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水戸への旅(1)弘道館
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祐磨、浜崎、慶仁は、熱い茶を飲んでいた。
「水戸ですか」
突然出て来た言葉に、慶仁は首を傾げた。
「ああ。武者修行だ。強くなりたいと言っていただろう」
竹下の怪我は順調らしいが、まだ、不自由しているだろう。
「弘道館。文武不岐を掲げ、馬術、兵術、剣道などの武術の他、天文、医術、算学、儒学などの学問も両方を大切にしている水戸の藩校だよ。どうだろう」
「行きたいです!」
「そうか」
祐磨と浜崎は、頷いて笑った。
「あ。哲之助も行きたいかな」
「そうだな。哲之助も良ければ、是非誘ってみるといいね」
「ちょっと、行って来ます!」
すっ飛んで行く慶仁に祐磨と浜崎は目を細めるが、十分に離れた所で表情を引き締めた。
「さて。問題は道中か」
「今、手の者に熊沢一派について探らせている。今のところわかっているのは、熊沢には子供があと三人いて、まだ誰が継嗣か決まっていないということだな」
「では、襲って来たのはその内のどれかの一派ですか」
「どうも、長男臭い。二男、三男は相手にもしていないようで、慶仁が唯一まずい相手だと思ったんだろうなあ。まあ、この前の襲撃で竹下殿がケガをしただろう。それで、ちょっかいが公になり始めて、目立つ真似はよろしくないと、長男も自重気味ってわけらしい。
行くなら今だな」
「急がせましょう」
祐磨と浜崎で相談が進み、慶仁と哲之助の水戸行きの話は、急速に進んだのだった。
一八五七年に本開館式があったばかりの、日本で最も大きな藩校で、影響を受けた偉人も多い。
十五歳になると家塾の教師が保証人となって入学願いを提出し、試験を受けて、合格すれば入学が許可された。生涯教育を原則とし、卒業はなし。四十歳以上は通学が任意となる。
また、身分別に毎月の最低出席日数が決まっており、高い身分の者ほど、それが多い。
月に二回の試文の試験の他に年一回の文武大試験があり、成績優秀者は表彰を受ける。
急遽二人は試験の手続きをし、試験勉強をする事になった。
学ぶ為に、まずは入学試験に合格しなければ話にならない。ドキドキ、ワクワクしながらも、プレッシャーを重く感じる二人だった。
「入学試験は、論語や孝経などから出題される購読だ」
浜崎お勧めの教師が来て、勉学の程度を計られ、試験勉強を行う。
そして早春。二人は水戸へと出立したのだった。
「水戸ですか」
突然出て来た言葉に、慶仁は首を傾げた。
「ああ。武者修行だ。強くなりたいと言っていただろう」
竹下の怪我は順調らしいが、まだ、不自由しているだろう。
「弘道館。文武不岐を掲げ、馬術、兵術、剣道などの武術の他、天文、医術、算学、儒学などの学問も両方を大切にしている水戸の藩校だよ。どうだろう」
「行きたいです!」
「そうか」
祐磨と浜崎は、頷いて笑った。
「あ。哲之助も行きたいかな」
「そうだな。哲之助も良ければ、是非誘ってみるといいね」
「ちょっと、行って来ます!」
すっ飛んで行く慶仁に祐磨と浜崎は目を細めるが、十分に離れた所で表情を引き締めた。
「さて。問題は道中か」
「今、手の者に熊沢一派について探らせている。今のところわかっているのは、熊沢には子供があと三人いて、まだ誰が継嗣か決まっていないということだな」
「では、襲って来たのはその内のどれかの一派ですか」
「どうも、長男臭い。二男、三男は相手にもしていないようで、慶仁が唯一まずい相手だと思ったんだろうなあ。まあ、この前の襲撃で竹下殿がケガをしただろう。それで、ちょっかいが公になり始めて、目立つ真似はよろしくないと、長男も自重気味ってわけらしい。
行くなら今だな」
「急がせましょう」
祐磨と浜崎で相談が進み、慶仁と哲之助の水戸行きの話は、急速に進んだのだった。
一八五七年に本開館式があったばかりの、日本で最も大きな藩校で、影響を受けた偉人も多い。
十五歳になると家塾の教師が保証人となって入学願いを提出し、試験を受けて、合格すれば入学が許可された。生涯教育を原則とし、卒業はなし。四十歳以上は通学が任意となる。
また、身分別に毎月の最低出席日数が決まっており、高い身分の者ほど、それが多い。
月に二回の試文の試験の他に年一回の文武大試験があり、成績優秀者は表彰を受ける。
急遽二人は試験の手続きをし、試験勉強をする事になった。
学ぶ為に、まずは入学試験に合格しなければ話にならない。ドキドキ、ワクワクしながらも、プレッシャーを重く感じる二人だった。
「入学試験は、論語や孝経などから出題される購読だ」
浜崎お勧めの教師が来て、勉学の程度を計られ、試験勉強を行う。
そして早春。二人は水戸へと出立したのだった。
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