居候は厨二病。

Musk.

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厨二病、遊園地に行く。

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「まどか!これはどうだ!?スリル満点だろ?」

「却下。」

クリスは京都心霊スポット巡りの紙を力無く置いた。だからなんでそういわく付きの所に行きたがるの!?

やばいなやっぱり私が決めないと……クリスにとんでもない所に連れてかれる!!私はチラッとスマホを見た。

【この間は邪魔してごめんね。アレクくんと遊園地行ってきなよ?イルミネーション素敵だよ!】

花梨からのメール。遊園地……ロマンチックだよね…。

「うーん……ならまどか洞窟探検はどうだ?大丈夫だ、俺はサバイバルも得意だから任せてくれ。」

「クリス!!遊園地行こう遊園地!!」

私はクリスの提案を全力でスルーして遊園地を提案した。



「と言うわけで遊園地に行ってきます。」

「行ってらっしゃい二人とも。あっ寒いからマフラー巻いていきなさい。」

お母さんはそう言ってピンクのマフラーを首に巻いてくれた。暖かい。
今日は白いニットのワンピースにブーツなんだ♪えっいや、別に気合いを入れたわけでは……!!

「まどか準備出来たのか?」

クリスは青のざっくりニットにジーンズを着ていた。えっかっこいい!!

「お…おお…似合ってるな……。その……可愛い……………。」

「クリスも………クリスもかっこいい…………。」

二人でモジモジしてるとお母さんが何やってるの?と覗いてきた。

「!! なんでもない!行ってきます!」

私達はコートを羽織って急いで家を出た。



「わぁ結構混んでるね?」

冬休みの遊園地らしくカップルや家族連れが多かった。

「はぐれたら大変だからな。……手を貸せ。」

クリスがさりげなく私の手を掴んだ。わわっ!?

「えっ手を握るの!?」

「なんだ不満か?まどかは気付いたら知らない人に着いていきそうだからな。」

おおおぃ!私は子供か!……いや、子供だけどさ。

「あっ!クリスあれ乗らない?あれ!」

「あれ?……おい、なんだあれ!あれに人間が乗るのか!?」

クリスは初めて見るジェットコースターに驚愕していた。

「面白いんだよ!ほら乗ろうクリス!!」

私はなんだあれはと騒ぐクリスを引っ張って乗ることにした。

「ふふ、楽しかったねクリス。」

「待てまどか、足元がふらつくから引っ張るな。」

あれ?クリスってばジェットコースター合わなかったか。

「ドラゴンより安定していない乗り物なんて初めてだ…。」

あっ顔色真っ青。私的にはドラゴンのが怖いけど。

「大丈夫?休憩する?」

「いや、大丈夫だ。まどかの乗りたいものに乗ろう。」

うーんでも激しいジェットコースターは良くないな…私はティーカップを指さした。

「あっならあれ乗ろう?クリス!」


「ちょっと足元ふらつくから引っ張らないで!!」

私はクリスに支えられながらティーカップから降りた。

「なんだまどか、だらしないな。」

「だらしないな、じゃないよ!クリス回しすぎだよ!」

うっかりこの真ん中回すとティーカップも回るんだよ?なんて言わなきゃ良かった!クリスってば渾身の力で回すんだもん!

「……いや本当ウチらのティーカップだけ、もげるかと思った。」

「それは面白いな!!」

「全然面白くない!!」

あはは、じゃないしクリスのバカ!!…まぁクリスが楽しそうで良かったけど。

「あっ見てさっきティーカップめっちゃ回してたカップルだ!」

「まだ高校生ぐらいかね?可愛い。」

私達より年上らしいカップルが私達を見て話していた。……やっぱりカップルみたいに見えるんだね私達。手も繋いでるし。

「おい、まどかなんでニヤついてるんだ。」

「えっ!?べ、別に!?」

やばい、最近私の顔が締まりない。

「そんなにキツかったか……。悪い、休憩しよう。」

勘違いをしたクリスがカフェを指さした。心遣いありがとう。



それから私達は軽くご飯を食べた後いろんな乗り物を回った。うーんやっぱりクリスは大注目だな。雑誌の撮影ですか?とか聞かれるし!メンズモデルじゃないよ。

「おっ…おい、まどか………俺あれ乗りたい。」

クリスが遠慮がちに指さしたのは…………。

「却下。」

昔ながらのお化け屋敷だった。

「何故だ!?」

「だって怖いもん!!」

「大丈夫だ!まどかのことは俺が守る!!」

「いやいや、あれ歩くタイプだよ?たぶんクリスお化け屋敷破壊しそうだからやめよう!!」

確かにそれは否定出来ないな…とクリスはしかめっ面をした。否定出来ないんかい!

「……なら、あれはどうだ?」

クリスは観覧車を指さした。


「おお!窓が大きいな!外がよく見える!」

「やめてクリス!動かないで!私高所恐怖症なの!」

ううう…まだ頂上まで全然なのに既に怖いよ!!

「まどか高所恐怖症だったのか!?言えば乗らなかったのに…。」

「いや、お化け屋敷断っちゃったし…クリスに喜んでもらいたくて!」

私ばっかりあれ乗りたい!じゃ可哀想だからね。

「まどか………ありがとうな。」

クリスは嬉しそうに笑った。うっ!眩しい!!

「まどか?どうしたんだ?」

「いや、眩しくて………。」

「眩しい?今日は曇りだが…。」

違う違う!クリスの笑顔が眩しいんだよ!!


「ついに頂上だ!おお!高いなまどか!!」

やめて言わないで。外見ないようにしてるんだから。

「あっ悪い…怖いんだな。ドラゴンの方がもっと高くてスリルがあるんだが……まどかもドラゴンに乗れば慣れるぞ。」

いやいや別に慣れなくていいから!ドラゴン勧めないで!!

「おい、本当に大丈夫か?」

「ん、大丈夫。心配かけてごめんねクリス。」

「いや、顔色が……あっまどか、髪にゴミ付いてる。」

え?と言って顔を上げるとクリスの綺麗な顔が迫ってきていた。

「!!??」

「動くな。ゴミが取れないだろ。」

あっゴミか……びっくりした。キスされるのかと………!!

「…………………………。」

「ありがとうクリス………。ってクリス?」

まだ取れないの?と再度クリスを見ると真剣な顔でこちらを見ていた。

「!!?? な、何クリスどうしたの!?」

「………まどか、黙って聞いてくれ。」

なななに!?顔近い!顔近いよクリス!!

「まどか……、俺はあれからいろいろ考えて……やっぱり向こうに戻らないことにした。」

「……え?向こうって……フリスコードに?」

「ああ。俺が飛ばされてからもう数ヶ月も経っている。既に勇者は呼ばれているだろう。」

「で、でもクリスは副団長だし……!」

「言っただろう?団業より大切なものが出来たらそちらを優先にしたい、と。」

「団業より……大切なものって………。」

「…………………………。」

クリスは恥ずかしそうに下を向いて頭をかいた。うわぁ何これ心臓が!!心臓が爆発する!!

「………まどか…。」

「えっ!?あっはい!」

いきなり名前を呼ばれて返事をしてしまった。

「団業より大切なもの………それはまどかだ。…………まどか、俺はまどかのことが……………。」



―――その時だった。突然私達に激しい光が降り注いだ。

「「!?」」

そして―――。

「……あれ?クリス………………?」

クリスは忽然と姿を消していたのだった―――。


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