19 / 45
厨二病、留守番をする。
しおりを挟む
「と、言うわけでお母さん達は旅行に行ってきます!」
お母さんはテーブルにパンフレットを広げると嬉しそうに言った。私達の夏休みが始まるの待ってたんだね。
「し…しかしお母さん、年頃の2人を留守番させて大丈夫か?」
「大丈夫よ。ね?クリスちゃん?」
「ああ、お父さん安心してくれ。何人たりともこの家に入れたりしない。」
あっ心配の意味が違う。これは大丈夫か、とお父さんは胸をなで下ろした。……なんかこれはこれで悲しい。
「お土産沢山買ってくるからね。」
「ありがとうお母さん、是非とも貴重な薬草や動物の骨をお願いしたい。動物は出来れば大型の……「却下。」
あっクリスが落ち込んだ。今度恐竜博物館でも連れてくか。
「じゃぁ行ってくるからね!火の元、戸締りには気をつけてね。」
次の日。お母さん達は嬉しそうに出て行った。
「行ったな……1泊2日だよな?その間俺達だけで家を守ろう。」
「いやいやいや、うちはそんな危険な家じゃないから大丈夫だよ。」だからお願い剣を研ぎ始めないで!!
「そうだ…そう言えばまどかにお願いがあるのだが…。」
「ん?なーに?宿題は教えられないよ?」
「いや、違う。料理を教えてくれ。」
「料理?突然どうしたの。」
「俺はカレーしか作れないしな。カレーを作ろうとするとお母さん顔が青くなるし…。」
ああ…この間のカレー大量事件から若干トラウマになってるんだよね…カレーが。
「というわけでカレー以外の料理を頼む。」
うーん、いきなり言われても何を教えればいいんだろう?ハンバーグはな…前みたいに木っ端微塵切りされても困るし…。
「あっ!ならパスタ作ろうか!ペペロンチーノ!!」
「パスタ?ペペロンチーノ?」
「うん、パスタはイタリアの料理で美味しいんだよ。ペペロンチーノなら味付けは塩コショウだから簡単だし。」
「簡単なのは助かる。よし、そのパスタとやらをお願いする。」
私は了解!と言うとベーコンとエリンギを取り出した。
「まずはベーコンを短冊切りにします。エリンギは手で裂けるから。」
クリスはメモをしながら熱心に聞いている。偉い偉い。
「次はお湯に塩を入れて沸騰させます。」
「ふむ、なんかこう2人で料理をしているとあれだな…。」
あれ!?まさか……まるで新婚さんみたいとか!?
「調理実習みたいだな。」
………………………。私はクリスをシカトして塩を入れ始めた。
「おい、なんで怒っているんだ。」
「怒ってません。全っ然怒ってません。」
「しかしやっぱり料理は楽しいな。1人でも楽しいが一緒に作るともっと楽しい。」クリスはニコニコしている。
「一緒………その、レイラさんとも…一緒に作ったの?」
「レイラ?なんでレイラが出てくる。」
「や、だって婚約者だし…やっぱり仲良いのかなって。」
「いや、レイラとは料理なんてしない。よく差し入れでクッキーとかは貰ったがな。婚約者というのは名ばかりで特に何も無いぞ。」
そうなんだ良かった……って私ってば何をホッとしてるの!?最近私おかしいぞ!しっかりしろ!
「そう言えばまどかは婚約者居ないのか?」
「えええ!?何!?」
「わっそんなデカい声出すな。…いや、まどかは婚約者居ないのかと。」
「婚約者なんて居ないよ!良家のお嬢様じゃないんだし。」
「そうなのか。それは安心した。」
えっ安心って何?安心って……何…………?
「えっクリス、安心って何…「おい、お湯が沸騰してるぞ。」
わぁ気付いたらお湯が吹き零れていた。
「出来たー!!」
あれからなんだかんだで無事にペペロンチーノは出来上がった。
「おお、ニンニクの良い香りだな。美味そうだ。」
「上手く出来たね!お腹ぺこぺこ!早く食べよう!」
私は急いでパスタをお皿によそるとテーブルに置いた。
「いっただきまーす♪」
「おっ!美味い!まどか、これはとても美味しい。」
クリスはそう言うとガツガツ食べ始めた。良かった気に入ってもらえて。
「この世界には美味しいものが沢山あるな。前に学校帰りに寄って食べたハンバーガーとやらもとても美味しかったし。」
「そうだねクリス気に入ってたもんね。まだまだ沢山美味しいものあるよ。」
「ここは平和だし本当に幸せだ。なんだか帰りたくなくなってきたな。」クリスはボソッと言った。
「えっ………?」
「いや、なんでもない。副団長として言ってはいけない事を言った気がする。……気にしないでくれ。」
クリスはそう言ってパスタを食べ始めた。
――だったらここにずっと居ればいいのに。って言いそうになった。そうか…クリスの国は魔物で大変なんだよね…。クリスは帰らなきゃいけない人なんだよね……。
なんだかわからないけど、胸が締め付けられるように苦しかった。なんだろうこれ…。
「~♪」
重い空気をかき消すかのように明るい音楽が鳴り響いた。
「!?なんだ、昼礼か!?」
「や、違う。スマホの音。」
私がそう言ってスマホを取り出すとクリスは目を輝かせて見ていた。
「花梨からだ。えっと何々?あっ!海に行こうだって!」
海、というとクリスの目が変わった。
「海……田中か。田中が花梨に話をしたんだな。」
「そうそう、来週行かないか?だって!来週ならまだ日にちあるし水着買いに行けるでしょ!楽しみー!」
「水着?それを着て泳ぐのか?」
「当たり前だよ!えっクリスまさか真っ裸で泳ごうとした!?まぁクリスが真っ裸で泳いだら皆にとってご褒美みたいになるけど。」
「ご褒美ってなんだ。裸で泳ぐわけないだろう。上は裸だが下は団服を履いているぞ。」
うーん楽しみだなぁ♪痩せたし今年はビキニにしちゃおうかな!可愛いフリルの付いた水着気になってたんだよねぇ♪
クリスが何やら一生懸命話してたけど、私は水着のことで頭がいっぱいで何も聞いていなかった。ごめんねクリス。
お母さんはテーブルにパンフレットを広げると嬉しそうに言った。私達の夏休みが始まるの待ってたんだね。
「し…しかしお母さん、年頃の2人を留守番させて大丈夫か?」
「大丈夫よ。ね?クリスちゃん?」
「ああ、お父さん安心してくれ。何人たりともこの家に入れたりしない。」
あっ心配の意味が違う。これは大丈夫か、とお父さんは胸をなで下ろした。……なんかこれはこれで悲しい。
「お土産沢山買ってくるからね。」
「ありがとうお母さん、是非とも貴重な薬草や動物の骨をお願いしたい。動物は出来れば大型の……「却下。」
あっクリスが落ち込んだ。今度恐竜博物館でも連れてくか。
「じゃぁ行ってくるからね!火の元、戸締りには気をつけてね。」
次の日。お母さん達は嬉しそうに出て行った。
「行ったな……1泊2日だよな?その間俺達だけで家を守ろう。」
「いやいやいや、うちはそんな危険な家じゃないから大丈夫だよ。」だからお願い剣を研ぎ始めないで!!
「そうだ…そう言えばまどかにお願いがあるのだが…。」
「ん?なーに?宿題は教えられないよ?」
「いや、違う。料理を教えてくれ。」
「料理?突然どうしたの。」
「俺はカレーしか作れないしな。カレーを作ろうとするとお母さん顔が青くなるし…。」
ああ…この間のカレー大量事件から若干トラウマになってるんだよね…カレーが。
「というわけでカレー以外の料理を頼む。」
うーん、いきなり言われても何を教えればいいんだろう?ハンバーグはな…前みたいに木っ端微塵切りされても困るし…。
「あっ!ならパスタ作ろうか!ペペロンチーノ!!」
「パスタ?ペペロンチーノ?」
「うん、パスタはイタリアの料理で美味しいんだよ。ペペロンチーノなら味付けは塩コショウだから簡単だし。」
「簡単なのは助かる。よし、そのパスタとやらをお願いする。」
私は了解!と言うとベーコンとエリンギを取り出した。
「まずはベーコンを短冊切りにします。エリンギは手で裂けるから。」
クリスはメモをしながら熱心に聞いている。偉い偉い。
「次はお湯に塩を入れて沸騰させます。」
「ふむ、なんかこう2人で料理をしているとあれだな…。」
あれ!?まさか……まるで新婚さんみたいとか!?
「調理実習みたいだな。」
………………………。私はクリスをシカトして塩を入れ始めた。
「おい、なんで怒っているんだ。」
「怒ってません。全っ然怒ってません。」
「しかしやっぱり料理は楽しいな。1人でも楽しいが一緒に作るともっと楽しい。」クリスはニコニコしている。
「一緒………その、レイラさんとも…一緒に作ったの?」
「レイラ?なんでレイラが出てくる。」
「や、だって婚約者だし…やっぱり仲良いのかなって。」
「いや、レイラとは料理なんてしない。よく差し入れでクッキーとかは貰ったがな。婚約者というのは名ばかりで特に何も無いぞ。」
そうなんだ良かった……って私ってば何をホッとしてるの!?最近私おかしいぞ!しっかりしろ!
「そう言えばまどかは婚約者居ないのか?」
「えええ!?何!?」
「わっそんなデカい声出すな。…いや、まどかは婚約者居ないのかと。」
「婚約者なんて居ないよ!良家のお嬢様じゃないんだし。」
「そうなのか。それは安心した。」
えっ安心って何?安心って……何…………?
「えっクリス、安心って何…「おい、お湯が沸騰してるぞ。」
わぁ気付いたらお湯が吹き零れていた。
「出来たー!!」
あれからなんだかんだで無事にペペロンチーノは出来上がった。
「おお、ニンニクの良い香りだな。美味そうだ。」
「上手く出来たね!お腹ぺこぺこ!早く食べよう!」
私は急いでパスタをお皿によそるとテーブルに置いた。
「いっただきまーす♪」
「おっ!美味い!まどか、これはとても美味しい。」
クリスはそう言うとガツガツ食べ始めた。良かった気に入ってもらえて。
「この世界には美味しいものが沢山あるな。前に学校帰りに寄って食べたハンバーガーとやらもとても美味しかったし。」
「そうだねクリス気に入ってたもんね。まだまだ沢山美味しいものあるよ。」
「ここは平和だし本当に幸せだ。なんだか帰りたくなくなってきたな。」クリスはボソッと言った。
「えっ………?」
「いや、なんでもない。副団長として言ってはいけない事を言った気がする。……気にしないでくれ。」
クリスはそう言ってパスタを食べ始めた。
――だったらここにずっと居ればいいのに。って言いそうになった。そうか…クリスの国は魔物で大変なんだよね…。クリスは帰らなきゃいけない人なんだよね……。
なんだかわからないけど、胸が締め付けられるように苦しかった。なんだろうこれ…。
「~♪」
重い空気をかき消すかのように明るい音楽が鳴り響いた。
「!?なんだ、昼礼か!?」
「や、違う。スマホの音。」
私がそう言ってスマホを取り出すとクリスは目を輝かせて見ていた。
「花梨からだ。えっと何々?あっ!海に行こうだって!」
海、というとクリスの目が変わった。
「海……田中か。田中が花梨に話をしたんだな。」
「そうそう、来週行かないか?だって!来週ならまだ日にちあるし水着買いに行けるでしょ!楽しみー!」
「水着?それを着て泳ぐのか?」
「当たり前だよ!えっクリスまさか真っ裸で泳ごうとした!?まぁクリスが真っ裸で泳いだら皆にとってご褒美みたいになるけど。」
「ご褒美ってなんだ。裸で泳ぐわけないだろう。上は裸だが下は団服を履いているぞ。」
うーん楽しみだなぁ♪痩せたし今年はビキニにしちゃおうかな!可愛いフリルの付いた水着気になってたんだよねぇ♪
クリスが何やら一生懸命話してたけど、私は水着のことで頭がいっぱいで何も聞いていなかった。ごめんねクリス。
0
あなたにおすすめの小説
恋と首輪
山猫
恋愛
日本屈指の名門・城聖高校には、生徒たちが逆らえない“首輪制度”が存在する。
絶対的支配者・東雲財閥の御曹司、東雲 蓮の「選んだ者」は、卒業まで彼の命令に従わなければならない――。
地味で目立たぬ存在だった月宮みゆは、なぜかその“首輪”に選ばれてしまう。
冷酷非情と思っていた蓮の、誰にも見せない孤独と優しさに触れた時、みゆの心は静かに揺れはじめる。
「おめでとう、今日から君は俺の所有物だ。」
イケメン財閥御曹司
東雲 蓮
×
「私はあなたが嫌いです。」
訳あり平凡女子
月宮 みゆ
愛とか恋なんて馬鹿らしい。 愚かな感情だ。
訳ありのふたりが、偽りだらけの学園で紡ぐカーストラブ。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
婚約破棄された堅物令嬢ですが、鬼の騎士団長の娘として宮廷の陰謀を暴くのに忙しいので、美貌のカストラート(実は王子)に溺愛される暇はありません
綾森れん
恋愛
「お前のような真面目くさった女はいらない。婚約は破棄させてもらう!」
婚約者だった公爵令息に冷酷に言い放たれたリラ・プリマヴェーラ。
だが、彼女の心にあったのは悲しみではなく―― 十年前の王族暗殺事件を調査したいという情熱だった。
伯爵令嬢であるリラは、鉄の掟を守る『鬼の騎士団長』の娘。
彼女には恋よりも何よりも優先すべき使命があった。それは、十年前に幼い王子が暗殺された事件の真相を暴き、父を、そして王国を陰謀から救うこと。
婚約破棄直後、彼女の前に現れたのは、天使の歌声を持つ美貌のカストラート(去勢歌手)、アルカンジェロだった。
彼が十年前の事件について密かに調べていることを、リラは知ってしまう。
真相を探るため、リラは彼を自分の音楽教師として迎え入れ、距離を縮めていく。
事件解決の協力者として彼と接するうち、リラは謎めいたアルカンジェロに危機を救われることになる。
しかし、リラは知らない。
アルカンジェロの正体が、十年前に暗殺されたはずの第三王子であることを。
そして彼にとってリラこそが、初恋の女性であることを。
彼は十年間、密かにリラを想い続けていたのだ。
王位を狙う者たちから身を隠すため、声楽の技術を駆使して、教会歌手として大聖堂で生き延びてきたアルカンジェロだったが、王家を巡る不穏な陰謀が静かに動き始めていた。
捜査に猪突猛進な堅物令嬢と、彼女を影から支え執着を見せる、カストラート歌手のふりをした王子。
宮廷の闇を切り裂く二人の恋と事件の行方は――?
※本作は、過去に投稿していた『真面目くさった女はいらないと婚約破棄された伯爵令嬢ですが、王太子様に求婚されました。実はかわいい彼の溺愛っぷりに困っています』の設定・キャラクター・構成を大幅に改稿し、新作として再構成したものです。
物語の結末やキャラクターの掘り下げを強化しておりますので、初めての方も、以前お読みいただいた方もお楽しみいただけます。
【完結】こっち向いて!少尉さん - My girl, you are my sweetest! -
文野さと@書籍化・コミカライズ
恋愛
今日もアンは広い背中を追いかける。
美しい近衛士官のレイルダー少尉。彼の視界に入りたくて、アンはいつも背伸びをするのだ。
彼はいつも自分とは違うところを見ている。
でも、それがなんだというのか。
「大好き」は誰にも止められない!
いつか自分を見てもらいたくて、今日もアンは心の中で呼びかけるのだ。
「こっち向いて! 少尉さん」
※30話くらいの予定。イメージイラストはバツ様です。掲載の許可はいただいております。
物語の最後の方に戦闘描写があります。
助けた騎士団になつかれました。
藤 実花
恋愛
冥府を支配する国、アルハガウンの王女シルベーヌは、地上の大国ラシュカとの約束で王の妃になるためにやって来た。
しかし、シルベーヌを見た王は、彼女を『醜女』と呼び、結婚を保留して古い離宮へ行けと言う。
一方ある事情を抱えたシルベーヌは、鮮やかで美しい地上に残りたいと思う願いのため、異議を唱えず離宮へと旅立つが……。
☆本編完結しました。ありがとうございました!☆
番外編①~2020.03.11 終了
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる