対異世界防衛学園

くノ一

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メインストーリー

32.学園内の騒動7

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 既に1時間は経ったのだろうか。敵もかなりの数を増員しているのが分かる。あの時に映っていたトラックだけでなく、後方にもまだ二輌はあったんじゃないかってぐらいの自動ユニットだ。両方合わせて100機は余裕でいっているだろうなあ。だけどこれも時間の問題。黒幕である女性の実力は俺から見たら計り知れない。まだやりあってないから分からないが。
「一人で考え事しているならさっさとこいつら仕留めてくれないかな」
「ガトリング砲持っているあんたに言われたくないです」
 何処から持って来たのか定かではないガトリング砲を撃ちまくっている葵がいた。流石に何処からそんな物騒なの持って来れるんだ。地面から武器庫が出現するとか聞いてないし、その中にガトリング砲が入ってたから使用しているだけなんだよなあ。
 学園の中には色々と地面に埋め込まれているってよう分かる。
「だけど、魔力切れとかは止めてくれよ。魔力が無くなれば能力やスキル、武装面の機能停止してしまうから」
 ガトリング砲なだけに魔力の使用量はでかい。1発1発の魔力使用量は他の銃と変わらないがそれを高速で何十発も撃つんだ。かなりの魔力の使用にもなる。まあ、10分間での使用で魔力切れはそうそう無くならない。
 こいつの場合1時間は余裕で撃てるほど魔力は豊富だから大丈夫だろうが。
 俺は目の前の自動ユニットを一目散に片付けていく。もう何機倒したのかは定かではないが、少なくとも二桁はいっている事であろう。
 魔力で強化させてあるこの刀だと旧式の兵器や自動ユニットであろうと一撃で仕留められる。
 それにガンドールはこちら側に14機確認している。仕留めた数がまだ6機、目の前には8機ものガンドールがいる。
 あっちには20機近くいるんだろうが、まあ安堂先輩がいれば安心だろう。今頃ガンドールを奪取して突撃でもしてる頃だと思うが。
 まあ、目の前の敵に集中するべきか。
 俺は空中に魔力弾を作り出し、無差別に撃ちまくる。ガンドールには傷を付けれるのがやっとだった。あーなるほど。このガンドール接近戦に弱いけど、銃撃戦には強い作りになっているのか。
 だからさっきからロケランを数発当てても動けるのか。その時に気付いた方が良かったかも知れない。自動ユニットの方は攻撃に特化した汎用タイプなのは良く分かる。中距離と近距離の銃撃戦にで破壊出来るからだ。だからエネルギーミサイル系の武器や銃撃でさっきから倒れている。
「もうひと暴れと行くか。こいつらをどうにかしない限りでは突破は難しそうだ」
 俺は刀を構え、そして自動ユニットの中心へと移動をした。

「これ見ているだけでも楽しいものね」
 一人、すべての戦闘をモニターで見ながら楽しんでる人がいた。空中に浮かぶ幾つものモニター。そこにはカメラ映像が流れていた。
「それで、そちらの方は順調ですの?」
 独り言のように呟く。
『そちらが囮で暴れてくれているおかげでもうちょっとで全ての物質が運び込まれる』
 誰かとの通話だ。彼女と対等に話せる人物とも言える。
「あとはこのバトルアーマーの実戦経験のみってところかな」
『侵入させている同胞にもそろそろ動き出すように言っておいてくれ。もしうまく混乱が発生したら同胞とともに帰還。それがそなたの任務でもある』
「分かってますよ。私はただの囮に過ぎないのですから、囮らしく暴れてきますよ」
 通話をしながら彼女はモニターを見つめる。彼女は今回の任務を楽しみにしてたかのように。
 ーーええ、私は彼らの抗う姿を見たかったかも知れませんーー
 彼女はそう心の中で呟いていた。

 これで3機目かな。自動ユニットの操縦しているガンドールは行動パターンが読める。読めると言ってもさっきからほぼ同じ動きをしているからなんだけど。それをずっと見ていると流石に分かってしまう。
 それにしてもこれだけの戦力で勝てないって分かってるのに中隊並の戦力を投入して来ている。所詮自動ユニットは僕らみたいなアーマーを着込んでいる魔導使いには勝てない。
 でもこれだけの戦力、防衛軍は何をしているんだ。あれだけの兵器を見逃すなど。
  彼は何かを思いながら目の前の敵を1機ずつ潰していった。
「でもこれだけじゃ、この戦闘は終わらない。本命である彼女を倒さない限り」
 彼は自動ユニットがいるにも関わらずに正門へと急いだ。

「正門まであと半分ってところか」
 俺は一通りの兵器を片っ端から破壊して来た。そもそも南出入り口から中央広場までは来た感じか。
「敵もかなり減ったところか。一気に正門まで行けそうな気もするけど、物陰に数体隠れているからなあ」
「あとは私に任して行きなさいよ。ただしこれは貸しだからね」
 いるよなあ。先に行かすからその代わりに今度何か奢ってねって言う奴。何を考えているのか分からないが、今回は甘える事にした方が良さそうだ。
「ここは任せるけど、あんまり無茶するなよ。そのガトリング砲を撃ちまくってるんだし」
「え?そろそろこれ捨てるところだったんだけど」
 何強力な武器を何も無かったかのように捨てようとするんだ。それはそれで強力なんだけど。て、おい!マジで捨てたよこの人。何考えてるのやら。
 すると葵は両腰にぶら下げていたマシンガンを外し、構えた。
 うむ、もうそのガトリング砲拾う気ないなこれ。
「ここは任せて先に行って」
「言葉に甘えて先に行かせてもらいますよ」
 俺はそこを駆け抜けるかのように走り出した。スキルの『神速』も多用している為、自動ユニットは通り過ぎた時に気付く。そしてそこへマシンガンから放たれた魔力弾で警戒させ、こちらには無反応になる。
 さすがに走りながらこちらに来ている自動ユニットは数体仕留めたが、何とか突破出来ただけでも良しとするか。

「あらあら、私に挑もうとしている人がいるんですか」
 一人見物していた人物がいた。何個も表示されているモニターの中に一人はガンドールに乗りながらこちらに来ている人物。一人はスピードを出しながら特攻している人物。彼女にとってはこの二人を相手取るぐらい容易い。
「さて私も見学はここまでにしましょう」
 彼女はモニターを閉じ、鎌を持った。
『予定よりも早く戦闘をするのか?』
「みたいですね。生徒さんの中にやり手はいたようです」
『君みたいな実力者が負ける事は無いだろうが、油断はするなよ』
「分かりました。積荷の運搬が完了次第連絡をお願いしますね。通信終了」
 彼女は鎌を一回転した後に地面に強く叩いた。音が響く中、彼女は笑みを浮かべていた。
「私もこんなに楽しみな事なんてあるんですね」
 彼女は行動に出た。二人の生徒を出迎える為に。
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