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40話 もう一つのラストダンス(リンドル視点)
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よし! ヴェイナーと踊れる!
小躍りしたい気分だ。この女はマジで仕事にしか興味がねぇからな。まさかのOKに、俺は内心でガッツポーズだ。
ツリ目でキツい性格だが、美人のヴェイナーを口説こうとする男はそれなりに多い。だから俺には「ヴェイナーが他の男からのダンスの誘いを受けやしねーか」って不安もあった。
まあ、そうは言っても、こいつは自分の色恋には全く興味がない変人だ。言い寄る男共には冷たい目を向け、しつこい奴にはビンタを数発見舞って罵倒するのもザラだしな。
そんな気性の荒い変な女にマジで惚れちまったんだから、俺も大概頭がおかしい。女の趣味が悪過ぎる。
だが好きなものは好きなんだから仕方ない。惚れた方が負けってのは言い得て妙だな。正直勝てる気がしねぇ。
「リンドル。アンタ踊れるの?」
「踊れねーよ。悪かったな」
ヴェイナーがジロジロと見てきやがる。
「下手の横好きってやつ?」
「くっ! 言ってろ」
「あたしが教えてやるから、しっかり覚えて帰りなよ」
それくらいで覚えられるなら苦労しねーよ!
心の中で毒づきながら、昨日の光景を思い出していた。
△
「ギルド生誕祭で姐さんをダンスに誘う? お前、ダンスなんて踊れたか?」
「あんまし踊った事ねぇけど、半日あれば何とかなるだろ」
「何言ってんだか。半日でダンスを覚えるなんて無理だって」
「あのなぁ、俺を誰だと思ってんだよ?」
俺はAランクでも上位の冒険者で、運動神経の塊なんだぞ。ダンスなんて即日修得してやるっての。
「左、右、左、右、ターンとか、そんなんだろ?」
「……はぁ」
ニールは溜息を吐きながら首を振っていると、横からシュリ―が顔を出した。
「えっ、何? リンドルって姐さん誘うつもりなの? ダンスのダの字も知らないような状態で?」
「まあな。祭りの終盤にでもなりゃ、ヴェイナーもしこたま酒飲んで酔っ払ってるだろ? 上手くいけば俺の誘いに乗ってくるさ」
「えー。姐さんが前後不覚になるまで飲むとは思えないけどなぁ」
「そん時はそん時だ」
やるだけやってみればいい。じゃなきゃ難攻不落の鉄の女は、一生落ちないからな。
「じゃあ私が協力してあげる。私のダンスは、なかなかのものだからね」
「上手いのか? 全然それっぽく見えねぇけど」
「それは聞き捨てならんね。こう見えても私、田舎のダンスパーティーでは『ワルツのシューちゃん』って言われたり言われなかったりしたんだから」
「言われてたのか言われてなかったのかハッキリしろや」
「言われてないけど?」
「言われてないのかよっ!?」
そんなこんなで「シューちゃんのワルツ教室」なるものが始まった。1時間ほどあーだこーだとやっていたが。
「うん。無理。ごめんなさいリンドル」
「諦めんなよっ! 最後まで面倒見ろやっ!」
匙を投げられた。どうやら俺は、踊りの才能がシャレにならないくらいに枯渇しているらしい。
「だってさ、タン・タン・タンのリズムなのにタターン・タン・タタみたいになるし、何度言っても直らないしさぁ。こんなにリズム感の無い人に会ったの初めて。前世で音楽の神様に悪戯でもして嫌われたんじゃないの?」
「うるせぇ」
俺は悪態を吐くしか出来ない。ダンスがこんなに難しいとは思わなかった。どうなってんだよマジで。
「リンドル。なんか俺、お前の強さの理由が分かった気がするわ」
話し掛けてきたのは、見物していた男だ。
「俺の強さの理由?」
「リズム感や呼吸のタイミングが、普通の奴と違って滅茶苦茶ズレてるんだよ。だからお前は強い」
意味分かんねー。人と感覚がズレてるなら弱いんじゃないのか?
「タイミングを外す才能とでも言えばいいのか? 人間だろうと魔物だろうと、お前の相手はもの凄く戦い辛いんだろうさ」
そう言われれば、そうかもしんねーが。
「お前は相手の動きを予測出来ても、相手はお前の動きを予測出来ないんだよ。だからお前と組んだシュリ―はダンスが踊れない」
いや、ちょっと待て。
「じゃあヴェイナーとのダンスは諦めろって事か?」
「本格的なダンスは無理だな。初心者がやるような遊び半分のダンスでいいなら、イケるかもしれんが」
それでもいい。生誕祭で踊るのは本格的なダンスだけじゃねーんだ。千鳥足で踊る酔っ払いもいれば、はしゃぎ回ってデタラメに踊る子供もいる。所詮はギルドの生誕祭だからな。
「よし。それで行こう」
決意は固まった。お気楽なダンスとして、軽いノリで誘うしかない。
「しっかしなぁ、リズム感が無い事に、どうして今まで気付かなかったんだ? 小さい頃なんか、子供同士で普通に踊ったりしただろう?」
俺は何故か知らんがハッとして、遠い昔の事を思い出していった。確かあれは、どこかの家のパーティに招かれた時だ。
曲に合わせて集団で踊っていた俺は、右に動くべきタイミングで左に動いて、エイミーちゃんとぶつかった。すると、よろけたエイミーちゃんがテーブルクロスを掴んで料理が散乱して、楽しいパーティーが一転して阿鼻叫喚の――。
「うっ! 頭がっ!」
俺のスピリット君がマジ顔で「思い出すな! 忘れろ! 忘れろ!」と暗示を掛けてきた。これ以上は深く考えてはいけない気がする。
とにかく俺は、ヴェイナーと踊る事だけを考えるようにした。リズム感がなくても何とかなるさ。「リンは本番に強い男だよ」ってばっちゃが言ってたからな。
さあ、やるぜ!
△
「あははははは!」
「さっきから笑い過ぎだろが!」
「だってさぁ、何よあのタコ踊りは! あはははは!」
最悪だ。リズムを気にし過ぎて酷い踊りになってしまった。
「そんなに笑うほど酷かったのかよ?」
「そうねぇ。例えるなら、ティリアちゃんの料理レベルって感じ?」
「絶望的じゃねぇか!?」
終わったわ。
「こんなに笑ったの久しぶり。楽しかったわリンドル」
「……」
時折見せるこの笑顔に、俺は惚れちまったんだよな。
惚れた方が負けか。こいつには全く勝てる気がしねぇ。
小躍りしたい気分だ。この女はマジで仕事にしか興味がねぇからな。まさかのOKに、俺は内心でガッツポーズだ。
ツリ目でキツい性格だが、美人のヴェイナーを口説こうとする男はそれなりに多い。だから俺には「ヴェイナーが他の男からのダンスの誘いを受けやしねーか」って不安もあった。
まあ、そうは言っても、こいつは自分の色恋には全く興味がない変人だ。言い寄る男共には冷たい目を向け、しつこい奴にはビンタを数発見舞って罵倒するのもザラだしな。
そんな気性の荒い変な女にマジで惚れちまったんだから、俺も大概頭がおかしい。女の趣味が悪過ぎる。
だが好きなものは好きなんだから仕方ない。惚れた方が負けってのは言い得て妙だな。正直勝てる気がしねぇ。
「リンドル。アンタ踊れるの?」
「踊れねーよ。悪かったな」
ヴェイナーがジロジロと見てきやがる。
「下手の横好きってやつ?」
「くっ! 言ってろ」
「あたしが教えてやるから、しっかり覚えて帰りなよ」
それくらいで覚えられるなら苦労しねーよ!
心の中で毒づきながら、昨日の光景を思い出していた。
△
「ギルド生誕祭で姐さんをダンスに誘う? お前、ダンスなんて踊れたか?」
「あんまし踊った事ねぇけど、半日あれば何とかなるだろ」
「何言ってんだか。半日でダンスを覚えるなんて無理だって」
「あのなぁ、俺を誰だと思ってんだよ?」
俺はAランクでも上位の冒険者で、運動神経の塊なんだぞ。ダンスなんて即日修得してやるっての。
「左、右、左、右、ターンとか、そんなんだろ?」
「……はぁ」
ニールは溜息を吐きながら首を振っていると、横からシュリ―が顔を出した。
「えっ、何? リンドルって姐さん誘うつもりなの? ダンスのダの字も知らないような状態で?」
「まあな。祭りの終盤にでもなりゃ、ヴェイナーもしこたま酒飲んで酔っ払ってるだろ? 上手くいけば俺の誘いに乗ってくるさ」
「えー。姐さんが前後不覚になるまで飲むとは思えないけどなぁ」
「そん時はそん時だ」
やるだけやってみればいい。じゃなきゃ難攻不落の鉄の女は、一生落ちないからな。
「じゃあ私が協力してあげる。私のダンスは、なかなかのものだからね」
「上手いのか? 全然それっぽく見えねぇけど」
「それは聞き捨てならんね。こう見えても私、田舎のダンスパーティーでは『ワルツのシューちゃん』って言われたり言われなかったりしたんだから」
「言われてたのか言われてなかったのかハッキリしろや」
「言われてないけど?」
「言われてないのかよっ!?」
そんなこんなで「シューちゃんのワルツ教室」なるものが始まった。1時間ほどあーだこーだとやっていたが。
「うん。無理。ごめんなさいリンドル」
「諦めんなよっ! 最後まで面倒見ろやっ!」
匙を投げられた。どうやら俺は、踊りの才能がシャレにならないくらいに枯渇しているらしい。
「だってさ、タン・タン・タンのリズムなのにタターン・タン・タタみたいになるし、何度言っても直らないしさぁ。こんなにリズム感の無い人に会ったの初めて。前世で音楽の神様に悪戯でもして嫌われたんじゃないの?」
「うるせぇ」
俺は悪態を吐くしか出来ない。ダンスがこんなに難しいとは思わなかった。どうなってんだよマジで。
「リンドル。なんか俺、お前の強さの理由が分かった気がするわ」
話し掛けてきたのは、見物していた男だ。
「俺の強さの理由?」
「リズム感や呼吸のタイミングが、普通の奴と違って滅茶苦茶ズレてるんだよ。だからお前は強い」
意味分かんねー。人と感覚がズレてるなら弱いんじゃないのか?
「タイミングを外す才能とでも言えばいいのか? 人間だろうと魔物だろうと、お前の相手はもの凄く戦い辛いんだろうさ」
そう言われれば、そうかもしんねーが。
「お前は相手の動きを予測出来ても、相手はお前の動きを予測出来ないんだよ。だからお前と組んだシュリ―はダンスが踊れない」
いや、ちょっと待て。
「じゃあヴェイナーとのダンスは諦めろって事か?」
「本格的なダンスは無理だな。初心者がやるような遊び半分のダンスでいいなら、イケるかもしれんが」
それでもいい。生誕祭で踊るのは本格的なダンスだけじゃねーんだ。千鳥足で踊る酔っ払いもいれば、はしゃぎ回ってデタラメに踊る子供もいる。所詮はギルドの生誕祭だからな。
「よし。それで行こう」
決意は固まった。お気楽なダンスとして、軽いノリで誘うしかない。
「しっかしなぁ、リズム感が無い事に、どうして今まで気付かなかったんだ? 小さい頃なんか、子供同士で普通に踊ったりしただろう?」
俺は何故か知らんがハッとして、遠い昔の事を思い出していった。確かあれは、どこかの家のパーティに招かれた時だ。
曲に合わせて集団で踊っていた俺は、右に動くべきタイミングで左に動いて、エイミーちゃんとぶつかった。すると、よろけたエイミーちゃんがテーブルクロスを掴んで料理が散乱して、楽しいパーティーが一転して阿鼻叫喚の――。
「うっ! 頭がっ!」
俺のスピリット君がマジ顔で「思い出すな! 忘れろ! 忘れろ!」と暗示を掛けてきた。これ以上は深く考えてはいけない気がする。
とにかく俺は、ヴェイナーと踊る事だけを考えるようにした。リズム感がなくても何とかなるさ。「リンは本番に強い男だよ」ってばっちゃが言ってたからな。
さあ、やるぜ!
△
「あははははは!」
「さっきから笑い過ぎだろが!」
「だってさぁ、何よあのタコ踊りは! あはははは!」
最悪だ。リズムを気にし過ぎて酷い踊りになってしまった。
「そんなに笑うほど酷かったのかよ?」
「そうねぇ。例えるなら、ティリアちゃんの料理レベルって感じ?」
「絶望的じゃねぇか!?」
終わったわ。
「こんなに笑ったの久しぶり。楽しかったわリンドル」
「……」
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