転生したら性別までも変わっていて、可愛い妹までいて幸せだけど。まさかの妹が悪役令嬢！？

第１幕

見えない未来

可愛い妹の幸せな未来の為に出来る限りの事をしようと決意したが、何をしたらいいのかと思いつつもキャンディスとアンリの日々仲良くしている姿を目にするようになった。

「カインの妹と最近一緒にいる子可愛いって噂の子だよな。カインも仲良かったりするのか？」

グレンはいつも集まる教室から見える中庭のテラスに座る二人を眺めていた。

「グレンには関係ないだろ」

「紹介して！」

「断る」

「最近は二人の姿をよく見かけるな。キャンディス嬢をとられたとは思わないのかい？」
アベルも窓から二人を見て、読みとれない表情浮かべ

「キャシーが楽しそうならかまわない」

「相変わらずシスコンだよな。アベルも大変だよな婚約者の兄がカインだとさ」
隣にいるアベルの肩をポンポンとグレンはからかうように叩いていた。


「別に大変ではないよ。キャンディス嬢を傷つけない限りカインは何も言わないから」
アベルはカインにそうだろ？と笑み浮かべ。

「キャシーを悲しませるならアベルでも許さないから、覚えておくんだな」

「そういえば、カインとアベルの好みのタイプとかどんな子？」

楽しそうなキャンディスとアンリを微笑ましく眺めながらもグレンは尋ね
「俺はね、笑顔の可愛い子がいいな。可愛いよな二人とも…」

「タイプか、気にしたことはないけど。僕だけを見てくれる子には惹かれるかな」

「好みのタイプは考えた事はない。大事なのは妹だな」

ブレないカインの返答にグレンは笑った。

「なぁなぁ、そういえばクラスメートが同性から告られって言ってたんだけど。同性に告られたらなんて返事する？」

相変わらず馬鹿な事を話すグレンに呆れつつ

「好かれた事に礼を言うが、付き合うとかは出来ないと断るな」

「恋愛感情はよく解らないからと断る。性別は特に考えた事はないな」

断ると二人とも言うが、カインの答えにグレンとアベルは驚き無言で見ていた。

「どうかしたか？恋愛感情なんて冷めたら終わりだろ？家族愛や友愛は冷める事はないから大事だと思うだけだ。婚約者は他人だと思うが婚姻したら家族だから大事にしないといけないと思う。だからアベルのキャシーへの態度も今は許せるが婚姻後も変わらないならアベルでも許さないから覚えておくんだな」

「…えっ、マジ？アベルは将来大変だな」

アベルは何も言わずに苦笑していた。





カインはキャンディスとアンリの性別はどうだったのだろうと考えた、アンリは回帰だから性別は変わらないとして、キャンディスはどっちだったのだろうと考えるも婚約者のアベルに好意を抱いているから前世はともかく、今の恋愛対象は異性なんだろうと聞かずとも理解していた。