せて、撃ち始める。中にはロケランなども撃つユニットもいた。次第に銃声は止み、静寂が空間を飲み込んだ。爆風で上がった煙の中から、
「そんな装備だと私には傷一つ出来ませんよ」
 声が聞こえた。次第に視界が見えてくると、
「!?」
 カメラからも見ていた先生方が驚いていた。
 彼女は左手で空間状のバリアを張っていたのだ。そこには無数の魔力弾が埋まっていた。
「お返しですよ」
 彼女はそれを前へと押すと埋まっていた魔力弾が押した方向へと進んだ。そして次第に銃弾へとスピードを変化させ、攻撃していた警備ユニットへと降り注いだ。
 前へと出ていたユニットは音も立てる事なく倒れ込む。彼女はそれでも不満げな顔をしながら、
「私『サ・マグラネサ・ヴィーネスト』が相手しているのですよ。もう少し楽しませてくれないですか」
 彼女は大きな声を出しながら自ら名を出した。
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