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第3幕

気づかってくれた令嬢

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カインは魔力感知でしか人や生き物の把握出来ない事の克服方法はないかと考えていた。

「…ファーロング様、あの時は大丈夫でしたか?」

馴染みのない声で声をかけられ、声の方を向くと、うろ覚えながらも見知った魔力に合っているかと首を傾げながら尋ねた。

「オリエンテーションの時に声かけてくれた人か?」

「はい、そうです。顔見知りではないのにお声かけてしまいましたが、気になりましたので。今も何かお悩みですか?」

「そうか。あの時は恥ずかしい姿を見せた、忘れて欲しい。悩みという訳ではないが見えない事の不便さを改めて感じたたけだ」

「恥ずかしい姿だなんて思ってませんけど、忘れて欲しいならそうしますね。見えない不便さですか?見えないのに私をあの時に声をかけたって、今、振り向いてから気づきましたよね?見えてるんですか??」

カインは普段なら、親しくもない相手に語る事などしないのだが。不甲斐なさを持っていた為に魔力感知で人の確認をしている事、魔力ない生物だと解らなかった事での魔力のない人もいるから、今後の対策として考えていた事を話した。

「そうなんですか。魔力のない人と対面して話してみて練習したらどうですか?」

「魔力のない知り合いがいない。今は魔力のない人だとわからないから、探すことも出来ない」

「私の兄なら、魔力ないですけど。兄なら相談したら協力してくれると思いますけど?そういえば、私名のってませんでした。2年のアメリア・アードレーです」

カインはアメリアに頼み協力を願おうと思ったが、魔力ない人物の位置確認が出来ない為、1人ではなく信用の出来る人物を連れて行ってもいいか尋ねた。了承を得られた。
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