居候は厨二病。

Musk.

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厨二病、宿題を手伝う。

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夏休みが終わりに近付いた頃。私達は中華系ファミレスにいた。

「うわぁー!終わらない!終わらないよぉ!!」

「だから言っただろうまどか。宿題は早めにやっとけって。」

「だってお父さん………。」

「誰がお父さんだ。」

クリスは私にデコピンをした。痛い。

「そうだよまどかちゃん。宿題は早めにやるのが1番だよ。」

「「いやいやお前が言うな。」」

田中くんのボケにクリスと花梨が真顔で返した。えっこれボケだよね?

「心外だなぁ。俺は初めからやってたんだよ?ただ分からないから全く進んでないだけ。」

「おい、1番深刻じゃないか。」

「大丈夫、アレクくんが宿題を見せてくれたら終わる。」

そう言うと田中くんはクリスのノートを取ろうとして…失敗した。

「宿題は自分でやれ。」

「うっそぉ!?アレクくんの鬼!!悪魔!!」

「大丈夫だ、わからない所は教えてやるから。」

わからない所って全部ですけどぉ!?ギャーギャー騒いでると頼んでいた料理が来た。いい香り♪


「ほぉ…これがラーメンという物か。」

「そうそう、とっても美味しいんだよ。熱いから気をつけてね。」

クリスは麺をジロジロ見たあと口に入れた。あっ目が輝いた。

「美味い!!まどか、このラーメン美味いぞ!」

「でしょ?クリス好きそうだと思ったんだよね。」

最近クリスの食べ物の好みが分かってきた気がする。というか好みが似てるんだよね私達。あっでもクリスの嫌いな食べ物ってなんだろう。………と考えているとニヤニヤしている花梨が視界に入った。

「花梨?ニヤニヤしてるけどどうしたの?」

「いや、ラブラブだなぁと思ってさ。」

花梨の言葉に私とクリスは目を見開いた。

「「ラブラブ!?」」

「うん、ラブラブだよね?田中?」

「そうかな?俺はそう思わないけど。」

「ヤキモチだな。なんかさ、海行ってから距離縮まってない?何かあったでしょ?」

花梨は私達の顔を交互に見た。えええ!そんな!!

「いやいや本当に何もないって!ね、クリス?」

「あっああ……。海では田中みたいなやつにまどかが絡まれたのを助けただけだ。」

「えっ田中みたいなやつって何!?まどか何かあったの!?」

心配する花梨に私達はあの海の事を話した。いや、お姫様抱っこの事は話してないけどね、もちろん。

「そんな事があったんだ……まどか大変だったね…。田中みたいなやつは大人しく去ったんだ?」

「ああ、弱そうなやつらだったしな。田中みたいなやつはすぐに消えたよ。」

「でも怖かったな……。田中くんみたいなやつ結構ガタイ良かったから……。」

「………あのさ、さっきから俺みたいなやつってやめてくれない?」

「「「あっごめん、つい。」」」

「つい。じゃないし!なんか俺最低なやつの代名詞みたいになってるし!」

田中くんはそう言って中華丼をかき込んだ。ごめん田中くん。

「………クリスどうしたの?中華丼食べたかった?」

クリスが田中くんの中華丼をじっと見ている。

「……いや、なんでもない。」

クリスはそう言いつつチラチラ見ている。やっぱり食べたいのか。

「それより宿題やろ!私やまどかはまだしも田中はヤバいって。早くやらないと終わらないよ。」

花梨の言葉にそうだね、と皆急いで食べ終えた。

さて、宿題頑張るぞー!!




「疲れた………。もう無理、もう俺無理。」

田中くんが死にそうに言った。いや、半分死んでる。

「いやぁお疲れさん。田中もだけどアレクくんもね。」

「ああ……疲れた。人に教えるのがこんなに大変だとは。」

クリスも死にそうに言った。お疲れ様二人とも。

「私達は終わったけど田中くんまだ半分残ってるね。」

「ああ…よし、田中残り半分もやるぞ。」

「へ?いやいや!!無理!!俺もう無理爆発する!!」

「爆発……?しかしまだ半分も…。」

「いや、田中はいつも全くして行かないから半分だけでも充分だと思うよ?それにもう遅くなったしそろそろお開きにしよ?」

花梨にそう言われて外を見ると暗くなっていた。

「大変だ!じゃぁお開きにしよう。皆お疲れ様♪」

そう言って私達は別れた。


帰り道。

「クリスお疲れ様。勉強教えるの大変そうだったね。」

「ああ、田中は思っていた以上にバカだったな。」

あっその言い方可哀想。

「そういえばまどか、ちょっと気になったんだが…。」

「ん?どうしたのクリス?」

「田中………スライム食べてたよな?」

ぶはっ。クリスのいきなりの質問に吹き出してしまった。

「えっスライム!?田中くんが!?いつ!?」

「さっきファミレスという所で……あれ新種のスライムだろ?」

あっ!さっきの中華丼!?中華丼のあんかけをスライムだと思ったのか!!だからチラチラ見てたのかクリス!!

「違う!あれはちゃんとした料理だから!!」

「ちゃんとした料理?いや、しかし……。」

話していると急にスマホのバイブが響いた。

「あっお母さんからだ。食パン買ってきてだって。」

私はスーパーに寄るために方向転換した。ついでにお菓子も買おうかな。

「ちゃんとした料理……スライムをちゃんと料理した、と言うことだろうか?」

「クリス、お母さんが食パン買ってきてだって!スーパー寄るからこっちー!」

なんか考え事をしているクリスを呼んだ。クリスって考え事すると結構周りが見えなくなるんだよね。

「ああ、悪い。今行く。」

クリスはそう言って走ってきた。




新学期早々。
田中くんはゲテモノ喰いというあだ名が付いていた。

「えっ!?ゲテモノ喰いって何!?俺中華丼食べてただけなんだけどぉ!?」


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