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厨二病、葛藤する。
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【まどかちゃんー!映画見に行かない?ほら、この間公開されたばっかりのアクション映画!!】
朝早くから田中くんからメールが来た。田中くん早起きだな。
あれ?待って確かこの映画って…クリスが観たいって言ってたやつだよな?テレビで予告映像が流れてた時に物凄く目を輝かせてたのを思い出した。そうだ、クリスも誘ってあげよう。
「クリス?あれまだ寝てるの?」
おかしい…クリスはいつも朝6時に起きて庭で素振りをしているのに。
「クリス?もう9時だよ?具合悪いの?」
心配になって私はそぉっとクリスの部屋のドアを開けた。
……………寝てる。スヤスヤと寝息が聞こえる。良かった生きてる。
「良かった生きてた。……珍しいなクリスが起きないの。」
いつも無駄に早起きなのに。…私はクリスの顔を覗いた。うわぁ目を閉じてるとまつげフサフサなのが強調される!お肌もツルツル!お人形さんみたい!!私はここぞとばかりにクリスの顔をじっくり見ていた。
「髪の毛もサラッサラだな……。あっ前髪伸びたな…。」
来た時より結構前髪伸びてる。私はつい触ってしまった。
「ん………?」
!!あわわ、私何してんの!しまったクリスが起きる!
「団長……、悪いもう少し寝かせてくれ………。」
ん?団長?ぷっクリスってば寝ぼけてやんの。
「いやいやクリスくんダメだぞ。今日は会議がある。」
私は面白くて団長のフリをしてみた。
「クリスくん………?会議は俺無しでしてくれ…。」
「いやいや副団長が居ないとか有り得ないから。」
「後で俺に教えてくれ……たまにやってるじゃないか…。」
えええ!!なんてやる気のない副団長!!それでいいのか騎士団!!
「いやいやいや!どんだけやる気ないの君!!」
「うーん、うるさい団長!!」
!?急に腕を掴まれたと思うと私はベッドに引き込まれた。
「!!?? クリス!!クリスー!!」
「……うーんうるさい団長…………ってまどか!?」
クリスの綺麗な青眼がぱっちり開いた。
「なななんでまどかが俺のベッドに!?」
「クリス!!手!!手を離して!!」
私がそう叫ぶとクリスは慌てて手を放した。
「悪い、寝ぼけてたようだ!!おかしいな団長と話してた気がするが………。」
言えない。団長のフリして遊んでたなんて言えない。
「とにかく…その……すまなかった!!」
「いや、私の方こそごめん!!」
何故まどかが謝る?とクリスが不思議な顔をした。だから言えないってばぁ!!
「ところでまどかどうしたんだ?」
「あっいや、起きてこないから心配になって。」
クリスは時計を見ると9時!?素振りの時間が!と慌てた。
「起こしてくれてありがとう。最近なかなか寝付けなくてな…。」
「? 何かあったの?大丈夫?」
「……いや、ちょっと葛藤がな。」
葛藤?何と葛藤しているんだろう。田中くんか?
「とりあえず顔を洗って歯を磨いてくる。」
「うん、行ってらっしゃい。」
あっ映画の事話すの忘れた。まぁいっか後で話そう。私はミルクティーを飲みに下に降りていった。
ふぅ。俺は鏡に写った自分の顔を見た。
副団長クリス=シュナイダー=アレクサンドリア。
俺が日本に来てからもう何ヶ月も経ったが…今もフリスコードは魔物の脅威に悩まされているのか。……自分で言うのもなんだが俺は強い。俺を失った騎士団はかなりの損失だろう。……しかし、王様は勇者を呼ぶと言っていた。勇者は俺達とは違う聖なる力を持っていると言っていた。魔物…いや、魔王を倒すのに必要な聖なる力。勇者さえ召喚されていれば…フリスコードは平和になっているのではないか。あの召喚士はかなりの腕の持ち主……失敗して俺を異世界にやりやがったが…2回も失敗はしないだろう。
…………もし勇者がフリスコードを救ったのなら…もしフリスコードが平和になっていたのなら…………俺はフリスコードに帰る意味は無いのではないか。そう、俺は……………。
「なんて美しいんだ。」
「!?」
突然後ろから聞こえた声に俺は驚いた。
「お母さん!?頼む驚かさないでくれ!」
「ふふ、クリスちゃんがあまりにも真剣な顔をしていたから。分かるわよ、美容の悩みは男女共通よね。」
「? 美容の悩み?お母さん何を言っているんだ。」
「いいのいいの。最近私の化粧水の減りが早いのだって分かっていたんだから。ふふ、お母さんはこのぐらいで怒らないわ。」
お母さんはそう言って透明の瓶に入った化粧水を手に取った。あれ?あの化粧水…お父さんが使ってたような。
「それよりまどかがクリスちゃんまだかなぁと言ってたわよ?」
あっそうだった、まどかが何か俺に用があるようだった。
ありがとうお母さん、俺はそう言ってまどかの所へ向かった。
「まどか、お待たせ。俺に何か用か?」
俺がまどかに声をかけるとまどかは目を輝かせて俺を見た。可愛いやつめ。
「クリス!!ねぇクリスこの映画興味あったよね!?」
まどかに言われてスマホを見るとそこには。俺がとても興味を持っていた妖怪蜘蛛男が写り出されていた。
「!? それはあの妖怪蜘蛛男じゃないか!ああ、俺はこの映画とやらが観たい。」
「だよねやっぱりクリス興味あったよね?田中くんがね、観に行かないかって誘ってきたの!クリスも行かない?」
何?田中が?あいつまどかと2人で映画に行くつもりだったのか。
「ね、どう?」
「ああ、俺も行く。」
あはは、悪いな田中。まどかと二人きりなんてさせるわけが無いだろう。俺は田中にメールを打つまどかを見てほくそ笑んでいた。
朝早くから田中くんからメールが来た。田中くん早起きだな。
あれ?待って確かこの映画って…クリスが観たいって言ってたやつだよな?テレビで予告映像が流れてた時に物凄く目を輝かせてたのを思い出した。そうだ、クリスも誘ってあげよう。
「クリス?あれまだ寝てるの?」
おかしい…クリスはいつも朝6時に起きて庭で素振りをしているのに。
「クリス?もう9時だよ?具合悪いの?」
心配になって私はそぉっとクリスの部屋のドアを開けた。
……………寝てる。スヤスヤと寝息が聞こえる。良かった生きてる。
「良かった生きてた。……珍しいなクリスが起きないの。」
いつも無駄に早起きなのに。…私はクリスの顔を覗いた。うわぁ目を閉じてるとまつげフサフサなのが強調される!お肌もツルツル!お人形さんみたい!!私はここぞとばかりにクリスの顔をじっくり見ていた。
「髪の毛もサラッサラだな……。あっ前髪伸びたな…。」
来た時より結構前髪伸びてる。私はつい触ってしまった。
「ん………?」
!!あわわ、私何してんの!しまったクリスが起きる!
「団長……、悪いもう少し寝かせてくれ………。」
ん?団長?ぷっクリスってば寝ぼけてやんの。
「いやいやクリスくんダメだぞ。今日は会議がある。」
私は面白くて団長のフリをしてみた。
「クリスくん………?会議は俺無しでしてくれ…。」
「いやいや副団長が居ないとか有り得ないから。」
「後で俺に教えてくれ……たまにやってるじゃないか…。」
えええ!!なんてやる気のない副団長!!それでいいのか騎士団!!
「いやいやいや!どんだけやる気ないの君!!」
「うーん、うるさい団長!!」
!?急に腕を掴まれたと思うと私はベッドに引き込まれた。
「!!?? クリス!!クリスー!!」
「……うーんうるさい団長…………ってまどか!?」
クリスの綺麗な青眼がぱっちり開いた。
「なななんでまどかが俺のベッドに!?」
「クリス!!手!!手を離して!!」
私がそう叫ぶとクリスは慌てて手を放した。
「悪い、寝ぼけてたようだ!!おかしいな団長と話してた気がするが………。」
言えない。団長のフリして遊んでたなんて言えない。
「とにかく…その……すまなかった!!」
「いや、私の方こそごめん!!」
何故まどかが謝る?とクリスが不思議な顔をした。だから言えないってばぁ!!
「ところでまどかどうしたんだ?」
「あっいや、起きてこないから心配になって。」
クリスは時計を見ると9時!?素振りの時間が!と慌てた。
「起こしてくれてありがとう。最近なかなか寝付けなくてな…。」
「? 何かあったの?大丈夫?」
「……いや、ちょっと葛藤がな。」
葛藤?何と葛藤しているんだろう。田中くんか?
「とりあえず顔を洗って歯を磨いてくる。」
「うん、行ってらっしゃい。」
あっ映画の事話すの忘れた。まぁいっか後で話そう。私はミルクティーを飲みに下に降りていった。
ふぅ。俺は鏡に写った自分の顔を見た。
副団長クリス=シュナイダー=アレクサンドリア。
俺が日本に来てからもう何ヶ月も経ったが…今もフリスコードは魔物の脅威に悩まされているのか。……自分で言うのもなんだが俺は強い。俺を失った騎士団はかなりの損失だろう。……しかし、王様は勇者を呼ぶと言っていた。勇者は俺達とは違う聖なる力を持っていると言っていた。魔物…いや、魔王を倒すのに必要な聖なる力。勇者さえ召喚されていれば…フリスコードは平和になっているのではないか。あの召喚士はかなりの腕の持ち主……失敗して俺を異世界にやりやがったが…2回も失敗はしないだろう。
…………もし勇者がフリスコードを救ったのなら…もしフリスコードが平和になっていたのなら…………俺はフリスコードに帰る意味は無いのではないか。そう、俺は……………。
「なんて美しいんだ。」
「!?」
突然後ろから聞こえた声に俺は驚いた。
「お母さん!?頼む驚かさないでくれ!」
「ふふ、クリスちゃんがあまりにも真剣な顔をしていたから。分かるわよ、美容の悩みは男女共通よね。」
「? 美容の悩み?お母さん何を言っているんだ。」
「いいのいいの。最近私の化粧水の減りが早いのだって分かっていたんだから。ふふ、お母さんはこのぐらいで怒らないわ。」
お母さんはそう言って透明の瓶に入った化粧水を手に取った。あれ?あの化粧水…お父さんが使ってたような。
「それよりまどかがクリスちゃんまだかなぁと言ってたわよ?」
あっそうだった、まどかが何か俺に用があるようだった。
ありがとうお母さん、俺はそう言ってまどかの所へ向かった。
「まどか、お待たせ。俺に何か用か?」
俺がまどかに声をかけるとまどかは目を輝かせて俺を見た。可愛いやつめ。
「クリス!!ねぇクリスこの映画興味あったよね!?」
まどかに言われてスマホを見るとそこには。俺がとても興味を持っていた妖怪蜘蛛男が写り出されていた。
「!? それはあの妖怪蜘蛛男じゃないか!ああ、俺はこの映画とやらが観たい。」
「だよねやっぱりクリス興味あったよね?田中くんがね、観に行かないかって誘ってきたの!クリスも行かない?」
何?田中が?あいつまどかと2人で映画に行くつもりだったのか。
「ね、どう?」
「ああ、俺も行く。」
あはは、悪いな田中。まどかと二人きりなんてさせるわけが無いだろう。俺は田中にメールを打つまどかを見てほくそ笑んでいた。
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