居候は厨二病。

Musk.

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厨二病、映画館に行く。

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「えっなんで4人?」

お待たせー!と待ち合わせ場所に行くと田中くんがしかめっ面をしていた。

「まぁまぁいいじゃない!私もアレクくんもこの映画見たかったんだし!」

「そうそう、おい、そんな顔するな可愛い顔が台無しだぞ。」

「可愛い顔とか言うな!」

「うんうん、田中は黙ってると可愛いよ?八重歯可愛いって文化祭で他校の子に言われてたじゃん。」

「そうなの?良かったね、田中くん!」

「えっ……ああ、うん、ありがとう……。ってそうじゃない!」

田中くんはクリスを引っ張って隅っこに行った。

「映画観たいとか行ってあれだろ?二人きりにさせない!とかいう魂胆だろ?」

「何を言う。俺は本当にこの映画が観たかったんだ。」

「ちょっと何してんの、開演時間があるんだから先行っちゃうよ?」花梨の声に2人は慌てて来たのだった。


「えっとキャラメルポップコーンがいいな私。あとアイスカフェラテ!」

映画の売店で私達は買い物をしていた。

「私もアイスカフェラテにしようかな。ポップコーンはソルトで。……でアレクくんと田中はどうするの?」

「俺は………ウイスキーは無理だしな…まどかと同じでいい。」

「俺はコーラとソルトポップコーン!」

何も食べないの?とクリスに聞くとお腹すいてないって言われた。お腹すいたらキャラメルポップコーン分けてあげよう。

「ほう…これが映画館か……。おっ!あれで映画を観るのか!デカい画面だな!!」

クリスは初めての映画館に興奮していた。可愛い。

「さて、座ろうか。」

「待て、なんでお前が当たり前のようにまどかの隣に座る。」

「えっいいじゃん別に。」

「良くない。そこを変われ田中。」

2人はギャーギャー言い始めた。うわぁうるさい!!

「ああ、もううるさい!まどか!!この二人うるさいから端っこに座らないで真ん中に来て!ほら、これで二人とも隣に座れるでしょ?」

あっ端っこが良かったのに……。私は渋々真ん中に座った。



「クリス、お腹すいたらキャラメルポップコーン食べていいよ。」

「ん?ああ、ありがとう。」

「あーまどかちゃん俺お腹すいてきたな。」

「田中は自分のがあるだろう。」

やめて私を挟んで睨み合いしないで!……気まずい。

「あっほら始まるよ!田中ちゃんと前見て!」

花梨は田中くんの耳を引っ張って前を向かせた。田中くん涙目。


おお!!やっぱり映画館で観るアクション映画は迫力が違うね!わぁクリス目がめっちゃ輝いてる!!楽しそう♪

「凄いなまどか!!映画と言うのはこんなに面白いのか!!」

「ふふ、クリス嬉しそう。良かったね見られて。」


2時間の映画はあっという間に終わった。楽しかったぁ!!

「いやぁ楽しかったね蜘蛛男!やっぱりこれにして良かった。」

「楽しかったね♪田中くん誘ってくれてありがとう。」

「蜘蛛男は無事悪の組織から世界を救えたな。良かった。」

俺の世界も救われたのか…クリスはボソッと呟いた。

「あっクリス……「映画中アレクくん大人しかったね?もっと子供みたいに騒ぐかと思ったよ。」

田中くんがニヤニヤして言うとクリスに青筋が立った。

「…おい、俺を子供扱いするな。田中こそ暗闇でまどかに変な事しなかったか。」

「ちょっと人を変態みたいに言わないでくれる!」

「田中ならやりそうだ。」

「ふざけんな!!そう言ってアレクくんがしてたんじゃないの!?ほら、この前の肝試しの時だって暗闇で二人きりだったし!」

田中くんがそう言うとクリスの顔が赤くなった。田中くん!!その話はやめてぇー!!

「えっちょっとアレクくん?なんで下向いたの?アレクくん!?」

「うるさい黙れ田中。」

「アレクくんってば…ぐふっ」

クリスは田中くんを殴った。田中くんまた涙目。

「こらっ田中!!肝試しの話はしないでよ!私が眠れなくなるでしょ!」

花梨がそう言って睨んだ。やっぱり怖がりか花梨。

「はいはい、さてお昼食べにハンバーガー屋でも行こうか。」

「あっああ、そうだな。」

「うっうん!そうだね!」

私達はまたギクシャクしながら二人の後に着いて行った。やっぱりキスなんて忘れられないよぉー!!

その後も私達は気まずい雰囲気でハンバーガーを食べていた。うう…なんかごめんクリス…………。


「じゃぁまたねまどか、アレクくん!!」

「またメールするね!じゃぁね!」

私達は二人と別れ家に向かった。ああ、気まずかった!

「ごめんねクリス…変な空気になって………。」

「いや、あれは田中が悪い。まどかは気にすんな。」

そう言ってクリスは私の頭を撫でた。ええ!?クリス!?

「ちょ、ちょっとクリス頭……「今度は…」

ん?何クリスどしたの?

「今度は二人きりで行きたいな…。まどかと二人きりで。」

いいいきなりそんな真顔で言われると心の準備ががが!!

「まどか?大丈夫か?」

「えっ!?あっうん!行こう二人で!!」

私がそう言うとクリスは照れたように笑った。ううドキドキが止まらないぃー!
私は赤い顔を見られないように早歩きで家へと向かったのだった。


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