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高級魚でも、釣り人にはなじみの魚
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船釣り。足が踏みしめるのは船のしっかりとした甲板だが、その船は水の上に浮いているので、波に揺られて船が揺れ、その結果。
「気持ち悪い・・・」
船酔いである。
上下、縦、横、あらゆる方向に揺さぶられ、三半規管が大変な事になっている。
「酔い止め飲んだんだろ?」
「飲んだんですけどね・・・おえっ」
酔い止めバンドなるものも貸してもらった。手首から指3本肘よりのあたりにツボがあり、そこにでっぱりを当てるようにしてバンドを巻くのだが、それでも酔う。
遠くの方を見ろとよく言うが、釣りをするのに、手元を見ないでできるわけもない。
「まあ、あれだ。酔い易い者は何をしても酔う。慣れるしか無いな」
北倉さんの無常な言葉を絶望的な気分で聞いて、僕は、死にそうな気持になった。
だが不思議なもので、どれだけ気持ち悪くても、釣る合間に戻しまくってても、釣りをやめようとは思わないのだ。
「ヒラメ・・・今日は、ヒラメを・・・ウプッ」
今日は船釣りで、ヒラメ狙いだ。家族からも是非釣って来いとはっぱをかけられた。
「ヒラメもカワハギも冬が美味いんだけどな。でも、夏だってやっぱり美味い。今日は活き餌を使った泳がせ釣りだぞ。まあ、がんばれ」
「はい。ウプッ」
足元のバケツには、元気な小アジが泳いでいる。これが、エサになる。
糸の先には錘が付いていて、その上40センチくらいのところに、短い糸が2本出ていて、これに針がついており、ここに小アジを刺して付ける。痛いだろうし怖いだろうけど、ごめんな、と心の中で謝っておく。
そして、静かに海に投入。ヒラメは底の方にいるにはいるが、エサに食いつく時は、底よりも少し上だ。常に底取りと言って底の深さを確認しながら船頭さんの指示通りのタナをキープしないと、釣れないだけでなく、底にひっかかってしまって地球を釣り上げる、根がかりになってしまうのだ。
気持ち悪いもクソもない。
「ヒラメが寄って来たら、アジが逃げようと暴れるんだよな。そりゃ、食われそうになってるんだから、逃げるわなあ。それから、ヒラメがつつき出す。用心深いからな。もぞもぞって具合に呑み込んで行くんだけど、飲み込み切る前に合わせたら、バレる。だから、待ってやるんだよ、飲み込むまで」
バレるというのは、逃げられるという事だ。
「待つ・・・」
「よく、ヒラメ40とか、アタリが来てからタバコで一服とか言うのがそれだな。場合によっては送り込んでやってもいい。コツコツってあたりのあと、ググッと入り込んだら合わせだ。グーンと持ち上げるようにかけて、巻いて行く」
「はいーーおえっ」
「・・・お前の当面の敵は、ヒラメじゃなくて船酔いみたいだな」
僕は涙目になりながら、竿先と手に帰って来る反応に集中した。
北倉さん達は、もう何枚もヒラメを上げている。僕は合わせが、早すぎたり遅すぎたりで、なかなか釣果に結び付かない。
「焦ったら釣りはだめだぞ。人生と一緒だなあ」
北倉さんは、のんびりと言いながら、またヒラメをかけたらしい。
クッ、このままでは、ボウズーー釣果ゼロの事だーーになってしまう!
待つ秒数を変えてみたり、完全に手ごたえに頼ってみたり、小アジが弱ったかとチェンジしてみたり。
「学校はどうだった、林間学校」
「楽しかったですよ。ニジマスもちゃんと上手く釣れたし、料理も。教えてもらっといて良かったです。ありがとうございました」
「いやいや。渓流もいいんだけどねえ。やっぱり俺は、海に呼ばれててねえ」
「あ、来た」
もぞもぞ、もぞもぞ・・・そろそろか?あれ?このくらい?
「今!」
北倉さんが言ったと同時に、ガツンと大きな引きが来て、大きくゆっくりと合わせた。
「慌てるなよ、そのまま、そのまま」
「はい!」
やっと来たのに、バラしてはなるものか!取り込みまで、油断禁物!
やがて、びらんという感じでヒラメが上がって来て、大きなタモですくう。
「おお、兄ちゃんでかいな。70あるか?」
「今日一番の大物だなあ」
周りの釣り人達が、口々に言う。
「写真、写真!」
釣り船のホームページに載せるというヒラメを持ち上げている写真を撮り、自分用にと北倉さんもスマホで撮ってくれた。魚はやや前に突き出して撮るのが、写真の作法らしい。
「これはいいぞ、航平。お前が未成年で無かったらなあ。大吟醸、白ワイン、古酒。カアア!」
「何かわかったかも。合わせのタイミング」
「よし。バンバン行こう!」
「はい!何て言うか、セオリーじゃないんですね。そのヒラメにもよると言うか」
「当然。生き物なんだからさ、俺も、お前も、魚も」
釣ったショックなのかわからないが、酔いも克服したようだった。
今日もまた、北倉さんの家で祝宴だ。
ウロコを取るのだが、針金たわしで、ガシガシとこする。すると、本当に小さいのが取れていく。
「へえ。ヒラメのウロコって小さいんだあ」
「カレイもな。
あ。ヒラメとカレイはわかるよな」
「左ヒラメに右カレイですよね。目の位置が・・・あれ?右とか左って?基準というか・・・」
混乱してきた。向きを変えたら、どっちにもなるんじゃないか?
「腹を手前にして、目が右か左かだよ」
「ああ、腹を手前に」
「タイとかアジとかみたいな魚は、2枚おろしか3枚おろしかだけど、カレイやヒラメは5枚なんだ」
「5。1枚は背骨としても、後4?」
はて。
「上側の身、下側の身、それぞれを上下に分けるんだよ」
言いながら、包丁を背びれ腹びれに沿って入れていく。そして、背骨にも沿って入れていく。次に、頭の方から包丁を少しずつ入れて、左手で身を持ち上げるようにしながら、肋骨から外すように剥がしていき、エラのあたりで分離させる。これを、表の上下、裏の上下とやる。
「おお、5枚だ」
「刺身にするから皮も引いて、と」
皮を下にして、包丁を皮と身の間に入れて角度に注意しながら、左手で皮を掴んで揺するようにしながら引っ張っていく。
上身のできあがりだ。
これを薄造りにして並べると、刺身の完成だ。半分は昆布締めにした。
そして、小さめのものは唐揚げにしてあんかけだ。
「いただきます!--ううう、美味しい!!もちもちしてて、甘い!」
「そうだろ、そうだろ」
「高級魚なのに、こんなに一杯」
「高級魚と言われてる魚も、釣り人にとっちゃあありふれた魚ってのは珍しくないからな。反対に、スーパーとかで値段を見て驚く事も少なくないなあ。ま、評価なんてそんな程度のもんだ」
「師匠、僕、付いて行きます!」
「おう!」
僕達は上機嫌で、ヒラメとアジに感謝して、舌鼓を打った。
『昆布締め』
昆布を酒で拭いてしっとりとさせ、刺身を並べて昆布でサンドする。他の白身
の魚でも、野菜でも美味しくできるし、挟んで置いておく時間で風味が変わる
ので、好みの時間を探すのがおすすめ。
『あんかけ』
内臓を取ったヒラメに片栗粉を付けてじっくりと揚げる。そこに、人参、ピー
マン、竹の子、きくらげ、玉ねぎなどを甘酢炒めにして水溶き片栗粉でとろみ
をつけたものをかける。
『刺身』
薄造りだけでなく、厚いのやぶつ切りなど、厚みが変わればまた変わるので、
いろいろしてみると楽しい。
「気持ち悪い・・・」
船酔いである。
上下、縦、横、あらゆる方向に揺さぶられ、三半規管が大変な事になっている。
「酔い止め飲んだんだろ?」
「飲んだんですけどね・・・おえっ」
酔い止めバンドなるものも貸してもらった。手首から指3本肘よりのあたりにツボがあり、そこにでっぱりを当てるようにしてバンドを巻くのだが、それでも酔う。
遠くの方を見ろとよく言うが、釣りをするのに、手元を見ないでできるわけもない。
「まあ、あれだ。酔い易い者は何をしても酔う。慣れるしか無いな」
北倉さんの無常な言葉を絶望的な気分で聞いて、僕は、死にそうな気持になった。
だが不思議なもので、どれだけ気持ち悪くても、釣る合間に戻しまくってても、釣りをやめようとは思わないのだ。
「ヒラメ・・・今日は、ヒラメを・・・ウプッ」
今日は船釣りで、ヒラメ狙いだ。家族からも是非釣って来いとはっぱをかけられた。
「ヒラメもカワハギも冬が美味いんだけどな。でも、夏だってやっぱり美味い。今日は活き餌を使った泳がせ釣りだぞ。まあ、がんばれ」
「はい。ウプッ」
足元のバケツには、元気な小アジが泳いでいる。これが、エサになる。
糸の先には錘が付いていて、その上40センチくらいのところに、短い糸が2本出ていて、これに針がついており、ここに小アジを刺して付ける。痛いだろうし怖いだろうけど、ごめんな、と心の中で謝っておく。
そして、静かに海に投入。ヒラメは底の方にいるにはいるが、エサに食いつく時は、底よりも少し上だ。常に底取りと言って底の深さを確認しながら船頭さんの指示通りのタナをキープしないと、釣れないだけでなく、底にひっかかってしまって地球を釣り上げる、根がかりになってしまうのだ。
気持ち悪いもクソもない。
「ヒラメが寄って来たら、アジが逃げようと暴れるんだよな。そりゃ、食われそうになってるんだから、逃げるわなあ。それから、ヒラメがつつき出す。用心深いからな。もぞもぞって具合に呑み込んで行くんだけど、飲み込み切る前に合わせたら、バレる。だから、待ってやるんだよ、飲み込むまで」
バレるというのは、逃げられるという事だ。
「待つ・・・」
「よく、ヒラメ40とか、アタリが来てからタバコで一服とか言うのがそれだな。場合によっては送り込んでやってもいい。コツコツってあたりのあと、ググッと入り込んだら合わせだ。グーンと持ち上げるようにかけて、巻いて行く」
「はいーーおえっ」
「・・・お前の当面の敵は、ヒラメじゃなくて船酔いみたいだな」
僕は涙目になりながら、竿先と手に帰って来る反応に集中した。
北倉さん達は、もう何枚もヒラメを上げている。僕は合わせが、早すぎたり遅すぎたりで、なかなか釣果に結び付かない。
「焦ったら釣りはだめだぞ。人生と一緒だなあ」
北倉さんは、のんびりと言いながら、またヒラメをかけたらしい。
クッ、このままでは、ボウズーー釣果ゼロの事だーーになってしまう!
待つ秒数を変えてみたり、完全に手ごたえに頼ってみたり、小アジが弱ったかとチェンジしてみたり。
「学校はどうだった、林間学校」
「楽しかったですよ。ニジマスもちゃんと上手く釣れたし、料理も。教えてもらっといて良かったです。ありがとうございました」
「いやいや。渓流もいいんだけどねえ。やっぱり俺は、海に呼ばれててねえ」
「あ、来た」
もぞもぞ、もぞもぞ・・・そろそろか?あれ?このくらい?
「今!」
北倉さんが言ったと同時に、ガツンと大きな引きが来て、大きくゆっくりと合わせた。
「慌てるなよ、そのまま、そのまま」
「はい!」
やっと来たのに、バラしてはなるものか!取り込みまで、油断禁物!
やがて、びらんという感じでヒラメが上がって来て、大きなタモですくう。
「おお、兄ちゃんでかいな。70あるか?」
「今日一番の大物だなあ」
周りの釣り人達が、口々に言う。
「写真、写真!」
釣り船のホームページに載せるというヒラメを持ち上げている写真を撮り、自分用にと北倉さんもスマホで撮ってくれた。魚はやや前に突き出して撮るのが、写真の作法らしい。
「これはいいぞ、航平。お前が未成年で無かったらなあ。大吟醸、白ワイン、古酒。カアア!」
「何かわかったかも。合わせのタイミング」
「よし。バンバン行こう!」
「はい!何て言うか、セオリーじゃないんですね。そのヒラメにもよると言うか」
「当然。生き物なんだからさ、俺も、お前も、魚も」
釣ったショックなのかわからないが、酔いも克服したようだった。
今日もまた、北倉さんの家で祝宴だ。
ウロコを取るのだが、針金たわしで、ガシガシとこする。すると、本当に小さいのが取れていく。
「へえ。ヒラメのウロコって小さいんだあ」
「カレイもな。
あ。ヒラメとカレイはわかるよな」
「左ヒラメに右カレイですよね。目の位置が・・・あれ?右とか左って?基準というか・・・」
混乱してきた。向きを変えたら、どっちにもなるんじゃないか?
「腹を手前にして、目が右か左かだよ」
「ああ、腹を手前に」
「タイとかアジとかみたいな魚は、2枚おろしか3枚おろしかだけど、カレイやヒラメは5枚なんだ」
「5。1枚は背骨としても、後4?」
はて。
「上側の身、下側の身、それぞれを上下に分けるんだよ」
言いながら、包丁を背びれ腹びれに沿って入れていく。そして、背骨にも沿って入れていく。次に、頭の方から包丁を少しずつ入れて、左手で身を持ち上げるようにしながら、肋骨から外すように剥がしていき、エラのあたりで分離させる。これを、表の上下、裏の上下とやる。
「おお、5枚だ」
「刺身にするから皮も引いて、と」
皮を下にして、包丁を皮と身の間に入れて角度に注意しながら、左手で皮を掴んで揺するようにしながら引っ張っていく。
上身のできあがりだ。
これを薄造りにして並べると、刺身の完成だ。半分は昆布締めにした。
そして、小さめのものは唐揚げにしてあんかけだ。
「いただきます!--ううう、美味しい!!もちもちしてて、甘い!」
「そうだろ、そうだろ」
「高級魚なのに、こんなに一杯」
「高級魚と言われてる魚も、釣り人にとっちゃあありふれた魚ってのは珍しくないからな。反対に、スーパーとかで値段を見て驚く事も少なくないなあ。ま、評価なんてそんな程度のもんだ」
「師匠、僕、付いて行きます!」
「おう!」
僕達は上機嫌で、ヒラメとアジに感謝して、舌鼓を打った。
『昆布締め』
昆布を酒で拭いてしっとりとさせ、刺身を並べて昆布でサンドする。他の白身
の魚でも、野菜でも美味しくできるし、挟んで置いておく時間で風味が変わる
ので、好みの時間を探すのがおすすめ。
『あんかけ』
内臓を取ったヒラメに片栗粉を付けてじっくりと揚げる。そこに、人参、ピー
マン、竹の子、きくらげ、玉ねぎなどを甘酢炒めにして水溶き片栗粉でとろみ
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