転生したら性別までも変わっていて、可愛い妹までいて幸せだけど。まさかの妹が悪役令嬢!?

にゃんこ

文字の大きさ
52 / 88
第2幕

想いの確認

しおりを挟む
「私はディアが好き。だが、ディアだとあの女を抱きしめてた…。ディアとキャシー以外の女性には触れたくもないんだ。あの時は違和感あったのにキスを請われ可愛いって思ってた」

「カイン、落ち着いて。ディアンナ嬢と今、会って確認してみるかい?」

「ディアを傷つけたくない」

「そうだね。でも、どこまで魅了されているのか確認も大事な事だよ?魔王アルフレッドの魅了とは違うから」

カインは今会うのは嫌だと拒絶するが、アベルとグレンも一緒にいるから確認したいと言われ了承した。

アベルはグレンにディアンナとキャンディスを連れて来るように頼み、ディアンナにはカインの態度がおかしくても傷つかない様に連れて来がてら説明をしてと伝えてた。

ウィリアムは調べる事があるからとグレンに続き保健室を出ていった。

「辛い選択をさせて、すまないね」

「私は大丈夫だ。ディアが傷つかないなら」



予想以上に早くグレンは2人を連れて戻って来た。

「お兄様、何があったんですの?」
「カイン様、大丈夫ですか?」

何も言わないカインにアベルは予測をし、カインに問う前にディアンナに先に声をかけていた。

「ディアンナ嬢はグレンから説明はされているね?カインに何を言われても傷つかないで欲しい」

「はい、聞いています。大丈夫です」

ディアンナに確認が出来て、アベルがカインに問いかけた。

「カインは今入ってきた2人が誰かわかるかな?」

「キャシーがいる。もう一人はわからない、ディアは?声は聞こえるのにディアがいない。ディアは会いたくない程怒っているのか?」

「カイン様、私はここにいますわ」

ディアンナが声をかけ心配し近づき手に触れようとしたが、その手はカインに振り払らわれた。

「触るな!ディアの声はするのにディアがいない?」

カインは声が聞こえる方を確認するもいないと切なげに言葉にした。

「お兄様!ディアンナ様はここにいますわ」

「どこだ?キャシー。ディアはどこにいる?」

近くにいたキャンディスの手を掴み必死に尋ねた。

「ディアは私に会いたくないのか?ディアに嫌われてしまったのか?」

「カインはディアンナの声はわかるんだよな?いるのに見えて…じゃないな、わからないってことか?」

グレンがディアンナに呼びかけるカインの様子に首を傾げていた。

「見えない事での予想外の魅了だね。カイン、よく見て。今、この部屋に何人いるかな?」

「何人って、4人目の前にいるが。アベル、グレン、キャシーと誰かがいる。そんな事よりもディアは?」

「……カイン様」

ディアンナは声を震わせ泣きそうな声色でカインの名を呟いた。


「泣きそうに私を呼んでる、ディアどこにいる?」

声のする方を見ても解らずに、部屋の外にいるのかとベットから降りて探しに行こうとしたカインをアベルは制止した。

「カイン、駄目だよ。ディアンナ嬢はここにいるよ。グレンの隣にいるよ」

「どこだ?違うディアじゃない、ディアに会いたい触れたい」

混乱し今にも探しに行こうとするカインを、アベルは「ごめんね」と手刀でカインを気絶させた。

「ディアンナ嬢もごめんね。カインは必ず元に戻すから」

アベルは、ディアンナに謝罪をしキャンディスと退室して貰いグレンと2人になった。

「カインは魔力で人の判別をしているんだよね?どうしたら、いいかな…」

「魔王は正常に戻ってきてるんだよな?同じことしたらいいんじゃないか?」

「魔王は婚約者がいると理解しつつあの女に心奪われたんだよ。婚約者を想う気持ちを奪われたから、婚約者の姿絵を見せて、心奪われたが好きな理由は婚約者への想いだったから、それを少しずつ理解させていたんだ」

「カインの状態と違うな。カインは声に違和感あったとか言ってたよな?つまり、カインにとってのディアンナは声はディアンナだけど魔力感知してディアンナと見てるのはあの女ってことか?」

グレンは頭を抱え悩んだ。

「面倒くさい事をしてくれるよ。魔王もカインも婚約者に対する溺愛が強いんだよね。僕やグレンなら、婚約者に悪いけどここまでじゃなかったんたんだけどね?エドワードの場合は惚薬か変に作用してたから無事だったけど」

「魅了も呪いの一種だよな?術師殺せば解呪されたりはしないか?」

「魔王なら、解呪されるかもしれないけど。カインは難しいかもね?」

アベルは意識のないカインを見て解決策に頭を悩ませた。


「カインがディアンナに惚れた切欠を再現して、もう一度ディアンナに惚れてもらうとか?」

「惚れた理由は覚えてないの?僕らだよ、義兄弟になれる。グレンの妹なら性格もいいからシスコンでも受け入れてくれる。見た目も好みだった。会ったら声も好みで会って一目惚れだった、って感じだったよね?」

グレンは思い出し頷いた。

「そんな僕らが、声のディアンナと見た目というか魔力?のあの女に対する態度が異なりすぎると混乱させちゃうと思うんだよね。カインが目覚めたら、ディアンナ嬢への想い語ってもらって、考えよう」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

巻き込まれて異世界召喚? よくわからないけど頑張ります。  〜JKヒロインにおばさん呼ばわりされたけど、28才はお姉さんです〜

トイダノリコ
ファンタジー
会社帰りにJKと一緒に異世界へ――!? 婚活のために「料理の基本」本を買った帰り道、28歳の篠原亜子は、通りすがりの女子高生・星野美咲とともに突然まぶしい光に包まれる。 気がつけばそこは、海と神殿の国〈アズーリア王国〉。 美咲は「聖乙女」として大歓迎される一方、亜子は「予定外に混ざった人」として放置されてしまう。 けれど世界意識(※神?)からのお詫びとして特殊能力を授かった。 食材や魔物の食用可否、毒の有無、調理法までわかるスキル――〈料理眼〉! 「よし、こうなったら食堂でも開いて生きていくしかない!」 港町の小さな店〈潮風亭〉を拠点に、亜子は料理修行と新生活をスタート。 気のいい夫婦、誠実な騎士、皮肉屋の魔法使い、王子様や留学生、眼帯の怪しい男……そして、彼女を慕う男爵令嬢など個性豊かな仲間たちに囲まれて、"聖乙女イベントの裏側”で、静かに、そしてたくましく人生を切り拓く異世界スローライフ開幕。 ――はい。静かに、ひっそり生きていこうと思っていたんです。私も.....(アコ談) *AIと一緒に書いています*

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...