転生したら性別までも変わっていて、可愛い妹までいて幸せだけど。まさかの妹が悪役令嬢!?

にゃんこ

文字の大きさ
58 / 88
第3幕

苦手な物

しおりを挟む
最終学年となり、全学年交流オリエンテーションに最終学年生は無事に終えられら様に一部の生徒は補助の為に動いていた。

アベル達は学園執行部所属の為、アベル、カイン、グレンは巡回を割り当てられていた。

カインの目が見えない為、巡回は危険ではないかとアベルが学園側に掛け合うも、カインの適応能力と実技の優秀さに適任だと言われ、カインにも大丈夫だと言われアベルは交渉に失敗し、交渉の話術の未熟さを痛感した。


アベル、カイン、グレンはそれぞれにエリアを振り当てられ巡回をした。


カインは、普段以上に周りを気にしていたが、前後左右へ感覚を普段以上に研ぎ澄ましていた。

しばらくは、問題なく巡回出来ていて周囲の下級生も特に問題なくオリエンテーションを行っていた。

カインは前後左右を気にして歩いていた為、上空から突然何かが落ちてきて上空を警戒していなかった為の油断だった。

落ちてきた頭の上に落ちたかと思うと、腕に巻きつく感触を感じ取り、声にならない叫んだ。魔力を持たない生物だと位置確認が出来ず、腕から慌てて振り払い体から離れ近寄って欲しくなく辺り一面を一瞬で凍結させ、その場に座り込み震える体を抑え込んでいた。

近くにいた生徒や巡回中の生徒は大きすぎる魔法使用に気づき、近くの生徒のほとんどは何かしらの危機があるのではと回避したが、1番近くにいた1人の生徒がカインに気づき声をかけていた。

アベルは魔法使用者がカインの魔力だと気づき魔力を辿り急ぎ現場に向かった。グレンはカインだと気づくも場所の明確な位置まで辿れず、アベルならいけるはずだと信じその現場に、危険があるのではと逃げるようにしている下級生達の誘導をすることにした。


「大丈夫ですか?」

凍結する中央に震え蹲るカインに近くにいた1人の生徒が声をかけていた。

「聞こえてますか?大丈夫ですか?そっちに言っても大丈夫ですか?」

「……無理」

「落ち着いてください。見た感じ、周りが凍結しているだけです」

「無理。どこかに奴がいるはずだ」

カインは体の震え抑え込んで、声震わせ答えた。

そんな会話をしていると、アベルが到着しカインの異常な態度を見てその場にいた生徒に簡単に説明をして貰い、何も解らなく何かに恐れているカインの側へ行くことにし、近くにいた生徒には他の生徒同様に誘導先に行ってもらうように促した。


「カイン。僕だよ、側に言ってもいいかな?」

アベルが声をかけると、カインに頷かれ側に行くと震えるカインを抱きしめ背中擦って落ち着かせようとした。

「…無理。嫌だ、……助けて」

「大丈夫だよ。辺りは凍結しているから、凍結させたのはカインだよね?落ち着いて、僕も側にいるから」

「…何もいないか?どこかに奴がいるはずだ」

カインは震えが少しずつ治まるも、アベルの服を縋るように握りしめていた。
アベルは、凍結させている中に何かいるのかともう一度辺りを見回し、氷漬けになっている、腕位の太さの蛇を見つけた。

「蛇かな?凍結されてるよ。蛇が苦手なんだね、立てる?ここの凍結解除しないといけないから、ここ離れようね」

カインは立ち上がれなかったので、アベルはカインを背負いその場から離れる事にした。見た感じ蛇は魔力もない害のない普通の蛇に思い、カインにこの場の凍結解除をして貰い、その場を後にした。


アベルは学園側に、巡回中のカインが魔力のない生物に周囲への危機を感じ、魔力感知出来ない為どこにいるのか解らなく範囲凍結で動きを制止したことを告げ、例え優秀でも、目視出来ず魔力感知しか出来ないカインの1人での巡回は今後は拒否すると伝えた。


数日間、カインは寮に籠もり学園に通わなかった。
アベルとグレンは心配になり、アベルが王城に帰る前に、グレンと共にカインの部屋を訪ねた。


カインから、蛇が苦手な事を話され。見えなくても魔力感知で問題なく過ごせていたが、見えない事での害のない蛇一匹に範囲凍結する程の醜態見せた事と、魔力のない人物もいる事も考え、言いづらそうに表情曇らせて。

「こんな私は、アベルの側近になっても迷惑にしかならない。私以外の側近候補を探して欲しい」

「嫌だよ。見えないだけで、カインは優秀な側近になれるって思うからね」

アベルは即答し断るが、カインが気にしているのも解り何か出来る事はないかと考えていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

巻き込まれて異世界召喚? よくわからないけど頑張ります。  〜JKヒロインにおばさん呼ばわりされたけど、28才はお姉さんです〜

トイダノリコ
ファンタジー
会社帰りにJKと一緒に異世界へ――!? 婚活のために「料理の基本」本を買った帰り道、28歳の篠原亜子は、通りすがりの女子高生・星野美咲とともに突然まぶしい光に包まれる。 気がつけばそこは、海と神殿の国〈アズーリア王国〉。 美咲は「聖乙女」として大歓迎される一方、亜子は「予定外に混ざった人」として放置されてしまう。 けれど世界意識(※神?)からのお詫びとして特殊能力を授かった。 食材や魔物の食用可否、毒の有無、調理法までわかるスキル――〈料理眼〉! 「よし、こうなったら食堂でも開いて生きていくしかない!」 港町の小さな店〈潮風亭〉を拠点に、亜子は料理修行と新生活をスタート。 気のいい夫婦、誠実な騎士、皮肉屋の魔法使い、王子様や留学生、眼帯の怪しい男……そして、彼女を慕う男爵令嬢など個性豊かな仲間たちに囲まれて、"聖乙女イベントの裏側”で、静かに、そしてたくましく人生を切り拓く異世界スローライフ開幕。 ――はい。静かに、ひっそり生きていこうと思っていたんです。私も.....(アコ談) *AIと一緒に書いています*

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...