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厨二病、暇を持て余す。
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「ただいまぁ。」
「あら、おかえりなさい。楽しかった?」
「楽しかったというか…クリスが厨二病全開だった。」
そう言うとお母さんはあらあらと笑った。
「じゃぁお風呂入っちゃいなさい。お母さん夕飯作っちゃうから。」
私はお母さんに言われた通りお風呂に入った。
「ああー極楽ぅ!」
おっさん臭い?ほっといて。今日めっちゃ疲れたんだもん!
帰りも自転車を見かけておい、あいつ曲芸してるぞ。とか言うし…もうクタクタだよ。メンタルがね。
だけど異世界に帰れる方法ってあるの?召喚士も魔法も無いこの世界では絶望じゃないのか。……クリスの前では言えないけど。
「あーさっぱりした。あっ今日の夕飯は唐揚げだ!!」
ケバブしか食べてないからお腹ぺこぺこなんだよね…ってもしかして私よりクリスのがお腹すいてるんじゃない?男の子だし。
「うわぁぁぁ腹減った。死ぬ。」
ほらぁやっぱり!!
「わぁクリスごめんね!!ケバブだけじゃ足りなかったよね!ごめん私にクリスを飲食店に連れて行けるメンタルがあれば!」
「えっ何の話。」
「だってクリス、厨二病だか………「ほら、クリスちゃんお風呂入ってきなさい。」
私の謝罪はお母さんの声にかき消された。
「変なやつ。」
クリスは怪訝そうな顔をしてお風呂に入っていった。
「いっただきまーす!」
お腹ぺこぺこの私達はいただきますと同時にがっついた。
「そんなに勢い良く食べたら喉つっかえるわよ。」
「だってお母さんの唐揚げ久しぶり!お母さん、明日のお弁当にも唐揚げ入れて!」
私のその言葉にクリスは不思議そうな顔をした。
「お弁当?なんだ、まどか…明日遠征でも行くのか?」
「なんでよ、明日私は学校だよ。」
「学校?」
「えっクリスの世界には学校無いの!?」
「な訳あるか。いやでも魔法も魔物も無い世界で何を勉強するんだ?」
「何って…歴史とか国語とか数学とか?」
「なるほど…この世界でそれが何の役に立つか分からないが勉強してるんだな。」
「クリスちゃん、学校はそれ以外にも一般常識というものを学べるのよ。社会に出て常識が無いと困った大人になるからねぇ。」
「ふむ、確かに常識が無い人間は良くないな。まどか、頑張って常識を学べよ。」
……クリスは一般常識が無い人間みたいになってるね、とは言わなかった私を褒めてあげたい。
「じゃおやすみなさい。」
私は自分の部屋に入ろうとした。
「あっまどか…!」
「ん?なーに。」私は眠くて目を擦りながら答えた。
「その…今日はありがとう。人がたくさんで疲れたが…楽しかったぞ。」
えっクリスが顔を赤らめてる!!可愛い!!めっちゃ可愛い!!
「おい、聞いてんのか。」
「あっ聞いてる聞いてる!!私も楽しかった!!ありがとう!!」
そう言うとクリスは嬉しそうに笑って自分の部屋に入っていった。えっクリスってあんな顔で笑うんだ……初めて見たクリスの笑顔…。私はフラフラとしながら部屋に入った。
ピピピピッ。
目覚ましが無情にも鳴り響く。
えーもう朝?寝た気がしない…。
私はダラダラと制服に着替えて下に降りてった。
「おはようまどか。あら?クマが出来てるけど眠れなかったの?」
「おはようお母さん。ううん、大丈夫。」
そう、眠れなかったのだ!!
寝る寸前に見たクリスのキラキラ笑顔が忘れられなくて…。
どんだけイケメン耐性無いんだ私は。
私は自分に情けなくなりながらも、朝ごはんを食べて支度を終えると学校へ向かった。
「おはようお母さん。あれ?まどかは?」
「おはようクリスちゃん。まどかは学校よ?」
あっそう言えば今日学校って言ってたな…。
「学校かぁ…。」
「あら?寂しい?」
「そっそんな訳あるか!いや、学校懐かしいなと。俺は基本騎士団員の仕事だがもちろん学業も真面目にやっていたぞ。」
「あら、そうなの。」
「俺は賢いからな。学業も剣さばきもいつも1番だった。魔法なんて先生を追い抜かす実力……おい、お母さん聞いているか。」
「聞いてるわよ、凄いわねクリスちゃん。」
ふふん、とクリスは笑うとおもむろに剣を取り出した。
「えっクリスちゃん何するつもりなの。」
「何って…素振り?」
「ダメよ!クリスちゃん!そんなもの家で振り回さないで!」
「何を言うお母さん!剣の練習は毎日の日課なんだ!俺の腕が落ちたらどうするんだ!」
「だからってこんな所で剣を振り回しちゃダメです!」
「そんなこと言われても……あっ。」
クリスは庭を指して嬉しそうに言った。
「お母さん、庭でやる!それならいいだろ!」
「もっとダメです!!剣を持ってるの見られたらどうするの!!」
「そんな……俺の腕が落ちたら…世界は滅びてしまう…………!!」
「うーん困った子ねぇ…。あっちょっと待ってて。」
俺の落胆ぶりを見て哀れに思ったのかお母さんはどこかに向かった。なんだ!?この世界の訓練所か!?ありがとうお母さん!!
「えっなんだこれは。」
「何って…竹刀?」
戻ってきたお母さんは俺の前に木の棒を置いた。
「ふざけんな!これは剣に慣れない子供が使うやつだろ!!」
「あら?違うわよ?日本ではちゃんとした物なんだから。竹刀って言って代理品とかでは無いのよ?」
「それでは魔物が斬れないではないか。」
「日本には魔物がいないから剣なんて要らないもの。」
懐かしいわぁお父さん強かったのよ…とお母さんは惚け始めた。
「何?お父さんは強いのか。なら今度一戦……。」
「ダメよ。クリスちゃんとは戦い方が違うから。」
なんだ戦い方って……俺は騎士団で基礎から学んだんだ!一体お父さんはどんな戦い方をするんだ………!!
俺が悩んでいるとお母さんはシナイとやらを俺に突きつけた。
「ほら、素振りならこれで我慢しなさい。庭でやってね。」
俺は渋々シナイを持って庭で素振りを始めた。
なんかお母さんって逆らえないんだよな…騎士団長に似てる…。
「いってきまーす。」
まどかは今日も元気に学校へ行った。よし、俺も元気に素振りをしよう。
「…………お母さん。」
「なぁに、クリスちゃん。」
お母さんは本を読みながらお煎餅を食べていた。
「俺、この世界に来てから素振りしかやってないのだが。」
「嫌だわ、買い物もしたじゃない。」
「あっそうだった。いや、ここ最近素振りしかしていないぞ。」
「だってクリスちゃん他にやることないでしょ?料理もあまり得意じゃないみたいだし…。」
「何を言う!カレーぐらいなら作れるぞ!」
「毎日カレーなんて嫌だわ私。」
くっ……!毎日毎日訓練やら騎士団の仕事やらで追われていた毎日が嘘みたいだ。とにかく素振りしかやることが無い。
最近は近所の子供たちに「イケメン素振りヤロー」とか言われ始めた。お母さんに言ったら褒め言葉だって言われたから気にしなかったけど。
「しかしこのままでは帰る方法見つからないのでは無いか…?」
俺の問いにお母さんは確かにねぇ…。とため息をついた。
「そうよねぇ…今のクリスちゃんはただの素振りニートだもんねぇ。」
「ニート?」
「これは真面目に考えた方がいいわよねぇ。」
「お母さん、ニートってなんだ。」
「よし!今日お父さんに相談してみるから!ニート抜け出さないとね!!」
だからニートってなんだ……その問いに答えることなく、お母さんは買い物に出掛けてしまったのだった。
「あら、おかえりなさい。楽しかった?」
「楽しかったというか…クリスが厨二病全開だった。」
そう言うとお母さんはあらあらと笑った。
「じゃぁお風呂入っちゃいなさい。お母さん夕飯作っちゃうから。」
私はお母さんに言われた通りお風呂に入った。
「ああー極楽ぅ!」
おっさん臭い?ほっといて。今日めっちゃ疲れたんだもん!
帰りも自転車を見かけておい、あいつ曲芸してるぞ。とか言うし…もうクタクタだよ。メンタルがね。
だけど異世界に帰れる方法ってあるの?召喚士も魔法も無いこの世界では絶望じゃないのか。……クリスの前では言えないけど。
「あーさっぱりした。あっ今日の夕飯は唐揚げだ!!」
ケバブしか食べてないからお腹ぺこぺこなんだよね…ってもしかして私よりクリスのがお腹すいてるんじゃない?男の子だし。
「うわぁぁぁ腹減った。死ぬ。」
ほらぁやっぱり!!
「わぁクリスごめんね!!ケバブだけじゃ足りなかったよね!ごめん私にクリスを飲食店に連れて行けるメンタルがあれば!」
「えっ何の話。」
「だってクリス、厨二病だか………「ほら、クリスちゃんお風呂入ってきなさい。」
私の謝罪はお母さんの声にかき消された。
「変なやつ。」
クリスは怪訝そうな顔をしてお風呂に入っていった。
「いっただきまーす!」
お腹ぺこぺこの私達はいただきますと同時にがっついた。
「そんなに勢い良く食べたら喉つっかえるわよ。」
「だってお母さんの唐揚げ久しぶり!お母さん、明日のお弁当にも唐揚げ入れて!」
私のその言葉にクリスは不思議そうな顔をした。
「お弁当?なんだ、まどか…明日遠征でも行くのか?」
「なんでよ、明日私は学校だよ。」
「学校?」
「えっクリスの世界には学校無いの!?」
「な訳あるか。いやでも魔法も魔物も無い世界で何を勉強するんだ?」
「何って…歴史とか国語とか数学とか?」
「なるほど…この世界でそれが何の役に立つか分からないが勉強してるんだな。」
「クリスちゃん、学校はそれ以外にも一般常識というものを学べるのよ。社会に出て常識が無いと困った大人になるからねぇ。」
「ふむ、確かに常識が無い人間は良くないな。まどか、頑張って常識を学べよ。」
……クリスは一般常識が無い人間みたいになってるね、とは言わなかった私を褒めてあげたい。
「じゃおやすみなさい。」
私は自分の部屋に入ろうとした。
「あっまどか…!」
「ん?なーに。」私は眠くて目を擦りながら答えた。
「その…今日はありがとう。人がたくさんで疲れたが…楽しかったぞ。」
えっクリスが顔を赤らめてる!!可愛い!!めっちゃ可愛い!!
「おい、聞いてんのか。」
「あっ聞いてる聞いてる!!私も楽しかった!!ありがとう!!」
そう言うとクリスは嬉しそうに笑って自分の部屋に入っていった。えっクリスってあんな顔で笑うんだ……初めて見たクリスの笑顔…。私はフラフラとしながら部屋に入った。
ピピピピッ。
目覚ましが無情にも鳴り響く。
えーもう朝?寝た気がしない…。
私はダラダラと制服に着替えて下に降りてった。
「おはようまどか。あら?クマが出来てるけど眠れなかったの?」
「おはようお母さん。ううん、大丈夫。」
そう、眠れなかったのだ!!
寝る寸前に見たクリスのキラキラ笑顔が忘れられなくて…。
どんだけイケメン耐性無いんだ私は。
私は自分に情けなくなりながらも、朝ごはんを食べて支度を終えると学校へ向かった。
「おはようお母さん。あれ?まどかは?」
「おはようクリスちゃん。まどかは学校よ?」
あっそう言えば今日学校って言ってたな…。
「学校かぁ…。」
「あら?寂しい?」
「そっそんな訳あるか!いや、学校懐かしいなと。俺は基本騎士団員の仕事だがもちろん学業も真面目にやっていたぞ。」
「あら、そうなの。」
「俺は賢いからな。学業も剣さばきもいつも1番だった。魔法なんて先生を追い抜かす実力……おい、お母さん聞いているか。」
「聞いてるわよ、凄いわねクリスちゃん。」
ふふん、とクリスは笑うとおもむろに剣を取り出した。
「えっクリスちゃん何するつもりなの。」
「何って…素振り?」
「ダメよ!クリスちゃん!そんなもの家で振り回さないで!」
「何を言うお母さん!剣の練習は毎日の日課なんだ!俺の腕が落ちたらどうするんだ!」
「だからってこんな所で剣を振り回しちゃダメです!」
「そんなこと言われても……あっ。」
クリスは庭を指して嬉しそうに言った。
「お母さん、庭でやる!それならいいだろ!」
「もっとダメです!!剣を持ってるの見られたらどうするの!!」
「そんな……俺の腕が落ちたら…世界は滅びてしまう…………!!」
「うーん困った子ねぇ…。あっちょっと待ってて。」
俺の落胆ぶりを見て哀れに思ったのかお母さんはどこかに向かった。なんだ!?この世界の訓練所か!?ありがとうお母さん!!
「えっなんだこれは。」
「何って…竹刀?」
戻ってきたお母さんは俺の前に木の棒を置いた。
「ふざけんな!これは剣に慣れない子供が使うやつだろ!!」
「あら?違うわよ?日本ではちゃんとした物なんだから。竹刀って言って代理品とかでは無いのよ?」
「それでは魔物が斬れないではないか。」
「日本には魔物がいないから剣なんて要らないもの。」
懐かしいわぁお父さん強かったのよ…とお母さんは惚け始めた。
「何?お父さんは強いのか。なら今度一戦……。」
「ダメよ。クリスちゃんとは戦い方が違うから。」
なんだ戦い方って……俺は騎士団で基礎から学んだんだ!一体お父さんはどんな戦い方をするんだ………!!
俺が悩んでいるとお母さんはシナイとやらを俺に突きつけた。
「ほら、素振りならこれで我慢しなさい。庭でやってね。」
俺は渋々シナイを持って庭で素振りを始めた。
なんかお母さんって逆らえないんだよな…騎士団長に似てる…。
「いってきまーす。」
まどかは今日も元気に学校へ行った。よし、俺も元気に素振りをしよう。
「…………お母さん。」
「なぁに、クリスちゃん。」
お母さんは本を読みながらお煎餅を食べていた。
「俺、この世界に来てから素振りしかやってないのだが。」
「嫌だわ、買い物もしたじゃない。」
「あっそうだった。いや、ここ最近素振りしかしていないぞ。」
「だってクリスちゃん他にやることないでしょ?料理もあまり得意じゃないみたいだし…。」
「何を言う!カレーぐらいなら作れるぞ!」
「毎日カレーなんて嫌だわ私。」
くっ……!毎日毎日訓練やら騎士団の仕事やらで追われていた毎日が嘘みたいだ。とにかく素振りしかやることが無い。
最近は近所の子供たちに「イケメン素振りヤロー」とか言われ始めた。お母さんに言ったら褒め言葉だって言われたから気にしなかったけど。
「しかしこのままでは帰る方法見つからないのでは無いか…?」
俺の問いにお母さんは確かにねぇ…。とため息をついた。
「そうよねぇ…今のクリスちゃんはただの素振りニートだもんねぇ。」
「ニート?」
「これは真面目に考えた方がいいわよねぇ。」
「お母さん、ニートってなんだ。」
「よし!今日お父さんに相談してみるから!ニート抜け出さないとね!!」
だからニートってなんだ……その問いに答えることなく、お母さんは買い物に出掛けてしまったのだった。
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