居候は厨二病。

Musk.

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厨二病、夏祭りに行く2。

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「ダメだ……タイプの子が見つからない。」

田中はぐったりとして呟いた。

「いや、可愛い子は居るんだよ?でもさ、まどかちゃんみたいな…てかやっぱりまどかちゃんがいい!もう俺まどかちゃんを探す!」

「まどか?いやいやまどかは今春川先輩と……。」

「いつまで紳士ぶってるのアレクくん!そんなんだから春川先輩に……ぶふぉ!?」

突然田中に強烈なタックルが襲いかかった。

「なんだ刺客か!?おい、お前……あれ?」

「あっ…………アレクくん。」

強烈なタックルの主は花梨だった。


「いたた……花梨ちゃん痛いよ、本当。」

「ごめん田中……夢中で走ってたからぶつかっちゃった。」

俺達は奥の神社の階段に座り込んでいた。

「しかし花梨どうしたんだ?デート中と聞いたが?」

「あっアレクくん聞いちゃう?」

「あっ悪い、話したくないなら話さなくていい。」

「いや、聞いて!!聞いてよ私の話!!」

花梨はそう言って俺の浴衣を強く掴んだ。やめてくれ破れる。

「途中までは良かったんだよ?一緒にたこ焼き食べたりしてラブラブだったのにさ、いきなり休憩しようって言って人気のないあの池の近くに連れてきて……襲われそうになったの!!」

そうか…花梨の浴衣が少しはだけてたのは走ったからだけじゃなかったのか…。

「えっ!?花梨ちゃん大丈夫だったの!?」

「うん、思いっきりぶん殴って来たから大丈夫。」

「えっ。さっき池の方で暴力事件があったって言ってたけど……もしかして花梨ちゃん?てっきり酔っ払い同士のトラブルかと…。」

田中がそう呟くと花梨がギロっと睨んだ。

「ああー最悪。せっかくお洒落して来たのに!!」

「そうだな……。そうだ田中、花梨をデートに誘ってやれ。」

「えっ何急に。なんで俺?アレクくんは?」

「このまま花梨を帰すのも可哀想だろう。俺は人混みで疲れたから悪いが帰らしてもらう。」

花梨はふふ、と笑うと

「ありがとうアレクくん……。ってまどかは?」と辺りを見渡した。

「まどかは春川先輩と一緒だ。」

「えっ春川先輩と!?だからアレクくん元気無いんだ。」

「えっ?」

「あれ気付かなかった?アレクくんさっきから眉間にシワが寄ってるよ?」

そうだったのか。だからさっきからすれ違い様にビクビクされてたのか。

「イケメンの機嫌悪い顔って怖いよね…。」田中が呟いた。


「よし!花梨ちゃんデートしよう!大丈夫俺は襲ったりしないから!」

「襲ったらボコボコにするからね。」

花梨が真顔で言うと田中の顔が青くなった。大丈夫か?

「じゃぁ楽しんでな。」

「またねアレクくん!!ありがとうね。」

「じゃぁな!まどかちゃんによろしく♪」

俺は2人と別れた。まどかが心配だが……春川先輩なら大丈夫だろう。

「あの……1人ですか?良かったら私達と…。」

俺より年上だと思われる女子グループに声をかけられた。

「悪い、体調が優れないんだ。」

俺はそう言うと家へと向かった。


「楽しいねまどかちゃん?」

「ですねぇ焼きそば美味しいです!焼きそば!」

もぐもぐもぐもぐ。

うーんなんで屋台の焼きそばってこんなに美味しいんだろう。家ではこんな味でないよね?やっぱり鉄板が違うのか。

「あっ春川先輩!クレープがあります!クレープ!!」

お祭りと言ったらクレープだよね!チョコ生クリーム大好き!

「ふふ、まどかちゃんは意外と食いしん坊だね?」

……はっ!しまったぁ!!つい食べ物に夢中になってしまったぁ!

「すっすみません!つい……。」

「いやいやいいんだよ?楽しんでくれてるようで良かった。本当はアレクくんと行きたかったんじゃないかな?と思ってたから…。」

アレクくん、と聞いて胸がチクリと痛んだ。なんだこれ。

「まどかちゃん?」

「あっすみません!楽しいですよとっても!!」

「ふふ、ありがとう。……良かったらまた2人で出掛けたいな?」

えっ!なんだ?眼鏡を外した先輩は積極的だ!!眼鏡がストッパーの役割とかしてたのかな?

「まぁ無理にとは言わないけどね…。」

「えっ?あっいや、行きましょう!」

しまったつい言ってしまった。まぁ遊びに行くぐらいならいいよね……。でもなんだろうさっきからクリスの顔が浮かぶ。

「さて、クレープ買いに行こうか。僕はバナナ生クリームにしようかな?まどかちゃんは?」

「あっ私はチョコ生クリームで!」

私は歩き出した春川先輩を急いで追いかけた。



「~♪」

クレープを食べていると突然春川先輩のスマホが鳴った。

「あれ?なんだろう誰かな?」

スマホを見ていた先輩の顔が歪んだ。

「大丈夫ですか?先輩。」

「ごめんまどかちゃん、妹が熱出したみたいで塾に迎えに行かないと。」

「えっ熱!?それは大変!!って先輩お兄ちゃんだったのか。」

「うん、今中三の妹がいるよ。ごめんねまどかちゃん僕から誘ったのに…。」

「いえいえ、楽しかったですよ。では帰りましょうか?」

私達はクレープを食べながら出口へと向かった。


もぐもぐもぐもぐ。

私はクレープを食べながら帰路に向かっていた。

クリスどうしてるんだろう…田中くんと二人っきり……可愛い女の子でもナンパしてるのかな。クリスなら逆ナンされそうだし…ぶっ!

考え事しながら歩いていると曲がった先に立っていた人とぶつかってしまった。

「ひぇ!すみません考え事してて!!」

「まどか!!」

えっ?顔を上げるとクリスがいた。

「えっ?なんでクリスがこんな所に?田中くんは?」

「田中とは別れた。……いや、その、まどかが心配でな。」

「えっ心配?」

「ああ、まどかが人気のない所に連れ込まれてないか、とか暴力事件を起こさないか、とか。」

「えっ暴力事件って何。それに先輩はそんな事する人じゃないよ。」

「そうだな…悪い。」

「いや、でも嬉しいな。ありがとうクリス。」

私がそう言って笑うとクリスはああ、とそっぽを向いた。

「ところで……それはなんだ?美味そうだな。」

「これ?クレープだよ。チョコ生クリーム。」

「お腹すいたな。田中が女の子探しに夢中であまり食べてないんだ。」

やっぱりナンパしてたのか……。

「可愛い子いた?」

「いや、特に居なかったみたいだ。それより俺は腹減った。まどか付き合え。」

そう言うとクリスは私を掴んでお祭りの方へ歩いて行った。

「ええ!?今から!?」

「なんだ?何か不満か?俺はまだ、まどかとお祭りを楽しんでいない。」

「不満なんて無いけどいきなりで……あっすみません。」

人混みでぶつかっちゃうよぅ。私がワタワタしているとクリスが近付いてきた。

「しょうがないな…はぐれるなよ。」

そう言ってクリスは私の手を掴んだ。

「ええ!?クリス!!手!!」

「はぐれたら大変だからな。大人しく繋がってろ。」

うう……胸がドキドキしすぎて爆発しそう。どうか爆発しませんように。


「……あれ?あれ、まどかとアレクくんじゃない?」

「え?あっ本当だ!アレクくんってばまどかちゃんとデートしてる!!」

「人混みで疲れたって言って本当は寂しかったんだねアレクくん。可愛い。」

「くそぅアレクくんめ……なんでまどかちゃんとデートしてるんだ……。」

「ちょっと、今は私とデートなんだからね。」

「痛!!分かってます!分かってますから耳引っ張らないでお願い!!」

こうしてそれぞれ皆楽しい夏祭りを過ごしたのであった。



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