転生したら性別までも変わっていて、可愛い妹までいて幸せだけど。まさかの妹が悪役令嬢！？

第１幕

愛を語るには

　カインの婚約は、無事に成立した。
　カインは、アンリから幼馴染も自らの意思で惚薬を飲むと伝え聞き。
　婚約者のディアンナ・ラビッドとの時間を削り２人分の惚薬を急ぎ作り一ヶ月程過ぎた。

「癒しが欲しい」

　カインは作り終えた惚薬をアベルに渡し、後は任せて癒し欲しさに婚約者宛に手紙を書きプレゼント用の花も添えて出した。

「ディアンナに癒やされる要素あるか？」

　アベルは学園入学していない者との、密室作りは学園外が望ましいなと思い、学園外で密室を作りやすく人払いが出来る確実な場所のピックアップをしていた。

「ある。ディアは可愛い妖精フェアリーだから」

「愛称呼びの定着早くない？妖精フェアリーって、ディアンナ可愛いけど。そこまでじゃないよな？」

「ディアの可愛いさ否定するのは義兄のグレンでも許せない」

カインは逃げようのない程の岩石をグレンにぶつけようとしていた。

「グレンは学習しないね。カインの溺愛ぶりはキャンディス嬢の時からわかってたよね？」


アベルは被害を受けないように、グレンから距離を取り離れてはいたが、カインが本気でグレンを攻撃しない事はわかっていた。

「やめた。グレンを傷つけたらディアが悲しむ」

岩石を何もなかったかのように消し去り。



「お前の冗談怖すぎだろ？カインが婚約して、ここまで豹変するとは思わなかったんだけどな」

「そう？キャンディス嬢は妹なのに過剰な反応を考えたら、想像ついたと思うよ」

アベルが説明するも納得出来ていない表情をグレンはしていた。

「グレンは気をつけてね？キャンディス嬢を僕が守れず傷負わせたりしたらキャンディス嬢を悲しませない程度に僕を傷つけるって、言われてたから」

「普通の事だ。父様と母様やキャシーを傷つけたらと話している。私も婚約者が出来たからキャシーの事はアベルに任せる」

グレンは頭を抱えた。大事な友達とは言え妹の婚約者で、溺愛ぶりには驚かされていた。

婚約が決まってから、毎週手紙とプレゼントを送られてきていると週末に寮から帰宅すると伝えられ。
カインは、他者に対して優しさはあるが大事な人以外は、己の力を全てかけて守る事をしなかったが。モテていた、婚約の打診もあったと思うが断っていたようで、突然のグレンの妹への婚約申込みに対して、ラビッド家は何かあったのかと、グレンが帰宅する週末に毎回問われていた。

グレンは週明けに、学園内での発言以上にディアンナへの手紙やプレゼントの内容に驚き、カインに尋ねる事にしたが、最近はグレン１人だと理解出来ない事も多々あり、アベルがいる事に安心出来たので一緒にいる時に尋ねた。

「カインは、婚約前にはディアンナの事をそれほど気にしてなかったよな？」

「そうだな。それが、どうかしたか？」

アベルは他人事の為、傍観しつつ何かあればフォローしようと眺めていた。

「お前の執着怖すぎんだけど…。ディアンナが喜んでるから複雑過ぎてんだけど」

「グレンの妹の事は知ってはいたが、会ったら予想以上の好みだっただけだ」

言葉に詰り、言いたい事も言えないグレンにアベルは見かねて話した。

「カインなら、悲しませるような事はしないと思うから安心していいと思うよ」

グレンは大きな溜息を吐きアベルに対し質問を投げかけた。

「アベルは、キャンディス嬢の入学前にどんな贈り物したんだ？」

「華美にならない学園内でもつけれそうなアクセサリーをいくつか贈ったよ」

常識の範囲の贈り物に理解が出来た。カインに呆れた様な視線送り

「婚約した頃なら、手紙と花添えて位なら理解出来た。アクセサリー、リボン、ハンカチ、学園で使えそうなペンとか本当に色々な物を色違いで揃えて贈るってるんだからな！」

「好みの色がわからないから、普通だ」

普通だと言い切るカインに流石にアベルも驚きつつ。

「カインだからと思えばいいと思うよ。ほら、今まで大事な妹なのに僕が贈り物をするのに問題ない程度にしか、してない反動だと思えば問題ないよ」


グレンが振り回されるのは今後も変わらないと日々過ごした。