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序章〜観測者
4.発達した科学は魔法と見分けがつかない!
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ほとんどの生徒たちがバスへと避難する。無理もない!自分たちが今いるところが巨人の髑髏の中とは想像するだけでもあまり気分の良いものではない。
そんな中、数名の生徒と橘妃音、堂島海里、そして運転手の三原が広間に残っていた。
そこにいる誰もが一言も喋らないまま、1時間ほど過ぎようとしていた時、沈黙を破る様に「あの…妃音さん、さっきのって手品じゃなくて魔法?本物なんですか?」
月斗が尋ねる。
「ええ…彼が魔法が使えるんじゃって言った時にふと、出来る気がして…」妃音は梶 大作の方を見て言った。梶はさっきステータスオープンと叫んで自爆していた。その自爆のせいでは無いが髪の毛は天然パーマだ。妃音は月斗といい陸といい頭髪に関して割と緩い高校なんだな!と思っていた。口にはださなかったが。
「そんな事で?」その赤い髪の月斗が聞き返す。
「ええ…日本では…私たちって普段生活をする上で、蛇口をひねれば水が使えて、スイッチを押せば電気やガスが簡単に使えるでしょ…あれって、昔の人からしたら魔法じゃないかしら…」
「確かに。[十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない。]ってやつか。」残念イケメン教師の堂島が応える。
「それって日本ではライフラインが充実していて、誰もが当たり前の様に使える科学技術って言えなくないですか?」
「科学技術…かどうかはさておき…」と堂島。
日本においてライフラインとは、エネルギー施設、水供給施設、交通施設、情報施設など生活に必須なインフラ設備などの事を指す。
「例えば携帯電話やFAXなども、仕組みは分からなくても、誰もが当たり前の様に使っていて、当たり前の物として認識している。」
「この世界では魔法が当たり前という認識をする事で使える様になるのか…」
「多分…この世界に於いては魔法が当たり前の能力?……なら誰もが使えるはず」と言って妃音がまた辺りを明るく照らした。
「おおおっ」
「なるほど、ガス=火、水道=水、電気=光だとすればそれがライフラインということか」
「ウリ・ゲレル・フロイド」運転手の三原が呟いた。
「何かの呪文ですか?」月斗が尋ねる。
「いえ、昔 ウリ・ゲレル・フロイド…ユリゲラーがテレビ番組でスプーン曲げを披露したところ、それを見ていた子どもたちが真似をしてスプーン曲げが出来たって言うエピソードを思い出しました。」
「それもテレビの前の子どもたちが当たり前に超能力を認識したからって事?」
「私はその時、小さかったので実際見ては無いんですが、割と超能力やUFOとかそう言うのが好きでしたし、周りでも流行ってましたね」
「てことは、俺だって!」そう言って月斗は、さっき妃音がした様に掌を胸の前に合わせたあと力いっぱい前へ押し出す動作をする。
ヴァアァァン!
怒号とともに火球と呼べるものが勢いよく飛び出し、堂島をかすめて[かまくら]の内壁に当たる。
「おい!殺す気か!コラ!人に向けるな!」
「すいません!火が前に飛び出るなんて思わなくて!」
「てか明らかにこっちに向けてたよね!」
「何で火が出たんだろう?」
「馬鹿だな月斗!」と言って陸も同じ様にやってみる。
グググッと陸の立っていた地面が少し盛り上がった。
???
もう一度。
ググググググッ
更に少し地面が盛り上がる。
「陸!ちょっと背が高くなってない?」
半笑いで月斗が声をかける。
「おい!お前ら人の話を聞け!」と言って堂島が手をピストルみたいすると指先から水が出て月斗の顔に当たる。
「うわぁ、しょっぱい!何するんすか!先生!」
「おお!すまん!大丈夫か?」堂島が自分の人差し指を見つめる。またチョロっと出る。
「先生コレ塩水ぽいんすけど!汗ですか?」
「おもしれー!おい、京華お前もやってみ!」
陸に促されて仕方なく
「えっ、こうですか?」京華が見よう見まねで掌を合わせるポーズをする。
何だか嗅いだことのある様な無いような不思議とリラックスさせるいい香りが漂ってきた。
「なんかお香みたいなっていうか不思議な匂いがするな!」
「なんか高貴な香りがするな!」月斗と陸が顔を見合わす。
「ヤダっ!なんか恥ずかしいですわ!」と京華が手で顔を覆う。
「多分コレ名前と関係あるんじゃないか?」
「本庄陸=土、堂島海里=海水、天道京華=お香っ!」
「ヤダ、役に立たない!」
「おい、梶お前やってみ!」
「おお!お前すごい火出そうだから気をつけろよ!」
陸に呼ばれて1年の梶が言われるままにやってみる。
シーン!
「アカンか!アカンのんか!」陸がガッカリする。
「でしょうね…僕、火事じゃないですから…」
「行けそうなのにな!」
楽しそうな月斗と陸のやり取りを見て、南千里は男の子って馬鹿だ!と思いつつもその場の雰囲気が和んだ事に少し安心をした。
9月13日 AM 11:46
スマホは相変わらず圏外だが、時間だけは、別世界にいても元の世界の時間を指していた。
そんな中、数名の生徒と橘妃音、堂島海里、そして運転手の三原が広間に残っていた。
そこにいる誰もが一言も喋らないまま、1時間ほど過ぎようとしていた時、沈黙を破る様に「あの…妃音さん、さっきのって手品じゃなくて魔法?本物なんですか?」
月斗が尋ねる。
「ええ…彼が魔法が使えるんじゃって言った時にふと、出来る気がして…」妃音は梶 大作の方を見て言った。梶はさっきステータスオープンと叫んで自爆していた。その自爆のせいでは無いが髪の毛は天然パーマだ。妃音は月斗といい陸といい頭髪に関して割と緩い高校なんだな!と思っていた。口にはださなかったが。
「そんな事で?」その赤い髪の月斗が聞き返す。
「ええ…日本では…私たちって普段生活をする上で、蛇口をひねれば水が使えて、スイッチを押せば電気やガスが簡単に使えるでしょ…あれって、昔の人からしたら魔法じゃないかしら…」
「確かに。[十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない。]ってやつか。」残念イケメン教師の堂島が応える。
「それって日本ではライフラインが充実していて、誰もが当たり前の様に使える科学技術って言えなくないですか?」
「科学技術…かどうかはさておき…」と堂島。
日本においてライフラインとは、エネルギー施設、水供給施設、交通施設、情報施設など生活に必須なインフラ設備などの事を指す。
「例えば携帯電話やFAXなども、仕組みは分からなくても、誰もが当たり前の様に使っていて、当たり前の物として認識している。」
「この世界では魔法が当たり前という認識をする事で使える様になるのか…」
「多分…この世界に於いては魔法が当たり前の能力?……なら誰もが使えるはず」と言って妃音がまた辺りを明るく照らした。
「おおおっ」
「なるほど、ガス=火、水道=水、電気=光だとすればそれがライフラインということか」
「ウリ・ゲレル・フロイド」運転手の三原が呟いた。
「何かの呪文ですか?」月斗が尋ねる。
「いえ、昔 ウリ・ゲレル・フロイド…ユリゲラーがテレビ番組でスプーン曲げを披露したところ、それを見ていた子どもたちが真似をしてスプーン曲げが出来たって言うエピソードを思い出しました。」
「それもテレビの前の子どもたちが当たり前に超能力を認識したからって事?」
「私はその時、小さかったので実際見ては無いんですが、割と超能力やUFOとかそう言うのが好きでしたし、周りでも流行ってましたね」
「てことは、俺だって!」そう言って月斗は、さっき妃音がした様に掌を胸の前に合わせたあと力いっぱい前へ押し出す動作をする。
ヴァアァァン!
怒号とともに火球と呼べるものが勢いよく飛び出し、堂島をかすめて[かまくら]の内壁に当たる。
「おい!殺す気か!コラ!人に向けるな!」
「すいません!火が前に飛び出るなんて思わなくて!」
「てか明らかにこっちに向けてたよね!」
「何で火が出たんだろう?」
「馬鹿だな月斗!」と言って陸も同じ様にやってみる。
グググッと陸の立っていた地面が少し盛り上がった。
???
もう一度。
ググググググッ
更に少し地面が盛り上がる。
「陸!ちょっと背が高くなってない?」
半笑いで月斗が声をかける。
「おい!お前ら人の話を聞け!」と言って堂島が手をピストルみたいすると指先から水が出て月斗の顔に当たる。
「うわぁ、しょっぱい!何するんすか!先生!」
「おお!すまん!大丈夫か?」堂島が自分の人差し指を見つめる。またチョロっと出る。
「先生コレ塩水ぽいんすけど!汗ですか?」
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「えっ、こうですか?」京華が見よう見まねで掌を合わせるポーズをする。
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「なんか高貴な香りがするな!」月斗と陸が顔を見合わす。
「ヤダっ!なんか恥ずかしいですわ!」と京華が手で顔を覆う。
「多分コレ名前と関係あるんじゃないか?」
「本庄陸=土、堂島海里=海水、天道京華=お香っ!」
「ヤダ、役に立たない!」
「おい、梶お前やってみ!」
「おお!お前すごい火出そうだから気をつけろよ!」
陸に呼ばれて1年の梶が言われるままにやってみる。
シーン!
「アカンか!アカンのんか!」陸がガッカリする。
「でしょうね…僕、火事じゃないですから…」
「行けそうなのにな!」
楽しそうな月斗と陸のやり取りを見て、南千里は男の子って馬鹿だ!と思いつつもその場の雰囲気が和んだ事に少し安心をした。
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