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角煮と照り焼き
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地下室へ持ち込んだペットにエサをやり、植物に水をやり、重さ長さなどの記録を取ると、俺は魔術について考えた。
火、水、風、石を飛ばす魔術と、浄化の魔術は覚えた。
そしてそれらを比較、分解し、どの部分が「火」などにあたるのか、どの部分が大きさを示すのかを掴んだ。そしてカンと推測で、氷を飛ばす事に成功した。
「これはおもしろいな!わはは!豪華に焼かれるがいい!テリヤキソースをかぶって!」
調子に乗った俺は豚にソースをぶっかけて魔術で火を放ち、
「あ……」
起立性めまいに似たものを起こし、倒れた。
俺はテーブルの上に乗った豚の角煮を見ていた。
柔らかそうで、よく味が染み込んでいそうないい色と照りをしている身と脂身の層がなんとも美味しそうだ。
「いただきます!」
俺は箸を手に、嬉々として角煮に手を伸ばした。
が、しつこく俺を呼ぶ声に気付いた。
「シュウ!シュウってば!」
振り返ると、チサがいた。
「何だ、チサか。チサも食べるか?」
「しっかりして!」
「救急車を呼んだ方がいいんじゃないか?」
ハルの声までする。
いたのか、とそちらへ体を向けようとして、気が付いた。
「チサ?ハル?」
夢だったらしい。俺は地下室に寝転び、チサとハルが俺を覗き込んでいた。横を向くと、水槽の中の金魚と目が合った。
俺は心配そうにするのを手で制して体を起こした。
「起き上がって大丈夫か?救急車を呼んだ方がいいんじゃないか?」
言うハルに、チサが安堵の溜め息をつきながら言う。
「大丈夫でしょ。どうせ観察だか検証だかに熱中して、徹夜したとか食事を忘れたとかでしょお?」
「よくわかったな。貧血みたいになって倒れたみたいだ。いやあ、この中じゃなかったら、魔物に喰われてるところだったな」
俺が言うと、ハルはギョッとした顔をしたが、チサはやっぱりという顔で苦笑した。
「それで豚にテリヤキソースをかけて火を点けたんだけど」
言いながら壁の外を覗くと、魔石が転がっていた。
ポークステーキを食べ損ねたらしい。
「丸のままの豚にソースをかけて焼いてもだめよお」
「まあな。たぶんそうだとは思ったけどな」
「食べたかったのかしらあ?」
「角煮が食べたかったけど、作り方がわからないし、ネットで調べたら時間がかかりそうだし、焼くかって思って」
言うと、チサは肩を竦めて立ち上がり、
「言えば作りに来てあげたのにぃ。
圧力鍋があればいいんだけど……まあ、別にいいわ」
と言いながら、キッチンへと向かう。
その後に俺とハルは続いた。
「ところでシュウ。本当に大丈夫なのか?」
ハルの心配性は大概だ。大雑把なところのあるイオと足して二で割ればちょうどいい。
「大丈夫だよ。たぶん。
ところでハルもチサも、どうしたんだ?潜るのは今日じゃないけど、ストレス発散か?食料事情か?実験か?」
「シュウじゃあるまいし、実験は無いよ」
ハルが嘆息して言うと、チサはころころと笑った。
チサが角煮の鍋を火にかけ、俺達はコーヒーを淹れてテーブルに座った。
「実は、お願いがあって」
ハルがこの世の終わりみたいな顔付きで口を開いた。
「どうしたんだ」
まさか、残るバイトもクビになったとかか?なけなしの有り金の入ったサイフを落としたのか。
俺が色々と考える先で、ハルは頭を下げた。
「実は、物凄く経済的にピンチで。魔石とかが売れたら返すから、貸してもらえないか。それか、僕の分をいくらかどこかに売って欲しい。頼む」
予測範囲内だが、理由が不明だ。
「どうしたんだよ」
「ラーメン屋のバイトはバイト代の支払い前に店が潰れてオーナー一家が夜逃げしちゃって、居酒屋のバイトは若くて見栄えのいいイケメンと若くてかわいい女の子で揃えるとかでクビになっちゃって、コンビニのバイトはコンビニが放火されて焼けたからバイトが無くなっちゃって。
なのに、貯金するほど余裕もなかったから……恥ずかしい話だけど……」
俺とチサは、目を丸くしてハルを見た。
どこまで不運なやつだ。
「バカだなあ、ハル。友達だろ。それに同じ無職仲間じゃないか」
「ごめん。売れるようになったらすぐに返すから」
ハルは半分ホッとしたように言った。
「近いうちにダンジョン関連の色々が決まって、売れるから。気にするな。
ああ。この先もダンジョンへ潜るんだな?だったら、免許とか武器とかも立て替えるし、家賃とかもいるんじゃないか?」
「ねえ、シュウ。今ならまだダンジョン産出物が少ないし、高値で売れるんじゃないかしらあ。皆も今そこそこ売って、いい防具や武器を考えた方がいいんじゃないかしらあ」
チサが小首を傾げて言う。
「確かに今はぼろ儲けもできるだろうな。少ない産出物を、研究施設で取り合ってるんだから。政府の買い取り価格がそれより高いとは思えないし、同じとも思えない。
なのに諸々が決まってしまえば、産出物は国に売るしかできなくなるしな」
チャンスは今だ。
かと言って、今徹底的に売って儲けるのはどうかとも思うが。
「イオにも訊いてみるけど、確かにある程度は高値で売れる今売っておきたいかな。
でも、あの会社は嫌だ。話は持って行きやすいけど、嫌だからな」
それでイオにも連絡し、今夜、夕食がてら相談することになった。
火、水、風、石を飛ばす魔術と、浄化の魔術は覚えた。
そしてそれらを比較、分解し、どの部分が「火」などにあたるのか、どの部分が大きさを示すのかを掴んだ。そしてカンと推測で、氷を飛ばす事に成功した。
「これはおもしろいな!わはは!豪華に焼かれるがいい!テリヤキソースをかぶって!」
調子に乗った俺は豚にソースをぶっかけて魔術で火を放ち、
「あ……」
起立性めまいに似たものを起こし、倒れた。
俺はテーブルの上に乗った豚の角煮を見ていた。
柔らかそうで、よく味が染み込んでいそうないい色と照りをしている身と脂身の層がなんとも美味しそうだ。
「いただきます!」
俺は箸を手に、嬉々として角煮に手を伸ばした。
が、しつこく俺を呼ぶ声に気付いた。
「シュウ!シュウってば!」
振り返ると、チサがいた。
「何だ、チサか。チサも食べるか?」
「しっかりして!」
「救急車を呼んだ方がいいんじゃないか?」
ハルの声までする。
いたのか、とそちらへ体を向けようとして、気が付いた。
「チサ?ハル?」
夢だったらしい。俺は地下室に寝転び、チサとハルが俺を覗き込んでいた。横を向くと、水槽の中の金魚と目が合った。
俺は心配そうにするのを手で制して体を起こした。
「起き上がって大丈夫か?救急車を呼んだ方がいいんじゃないか?」
言うハルに、チサが安堵の溜め息をつきながら言う。
「大丈夫でしょ。どうせ観察だか検証だかに熱中して、徹夜したとか食事を忘れたとかでしょお?」
「よくわかったな。貧血みたいになって倒れたみたいだ。いやあ、この中じゃなかったら、魔物に喰われてるところだったな」
俺が言うと、ハルはギョッとした顔をしたが、チサはやっぱりという顔で苦笑した。
「それで豚にテリヤキソースをかけて火を点けたんだけど」
言いながら壁の外を覗くと、魔石が転がっていた。
ポークステーキを食べ損ねたらしい。
「丸のままの豚にソースをかけて焼いてもだめよお」
「まあな。たぶんそうだとは思ったけどな」
「食べたかったのかしらあ?」
「角煮が食べたかったけど、作り方がわからないし、ネットで調べたら時間がかかりそうだし、焼くかって思って」
言うと、チサは肩を竦めて立ち上がり、
「言えば作りに来てあげたのにぃ。
圧力鍋があればいいんだけど……まあ、別にいいわ」
と言いながら、キッチンへと向かう。
その後に俺とハルは続いた。
「ところでシュウ。本当に大丈夫なのか?」
ハルの心配性は大概だ。大雑把なところのあるイオと足して二で割ればちょうどいい。
「大丈夫だよ。たぶん。
ところでハルもチサも、どうしたんだ?潜るのは今日じゃないけど、ストレス発散か?食料事情か?実験か?」
「シュウじゃあるまいし、実験は無いよ」
ハルが嘆息して言うと、チサはころころと笑った。
チサが角煮の鍋を火にかけ、俺達はコーヒーを淹れてテーブルに座った。
「実は、お願いがあって」
ハルがこの世の終わりみたいな顔付きで口を開いた。
「どうしたんだ」
まさか、残るバイトもクビになったとかか?なけなしの有り金の入ったサイフを落としたのか。
俺が色々と考える先で、ハルは頭を下げた。
「実は、物凄く経済的にピンチで。魔石とかが売れたら返すから、貸してもらえないか。それか、僕の分をいくらかどこかに売って欲しい。頼む」
予測範囲内だが、理由が不明だ。
「どうしたんだよ」
「ラーメン屋のバイトはバイト代の支払い前に店が潰れてオーナー一家が夜逃げしちゃって、居酒屋のバイトは若くて見栄えのいいイケメンと若くてかわいい女の子で揃えるとかでクビになっちゃって、コンビニのバイトはコンビニが放火されて焼けたからバイトが無くなっちゃって。
なのに、貯金するほど余裕もなかったから……恥ずかしい話だけど……」
俺とチサは、目を丸くしてハルを見た。
どこまで不運なやつだ。
「バカだなあ、ハル。友達だろ。それに同じ無職仲間じゃないか」
「ごめん。売れるようになったらすぐに返すから」
ハルは半分ホッとしたように言った。
「近いうちにダンジョン関連の色々が決まって、売れるから。気にするな。
ああ。この先もダンジョンへ潜るんだな?だったら、免許とか武器とかも立て替えるし、家賃とかもいるんじゃないか?」
「ねえ、シュウ。今ならまだダンジョン産出物が少ないし、高値で売れるんじゃないかしらあ。皆も今そこそこ売って、いい防具や武器を考えた方がいいんじゃないかしらあ」
チサが小首を傾げて言う。
「確かに今はぼろ儲けもできるだろうな。少ない産出物を、研究施設で取り合ってるんだから。政府の買い取り価格がそれより高いとは思えないし、同じとも思えない。
なのに諸々が決まってしまえば、産出物は国に売るしかできなくなるしな」
チャンスは今だ。
かと言って、今徹底的に売って儲けるのはどうかとも思うが。
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