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3章 シュレーディンガーの猫編
42. 13 people With cabaret club (キャバクラとの13人) 前編
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「妃音さん?」月斗の口にした名前に目の前の赤い頭巾の魔女が反応する。
「少年?今、私の事を妃音と呼んだか?」赤い頭巾を被った魔女はリンゴを手に持ったままそう聞き返した。
「少年。私も君に聞きたい!その炎の魔法、どうやって手に入れた?」妃音にそっくりな…妃音本人としか思えない相手から出た言葉に月斗は戸惑う。
「どうやってって…コレは妃音さんが……目の前で見せてくれた魔法で……この世界では魔法が当たり前に使えて名前や周りの人間から見るイメージによって属性が決まるって………」
月斗は目の前の赤い頭巾を取った女性の目を見る。
「フム…炎の魔法は精霊魔法に属する…って言ってもわからんか…」
整った顔立ち、長い睫毛。彼女を間近で見た月斗は
「ホントに妃音さんじゃ無いんですか?こんなにそっくりなのに…」そう言いながら彼女の姿を眺め………長い耳が目に止まった。
「って!耳長っーーーーツ!!!!」人間の耳の長さとは比べ物にならないほど長く先端が尖った彼女の耳に月斗は驚いた。
そして思わず出た言葉が
「さ……触ってもいいですか?」それに対して
「いいワケ無いだろ!」当然の反応だ。初対面の女性に対して一体何を言い出すのか?
「と言いたいところだが別に構わんぞ!むしろ肌に触れられるのは何年ぶりだろうか?耳だけでいいのか?」予想外の展開だった。
そういって赤い頭巾の魔女は首を傾け亜麻色の髪の毛から張り出した長い耳を月斗の方へ向ける。
「じゃ、じゃあ」と言って手を伸ばした月斗に
「少年!最初は優しく触れるのだ!」そういって月斗に向けられた顔は妃音そのものだった。
月斗がその長い耳に手を伸ばす。
ビクン!
月斗の指がそっと触れた瞬間、彼女が反応し頬を赤らめた。なんか妙にエロい。
「そうそう!先っぽの硬い部分を今度は少し力を入れてみてくれないか!」
♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
「コホン、少し脱線した様だ」そう言うと赤い頭巾の魔女は月斗に目を向けた。
2人のやりとりを見ていた梶がワクワクしながら
「あの?お姉さんのその耳!それってエルフですよね?それにさっき言ってた精霊魔法!」
「エルフ?ああ、なるほど君たちは日本人だな?エルフ…人間たちが呼ぶ名か…だとすればそうなのだろう」
「!!!」驚いた。この世界の住人から日本という言葉が発せられたことに。
「日本を知ってるんですか?」と言う堂島の質問に被せて
「妃音さんとは違うんですね?」月斗が聞き返した。
イヤ!それよりも日本って言ったことについて!と堂島は思った。
「フム…違うな。私は君の言う妃音本人では無い……むしろ私はその子達を探しているのだ」
「その子達?」月斗の問いに
「ああ、その妃音とは別にもう1人居なかったか?」
「もう1人……もう1人ってもしかして黒髪のオカッパの少年?」
「⁉︎……いや、もう1人というのは双子のもう1人という意味なのだが……」
「双子⁈」
「ああそうだ!双子だ!なるほど…」そう呟くと赤い頭巾の魔女は外していた目隠しをして笑を浮かべる。
「双子の片方だけだったのだな?少年!」
「エエ、その後、妃音さんはオカッパの黒髪の少年を連れて妖精王の国へ行ったって!」
「黒髪の少年か…妖精王の…なるほど、それに私にそっくりだとしたら……ハハ…巨人世界をいくら探しても見つからん訳だ!」
赤い頭巾の魔女は1人納得したように呟き
「私はアールヴの民、アーウェン=リンデールだ!」と告げた。
2
「リンデールさん?妃音さんとあなたの関係は?」
月斗がリンデールと名乗る赤い頭巾の魔女に尋ねる。
「その妃音という名は本当の名前では無いな…」
リンデールはそう言うと
「この世界での本当の名は…発音が難しく君たちには恐らく聞き取れまい。なのでオトタチバナヒメ…音姫…それが私たちがその子に付けた名だ」
「オトタチバナヒメ…オトヒメ……タチバナヒメノ…アナグラムか」堂島が答える。
「その子に付けた名前?って事はもしかして」
「母親だ!その双子達のな!」驚いた!20代前半にしか見えない目の前にいる女性が母親?アーウェン=リンデールと名乗った赤い頭巾の魔女は美魔女なのか?
「お母さん??その若さで?見た目は妃音さんと同じくらいなのに?」と月斗が口にする。
「ハハッ!月斗先輩、エルフを舐めちゃいけませんよ!なんたってエルフは若い姿のままとっても長生きなんですから!」
「なんだって?戦闘民族が若い姿のまま見た目が変化しないっていうアレか?」
「いえ、戦闘民族では無いです!てか戦闘民族って?…ファンタジー世界の定番でエルフは長寿ってのがお約束なんです!きっとこの方もこう見えて相当な年齢のはず!」堂島の質問に梶が答える。
「ホウ!で!私は幾つにみえる?」リンデールが合コンみたいなノリで聞いてきた。
「妃音さんとそっくりなので22歳……でもお母さんって事を考えるとそれに最低16歳くらいは上かな?って事で38歳でお願いします!」
月斗はホントにそう思ったのだろう。
「月斗先輩!エルフを舐めちゃいけませんよ!それって人間でいった場合の!でしょ!なのでハイエルフが1000年くらい生きるとして…」
「オイオイ、1000年って!そんな訳無いだろ?肉体がそんな年数持つ訳が無い!」と堂島が言い放つ。
「いや、でもハイエルフは1000年くらいって聞きますよ!」運転手の三原も会話に参加した。
「ほう…」アーウェン=リンデールはニヤニヤしてる。
「幾らなんでも1000年って事は無いはずなので大雑把に失礼ですけど…300歳くらいですか?それでもエルフとしてはかなり若い方だと思いますけど!」
「女性に対して300歳って失礼だろう!」と月斗。
「ほほう!随分若く見られてるのだな!因みにヒント!その双子を含めて私には子どもが13人いる。アールヴの民という種族の数自体、相当少ない事を考えてもかなりの子を生んでいる事になるな!」
「13人⁈13人もお子さんがいるんですか?それに300歳で随分若く…?」
「ああ、13人いる!」
「13!何て不吉な数…」
「ああ、13は不吉だ…」
「この世界でも13は不吉なのですか?」
「ああ、13番目に生まれた子は世界を破滅に導くと言う言い伝えがある…」
「そんなベタな言い伝えが?……で…その13番目が…妃音さん?」
「……正直…2人が産まれた時…どっちがどっちかわからなかったのだ!」
「エッ?と…そんなもんなんですか?」
「ああ、それに妊娠、出産も随分久しぶりだったので、なんかコツが掴めなかった」
「コツ?コツですか?」
「ああ、コツだ!上の11人たちとは随分歳が離れているからな!」
「そうなんですか?」
「ああ、12人で止めるはずが双子だったのでヤベぇ!と思った」
「13人!」
「ああ、子を宿し、暫くすると…アレ?何かお腹大っきくね?アレ?2人居ない?お腹の中に2人!双子じゃね?と思ったのだ……アレ?双子だったら13人じゃね?」
「……」
「順番に数字を言い合って最後に「20」を言った方が負けって言う楽しいゲームがあるだろ?」
「ありますけど…楽しいって言うか…暇つぶしにやるくらいの遊び!ですよね?」
「それと同じだ!「19」で止めるつもりが間違って「18」で止めてしまったり勢い余って自ら「20」って言ってしまう……みたいな!」
「みたいな!って全く共感出来ませんでしたが…」
「双子を宿した時…覚悟をしていたのだが…13番目の凶兆の子を見極める覚悟を…」
「それって…映画とか小説とかでよくある不吉な双子の話とかって言うやつですか?」
「ありますね!そういうの」三原が同意する。
「双子は凶兆の象徴として片方が殺される…ましてや13番目の子…って事は…」その場にいる全員が重い雰囲気に包まれた。
「フム…双子の場合、先に産まれた方が姉なのかそれとも妹になるのか?それがわからなかったのだ…そして、アレ?アレ?どっちがどっちだったっけ?ってなった!」
「⁉︎⁉︎そんなもん?そんなもんなんですか?」
「ああ、そんなもんだ!」
「で…2人とも殺されずに?」
「当然だろう!例えどっちが13番目で世界を滅ぼす存在であったとしても我が子を手にかけるつもりなど無い!世界が滅びようが……そんな事よりも我が子の方が大切なのだ!」
「そうですね…わかります」運転手の三原がうなづいた。
※
「ところで……あの……!一体お幾つなんですか?」結局ヒント!と言いながら全くヒントでは無かった。
月斗の言葉に
「フム、降参か?」アーウェン=リンデールは残念そうにそう言うと
「君たちの世界で換算すると私は10万23歳と言う事になるな!」
「じゅ!じゅうまん?10万?」桁が違いすぎた!想像していた数字を遥かに上回っている。
「何を驚いている!そこにいる魔族の様な姿をした者を君らも知っている筈だ!確か……コグレ…いや、閣下と呼ばれているな」リンデールは自称魔王の姿をしている梶を指さした。
「閣下⁈コグレ⁈」
3
「昔、テレビで悪魔の姿?をした彼が自分の年齢を10万23歳って言ってたのを思い出しました…アレは本当だったんですね」三原はそう呟いた。
「しかも自分の事を悪魔と偽る事なく…」
「ああ、君らの世界では下手に隠すよりも大っぴらに世間に公表した方が疑われない!と言う事だろう!」
「コリン星とか!ミラーボール星とかですかね?」
「ああ!知らんけどな!」アーウェン=リンデールが答える。
「えっとずっと気になってたんですがこの世界に我々みたいな人間っているんですかね?」
「この巨人世界での人間というのは巨人族の事だ。我々アールヴやアリたち、その他の種族の様な大きさの人間などは存在しない」
「巨人族が人間?」
「ああ、彼らこそが神が自分達の姿を模して創った種族だという事だ…が」
「じゃあ、あなた方エルフ……アールヴの民は?」
「我々は御伽世界という別の次元の世界の生き物だ」
「御伽世界!アリの女王も言ってた世界」
「ところであなたはエルフ……そのアールヴの民?という事だが日本を知っているのですか?」堂島がリンデールにさっきの質問を聞き返した。
「ああ、私は…私たちはその日本とよばれる異世界……君たちの世界に行った事があるからな!」
「⁉︎⁈⁈?」
更に思わぬ言葉にその場にいた全員が驚いた!
「行ったことがあるですって?て事は帰る方法があるって事ですか?」
「帰る方法か…異世界への行き来はバスが出ていた筈だが…」
「バス⁈異世界行きのバスがあるんですか?」
「ああ!御伽世界行きや異世界行きのな!」
「よっしゃーーーー!早くネコの人の仕事をこなして帰りましょう!」月斗たちの表情が明るくなった。
「そうだな!で?そのバスはどこで乗れるんですか?」堂島がリンデールに尋ねた。
「ああ、それなら……」と言いかけて少し間をおいて
「……そう言えば君らはこの世界に来てどれくらい時間が経った?」
「エッ?何か関係が?」
「なるほど!知らん様だな…」
「???」
「私たちはアールヴにとって時間というものに頓着がないのだが……君らにとっては10年という時間は随分と長いのだろう?」
「エエ!10年一昔って言いますからね…」
「フム…やはり…な。ならばこの世界で過ごした1日が君らの世界での10年に相当すると言う事は随分と問題なんじゃ無いのか?」
「!!!」
「何ですって?この世界と元の世界での時間の流れが違うって事ですか?」
「ああ!そうなるな」
「何て事だ…10年前に失踪した幼稚園バスの園児達の事を考えればその可能性は確かにあった…いや、その可能性の方が高かった。想定していた最悪のケースだったと言うことか…」堂島はそう呟く。
4
希望の光が見えかけた後に一気に絶望の淵にたたされた様な気分だった。
巨人世界と呼ばれるこの世界に来てからすでに3日は経っている。アーウェン=リンデールの話が事実だとすれば元の世界ではすでに30年は経過している事になる。
「そんな……そんな事って…」この事実に1番動揺していたのは運転手の三原だった。この世界に来てから3日。スマホのカレンダーは9月16日を示していた。
今日中に元の世界へ戻れさえすれば明日、9月17日の娘の8歳の誕生日に間に合う。
その予定が娘の誕生日に間に合わないどころか娘は30年も父親が帰らないまま生きていた事になりアラフォーになっている。
そしてさらに一回り以上年の離れた妻も49歳の三原よりも年齢を重ねている事になる。
「三原さん、大丈夫ですか?」魔法的愛玩具の効果で若い姿になっている三原に堂島が声をかける。
三原は顔面蒼白だった。
「こうしてる間にもあちらの世界では時間が流れ続けていると言う事ですか……堂島先生!」
「………」三原の問いに堂島が言葉を失っていた。
「浦島太郎…状態…って事か」
「オトヒメ…橘妃音」堂島がその名を口にする。
「フム…少なくとも私の娘が関わってはいる様だ…な」
リンデールはそう呟くと再び手にしたリンゴを月斗に差し出した。
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