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強盗強要(1)目撃
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コンサートが終了し、客を無事に駅の方へと誘導して、手伝いに駆り出されていた別室の業務は終わった。
「若いなあ、皆」
飛び跳ね、声援という絶叫を繰り返し、入り口へ走ってアイドルのお見送りをした観客達に、涼真は遠い目を送った。
それに、悠花が吹き出した。
「若いって。涼真君も同じ年代じゃないですか。
コンサートや舞台の後ってこんなものですよ。興奮して」
しかし湊は思った。
(それによるだろ)
同じ出待ちでも、歌舞伎やクラシックコンサートでは、少し違う。宝塚も、歌舞伎寄りだ。
「缶コーヒーでも飲む?」
雅美が言うのに、涼真が手を上げた。
「あ、ボク行ってきます。ちょっと歩いてほぐして来たい」
「あ、私も行きます!」
悠花が言って、2人は自動販売機目指して歩き出した。
ロビーの自動販売医は軒並み売り切れで、2人は外へ出た。角を曲がった所にあるのを見ていたのだ。
「私はイチゴヨーグルトにしようっと」
「じゃあボクは、コーヒーの微糖。
湊はブラックだな」
「雅美さんはミルクティーよね」
取り出し口から商品を取り出した2人は、急ブレーキの音に、横道を覗き込んだ。
路上に車が1台停まっており、そばに、鞄を抱えた中年の男が倒れていた。そして、その人物のそばに青年が立って覗き込んでいた。
「事故?」
「大丈夫ですかあ?」
涼真と悠花が声をかけて近付いて行くと、青年はぎょっとしたように顔を向けた。
倒れていた男は後頭部を押さえて、
「いきなり殴られて」
と言い、涼真と悠花は、
「は? 事故じゃないんですか?」
と訊き返した。
青年を反射的に振り返ると、青年は男の鞄を奪った。
「え」
「ご、強盗!?」
「返せ!」
「大人しくしてくれ!」
各々の声が入り乱れる。
青年は泣きそうな顔で、悠花にナイフを押し当てた。
「すみません、でも、こうしないと」
言って、青年は悠花を羽交い絞めにしたまま車に乗る。
涼真は飲み物を男に押し付けて、動き始めようとしている車に飛び乗った。
「ええー!? 涼真君、何で!?」
「えっと、何となく?」
犯人の青年は困ったような顔をして、とにかく車をそこから遠ざけた。
湊と雅美は、なかなか帰らない2人を探しに行こうかと考え始めていた。
その時急ブレーキの音がした。
「まさか」
急いで音の方へ行く。
すると、座り込んでいる男が、走り出す車を見送っていた。
「どうしましたか?」
言いながら、男が、ブラックコーヒーと微糖コーヒーとミルクティーといちごヨーグルトの飲み物を抱えているのに気付いた。
「殴られて、鞄を取られて。それで、若い女の子が人質にされて、連れの男の子が一緒に乗って……あれ。何でだ?」
男は混乱しているようだ。
しかし、その「男の子と女の子」が、涼真と悠花であると、すぐに気付いた。
「警察に」
男に言い置いて、湊と雅美は、社用車に飛び乗った。
「この道は真っすぐよ。飛ばせば追いつくわ」
「待ってくれ! 私も行こう!」
男も乗り込んで来る。
「ああ。俺が買いに行けば良かった」
雅美はクスリと笑い、アクセルを踏み込んだ。
「若いなあ、皆」
飛び跳ね、声援という絶叫を繰り返し、入り口へ走ってアイドルのお見送りをした観客達に、涼真は遠い目を送った。
それに、悠花が吹き出した。
「若いって。涼真君も同じ年代じゃないですか。
コンサートや舞台の後ってこんなものですよ。興奮して」
しかし湊は思った。
(それによるだろ)
同じ出待ちでも、歌舞伎やクラシックコンサートでは、少し違う。宝塚も、歌舞伎寄りだ。
「缶コーヒーでも飲む?」
雅美が言うのに、涼真が手を上げた。
「あ、ボク行ってきます。ちょっと歩いてほぐして来たい」
「あ、私も行きます!」
悠花が言って、2人は自動販売機目指して歩き出した。
ロビーの自動販売医は軒並み売り切れで、2人は外へ出た。角を曲がった所にあるのを見ていたのだ。
「私はイチゴヨーグルトにしようっと」
「じゃあボクは、コーヒーの微糖。
湊はブラックだな」
「雅美さんはミルクティーよね」
取り出し口から商品を取り出した2人は、急ブレーキの音に、横道を覗き込んだ。
路上に車が1台停まっており、そばに、鞄を抱えた中年の男が倒れていた。そして、その人物のそばに青年が立って覗き込んでいた。
「事故?」
「大丈夫ですかあ?」
涼真と悠花が声をかけて近付いて行くと、青年はぎょっとしたように顔を向けた。
倒れていた男は後頭部を押さえて、
「いきなり殴られて」
と言い、涼真と悠花は、
「は? 事故じゃないんですか?」
と訊き返した。
青年を反射的に振り返ると、青年は男の鞄を奪った。
「え」
「ご、強盗!?」
「返せ!」
「大人しくしてくれ!」
各々の声が入り乱れる。
青年は泣きそうな顔で、悠花にナイフを押し当てた。
「すみません、でも、こうしないと」
言って、青年は悠花を羽交い絞めにしたまま車に乗る。
涼真は飲み物を男に押し付けて、動き始めようとしている車に飛び乗った。
「ええー!? 涼真君、何で!?」
「えっと、何となく?」
犯人の青年は困ったような顔をして、とにかく車をそこから遠ざけた。
湊と雅美は、なかなか帰らない2人を探しに行こうかと考え始めていた。
その時急ブレーキの音がした。
「まさか」
急いで音の方へ行く。
すると、座り込んでいる男が、走り出す車を見送っていた。
「どうしましたか?」
言いながら、男が、ブラックコーヒーと微糖コーヒーとミルクティーといちごヨーグルトの飲み物を抱えているのに気付いた。
「殴られて、鞄を取られて。それで、若い女の子が人質にされて、連れの男の子が一緒に乗って……あれ。何でだ?」
男は混乱しているようだ。
しかし、その「男の子と女の子」が、涼真と悠花であると、すぐに気付いた。
「警察に」
男に言い置いて、湊と雅美は、社用車に飛び乗った。
「この道は真っすぐよ。飛ばせば追いつくわ」
「待ってくれ! 私も行こう!」
男も乗り込んで来る。
「ああ。俺が買いに行けば良かった」
雅美はクスリと笑い、アクセルを踏み込んだ。
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