居候は厨二病。

Musk.

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厨二病、買い食いをする。

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「やっぱりイケメンって何着てもかっこいいのねぇ。」

お姉さんはクリスを見てうっとりとしながら言った。

「ですねぇ。つんつるてんのパジャマでもクリスはかっこよかったしねぇ。」

「え?つんつるてん?」

「あっなんでもないです。」

危ない危ない、またクリスに怒られるところだった。

「本当彼氏かっこいいねぇ。私ずっと接客業してたけどあんなかっこいい人初めて。」

「あっいや、彼氏では……「おい、まどか!!見ろこれ!!」

更衣室から出てきたクリスがマネキンを指さして喚いていた。

「えっ何、マネキンがどうしたの。」

「こいつら、石化してるぞ!!魔法か!?近くに魔物が居るんじゃないのか!?」

「……………かっこいいけど、厨二病なの?彼氏。」

うわぁぁぁ!!周りの女の子達はかっこいいのに勿体ないと憐れんでいる。居た堪れなくなった私はさっさと会計に行った。


「ありがとうございましたー!また来てくださいね♪」

お姉さんは外までお見送りしてくれた。

「マネキンか。この世界には変わったものがたくさんあるな。」

あんたが1番変わってるけどね!!と心の中で呟いた。

ぐぅー。

私のお腹の音が鳴った。

「なんだ、お腹すいたのか?」

あっお腹の音は共通なんだ。良かったお腹に魔物がいるとか言い出さなくて。

「うーん朝から何も食べてないし…お腹すいたな。」

「なんか食べるか。ここら辺に食堂や酒場は無いのか?」

あっ嫌だ!!もうクリスを飲食店に連れていくメンタルは残ってない!!

「あっ凄いお腹すいてるわけじゃないし!あそこで買って食べない?」

私は路上販売しているケバブ屋さんを指さした。ケバブ大好きなんだよね♪

「なんだあれは。装備屋か?」

「違うよ、ケバブって言う食べもの売ってるんだ。私買ってくるから待ってて。」

私はそう言うとクリスを置いてケバブ屋に走っていった。


「ケバブ2つください。」

「いらっしゃい。辛いのと普通のどっちにする?」

「うーん、2つとも普通のでお願いします。」

クリス辛いの食べられるのか分からないし。とりあえず普通のを頼んだ。

「クリスお待たせーってえええ!!」

クリスは噴水の中に入っていた。

「ちょ、何してるの風邪引くよ!!」

「いや、何故水が出てるのか気になってな…。これは水の加護を受けてる気配を感じないのだが…。」

俺の国の噴水は水の加護を受けているんだ。そう話すクリスにまた人が集まってくる。

「~~!!いいから出て!!風邪引くから!!」

私は急いでクリスを噴水から出した。


「もうジーンズびちょ濡れじゃない…。」

「大丈夫だ、すぐ乾く。」

クリスはそう言うとジーンズの裾を捲った。

油断も隙もない…!!いっそリード繋いだ方がいいんじゃないか。

「ところで…それがケバブか?いい匂いがするんだが。」

あっあまりの衝撃に忘れてた。私ケバブ買いに行ったんだ。

「そうそう。美味しいよ!冷めないうちに食べなね。」

はい、と渡すとクリスはケバブをジロジロ見た。

「ふふ、そんなに珍しい?ケバブは……「毒。」

「は?」

「これ、毒入ってないのか?」

「はぁ!?入ってるわけないでしょ!」

「だってお前あの得体の知れない男から買ってたじゃないか!あれが刺客だったらどうするんだ!」

「だから言ったでしょ…クリスが騎士団って皆知らないって…。」

「いや、しかし……。」

私はクリスのケバブに噛み付いた。

「!?」

「ほら、私は元気!!毒なんて入ってないでしょ?」

私がそう言うとお前…いいやつだな。と呟いた。

えっなんか褒められた!!よく分からないけど褒められた!!

「ねぇあれカップルかな?彼氏イケメン…いいなぁ…。」

通りすがりの女の子達の声が聞こえた。

さっきの店員さんといい、私達カップルに見えるんだなぁ。ふふ、こんなイケメンとデートだなんてちょっと優越感だな。

「おお!これがケバブか!上手い!!騎士団長にも食べさせてやりたいな!」

………厨二病にしか見えないけど。

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