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厨二病、カレーを作る。
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パサッ。
それは昇降口で靴箱を開けた時だった。
「ん?」
私の足の上に白い紙が落ちてきた。
何これ?と開いてみるとそこには。
【佐々木さんへ 今日の放課後体育倉庫の所に来てください。新谷まい】
ええ!?新谷さんってあのクリスに何度かアピールしてた人じゃん!!何度か睨まれたし…これって果たし状!?
「しかし眠いな。昨日テレビなんて見てないで早寝すれば良かった…いやぁすっかりテレビという物にハマってしまって……おい、まどかどうした?」
「へっ!?あっいやいやなんでもない!!」
私はそう言うと慌ててブレザーのポケットに紙を突っ込んだ。
「具合悪いのか?保健室に連れていくぞ?」
「いやいや大丈夫だから!!ありがとうクリス、教室に行こう。」私はそう言って小走りで教室へ向かった。
その日の授業は何も頭に入らなかった。
だって呼び出し怖いんだもん。居るのは新谷さんだけかな…漫画みたいに数人の女子に囲まれたらどうしよう。
チラッと授業中とか新谷さん見てみるけど変わった様子は無い。
本当に新谷さんなのかな?……バックれたら怒られるかな。
「おい、まどか!」
「うわぁ何!?」
突然のクリスの声に私は飛び上がった。
それにそんな綺麗な顔を近づけないでよ照れる!!
「何って……もう放課後だぞ?いつまで机に座ってるんだ。」
「あっ………。」
気付くと私とクリス以外教室に誰も居なかった。
「今日はずっと変だぞ?お昼ご飯の時もぼーっとしてたし…田中達も心配してたぞ。」
「うーんごめん、寝不足かな?」
「毎日11時には寝てるのにか。…まぁいい、とにかく帰るぞ。」
「うん……ってあっダメだ!!」
うわぁ新谷さんに呼ばれてるの行かなくちゃ!!
「何がダメなんだ?」
「ちょっと先生に呼ばれてて…クリス悪いけど先に帰ってて!!」
「ならここでまどかを待っている。」
「いや、時間かかりそうだから先に帰って!カレー作っといてよお願い!!じゃぁね!!」
新谷さんの呼び出しにクリスを連れていくわけにはいかない。
私は渋るクリスを置いて走って行った。
「はぁ…はぁ……新谷さん来ました、佐々木です…。」
久しぶりの猛ダッシュは疲れた。体育真面目にやらなきゃだな。
「佐々木さん来てくれてありがとう。」
新谷さんは影からスっと出てきた。良かった1人みたい。
「単刀直入に言うけど…佐々木さんはアレクくんの彼女なの?」
やっぱりクリスのことか…私は顔が強ばるのを抑えて口を開いた。
「いや、違います。」
「そう…なら悪いけどアレクくんとイチャイチャするのやめてくれない?見ててイライラするんだよね。」
イチャイチャ!?私クリスとイチャイチャしてたっけ!?
「アレクくんって他の女子と話さないのは佐々木さんが近くに居るからだと思うんだよね。彼女でもないのに独占とか本当やめて欲しいんだけど。」
そうか…クリスは女子とは滅多に話さないから仲良く話してるだけでイチャイチャしてるように見えるのか。
「いや、ちょっと待って。イチャイチャとか別にしてないから。同居人だし普通の女子よりかはクリスにとって話しやすいんだよ。」
「はぁ!?何それ、アレクくんから近づいてくるって言いたいわけ!?」
「えっ……いや、そう言うわけでは……。」
「この間の野菜蒸しパンだってアレクくん皆の断ったのにアンタのだけ受け取ってた!!なんなの!?」
ええ見てたの!?帰り道の出来事だったのに…怖い!!
「いや、あれはクリスは慎重というか…毒が入っているか……」
「何よその厨二病設定……!!馬鹿にするのもいい加減にしてよ!!」
新谷さんはそう言って手を振り上げた。
あっ私、叩かれる!!
「………あれ?」
衝撃が来ない。私は恐る恐る目を開けると。
「クリス!?」
目の前に新谷さんの手を掴むクリスが立っていた。
「どうしてクリスがこんな所に……!」
「まどかの様子がおかしかったからな。来てみてよかった。」
クリスはそう私に優しく微笑みかけた後、前を向いて新谷さんを睨んだ。
「あっ……アレクくん………私…………。」
新谷さんは顔を真っ青にして声を絞り出していた。
「新谷………だったよな?前回の蒸しパンの事は謝る。俺は立場上人から貰った物は食べないようにしていたので突っぱねてしまった。あの後まどかに怒られて学習したんだ、本当に悪かった。」
新谷さんはえっ…と驚いて私の顔を見た。
「しかしそれをまどかに当たるのは許さない。文句があったんなら俺に言え。俺は悪い事をしたから殴られても何されても構わない……が、まどかにだけは絶対に手を出すな。」
クリスはそう言って新谷さんの手を放した。
新谷さんはフラフラとしながら震えた声で聞いた。
「………アレクくんにとって佐々木さんは…どんな存在なの…?」
クリスは驚いたように目を見開いた後、私の方を見て
「まどかは違う世界の俺を優しく受け入れてくれて世話をしてくれる暖かい存在だ。俺の一番の、大切な人だ。」と笑って言った。
えええ!!クリス何を突然!!
「そう………。佐々木さん……ごめんなさい………。」
新谷さんはそう言うと泣き出してしまった。
「おい………。」
クリスが声をかけようとすると新谷さんは走って行ってしまった。追いかけようとしたクリスを私は止めた。だってきっと1人になりたいはず。
「クリス……ありがとう……でもどうしてこの場所が?」
「お前が教室から走り去った時に紙が落ちて。見たら放課後体育倉庫って書かれてたから。」
あっあの時に……そうか私ってば………。
「しかし本当に悪かったな。俺のせいでまどかが…。」
「ううん、大丈夫!クリスがかばってくれたお陰だよ!!」
「本当か?だってお前さっきからずっと顔が赤いぞ?」
うわぁぁ言わないで!!だってクリスってば俺の一番大切な人とか言うんだもん!!天然タラシかコノヤロー!!
「おい、まどか……?」
「大丈夫!!大丈夫だから!!お腹すいたし帰ろう!!」
「分かった、俺が連れていこう。おんぶと抱っこどっちがいい。」
「歩いて帰るから!!大丈夫だから!!」
私は早歩きで帰った。恥ずかしくて顔が見られない!!
「まどか、今日は疲れただろう。リクエスト通りカレーを作っておくからまどかは風呂にでも入っててくれ。」
クリスはそう言うとキッチンに向かった。
私はお言葉に甘えてお風呂に入ることにした。
「うう……俺の一番大切な人って…まるでプロポーズじゃん……。」
きっとクリスには深い意味は無いんだろうな…いや、でもそんな事言われたら期待しちゃう……って期待って何!?いやいや私はクリスが好きなわけでは………!!
「やばい、のぼせた。」
私はつい長湯をしてフラフラと出てきた。
そこには………
「まどか、長かったな!!ほら沢山食べろ!!」
キラキラと笑うクリスと大量のカレーがあった。
「ちょ!!何このカレーの量!?」
「いやぁつい騎士団にいた時と同じ量を作ってしまってな、あはは。」
「あはは。じゃないよクリス!!どうするのこの量!!」
「大丈夫だ。味は美味しい。」
「そうじゃなくて!!」
それから佐々木一家とクリスは1週間、朝昼晩とカレーだけを食べた。
………………当分カレーは要らないや…。
それは昇降口で靴箱を開けた時だった。
「ん?」
私の足の上に白い紙が落ちてきた。
何これ?と開いてみるとそこには。
【佐々木さんへ 今日の放課後体育倉庫の所に来てください。新谷まい】
ええ!?新谷さんってあのクリスに何度かアピールしてた人じゃん!!何度か睨まれたし…これって果たし状!?
「しかし眠いな。昨日テレビなんて見てないで早寝すれば良かった…いやぁすっかりテレビという物にハマってしまって……おい、まどかどうした?」
「へっ!?あっいやいやなんでもない!!」
私はそう言うと慌ててブレザーのポケットに紙を突っ込んだ。
「具合悪いのか?保健室に連れていくぞ?」
「いやいや大丈夫だから!!ありがとうクリス、教室に行こう。」私はそう言って小走りで教室へ向かった。
その日の授業は何も頭に入らなかった。
だって呼び出し怖いんだもん。居るのは新谷さんだけかな…漫画みたいに数人の女子に囲まれたらどうしよう。
チラッと授業中とか新谷さん見てみるけど変わった様子は無い。
本当に新谷さんなのかな?……バックれたら怒られるかな。
「おい、まどか!」
「うわぁ何!?」
突然のクリスの声に私は飛び上がった。
それにそんな綺麗な顔を近づけないでよ照れる!!
「何って……もう放課後だぞ?いつまで机に座ってるんだ。」
「あっ………。」
気付くと私とクリス以外教室に誰も居なかった。
「今日はずっと変だぞ?お昼ご飯の時もぼーっとしてたし…田中達も心配してたぞ。」
「うーんごめん、寝不足かな?」
「毎日11時には寝てるのにか。…まぁいい、とにかく帰るぞ。」
「うん……ってあっダメだ!!」
うわぁ新谷さんに呼ばれてるの行かなくちゃ!!
「何がダメなんだ?」
「ちょっと先生に呼ばれてて…クリス悪いけど先に帰ってて!!」
「ならここでまどかを待っている。」
「いや、時間かかりそうだから先に帰って!カレー作っといてよお願い!!じゃぁね!!」
新谷さんの呼び出しにクリスを連れていくわけにはいかない。
私は渋るクリスを置いて走って行った。
「はぁ…はぁ……新谷さん来ました、佐々木です…。」
久しぶりの猛ダッシュは疲れた。体育真面目にやらなきゃだな。
「佐々木さん来てくれてありがとう。」
新谷さんは影からスっと出てきた。良かった1人みたい。
「単刀直入に言うけど…佐々木さんはアレクくんの彼女なの?」
やっぱりクリスのことか…私は顔が強ばるのを抑えて口を開いた。
「いや、違います。」
「そう…なら悪いけどアレクくんとイチャイチャするのやめてくれない?見ててイライラするんだよね。」
イチャイチャ!?私クリスとイチャイチャしてたっけ!?
「アレクくんって他の女子と話さないのは佐々木さんが近くに居るからだと思うんだよね。彼女でもないのに独占とか本当やめて欲しいんだけど。」
そうか…クリスは女子とは滅多に話さないから仲良く話してるだけでイチャイチャしてるように見えるのか。
「いや、ちょっと待って。イチャイチャとか別にしてないから。同居人だし普通の女子よりかはクリスにとって話しやすいんだよ。」
「はぁ!?何それ、アレクくんから近づいてくるって言いたいわけ!?」
「えっ……いや、そう言うわけでは……。」
「この間の野菜蒸しパンだってアレクくん皆の断ったのにアンタのだけ受け取ってた!!なんなの!?」
ええ見てたの!?帰り道の出来事だったのに…怖い!!
「いや、あれはクリスは慎重というか…毒が入っているか……」
「何よその厨二病設定……!!馬鹿にするのもいい加減にしてよ!!」
新谷さんはそう言って手を振り上げた。
あっ私、叩かれる!!
「………あれ?」
衝撃が来ない。私は恐る恐る目を開けると。
「クリス!?」
目の前に新谷さんの手を掴むクリスが立っていた。
「どうしてクリスがこんな所に……!」
「まどかの様子がおかしかったからな。来てみてよかった。」
クリスはそう私に優しく微笑みかけた後、前を向いて新谷さんを睨んだ。
「あっ……アレクくん………私…………。」
新谷さんは顔を真っ青にして声を絞り出していた。
「新谷………だったよな?前回の蒸しパンの事は謝る。俺は立場上人から貰った物は食べないようにしていたので突っぱねてしまった。あの後まどかに怒られて学習したんだ、本当に悪かった。」
新谷さんはえっ…と驚いて私の顔を見た。
「しかしそれをまどかに当たるのは許さない。文句があったんなら俺に言え。俺は悪い事をしたから殴られても何されても構わない……が、まどかにだけは絶対に手を出すな。」
クリスはそう言って新谷さんの手を放した。
新谷さんはフラフラとしながら震えた声で聞いた。
「………アレクくんにとって佐々木さんは…どんな存在なの…?」
クリスは驚いたように目を見開いた後、私の方を見て
「まどかは違う世界の俺を優しく受け入れてくれて世話をしてくれる暖かい存在だ。俺の一番の、大切な人だ。」と笑って言った。
えええ!!クリス何を突然!!
「そう………。佐々木さん……ごめんなさい………。」
新谷さんはそう言うと泣き出してしまった。
「おい………。」
クリスが声をかけようとすると新谷さんは走って行ってしまった。追いかけようとしたクリスを私は止めた。だってきっと1人になりたいはず。
「クリス……ありがとう……でもどうしてこの場所が?」
「お前が教室から走り去った時に紙が落ちて。見たら放課後体育倉庫って書かれてたから。」
あっあの時に……そうか私ってば………。
「しかし本当に悪かったな。俺のせいでまどかが…。」
「ううん、大丈夫!クリスがかばってくれたお陰だよ!!」
「本当か?だってお前さっきからずっと顔が赤いぞ?」
うわぁぁ言わないで!!だってクリスってば俺の一番大切な人とか言うんだもん!!天然タラシかコノヤロー!!
「おい、まどか……?」
「大丈夫!!大丈夫だから!!お腹すいたし帰ろう!!」
「分かった、俺が連れていこう。おんぶと抱っこどっちがいい。」
「歩いて帰るから!!大丈夫だから!!」
私は早歩きで帰った。恥ずかしくて顔が見られない!!
「まどか、今日は疲れただろう。リクエスト通りカレーを作っておくからまどかは風呂にでも入っててくれ。」
クリスはそう言うとキッチンに向かった。
私はお言葉に甘えてお風呂に入ることにした。
「うう……俺の一番大切な人って…まるでプロポーズじゃん……。」
きっとクリスには深い意味は無いんだろうな…いや、でもそんな事言われたら期待しちゃう……って期待って何!?いやいや私はクリスが好きなわけでは………!!
「やばい、のぼせた。」
私はつい長湯をしてフラフラと出てきた。
そこには………
「まどか、長かったな!!ほら沢山食べろ!!」
キラキラと笑うクリスと大量のカレーがあった。
「ちょ!!何このカレーの量!?」
「いやぁつい騎士団にいた時と同じ量を作ってしまってな、あはは。」
「あはは。じゃないよクリス!!どうするのこの量!!」
「大丈夫だ。味は美味しい。」
「そうじゃなくて!!」
それから佐々木一家とクリスは1週間、朝昼晩とカレーだけを食べた。
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