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第3幕

双子兄妹

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アベルとグレンはカインから、魔力なしの兄を紹介すると言ったアメリア・アードレーの事を聞き、アベルとグレンは顔を見合わせ頷き合い。

「なあ、前にウィリアムの言ってた事は覚えてるよな?」

カインは双子兄妹プレイヤー選択での、攻略対象者が男女という話しの事かと問うと、合っていると言われ。

「学園内に双子兄妹は二組いるんだけど、ウィリアムがユリアーナ王女と親しくしてるって言ってたから、多分双子兄妹の妹の方はアメリア・アードレーだと思う。それと…双子兄妹の兄なんだけどな。確かに魔力はないんだけど、俺は近づくのは反対だよ」

「何故だ?」

「落ち着いて聞いて欲しいんだけど。アンソニー・アードレーはディアンナと同じクラスで、ディアンナは魔力の有る無しで差別もなく接するから、慕われてというか懐かれてる感じで…ディアンナには、カインが不安になるから人物把握の出来ない魔力なしの人とは必要以上に親しくしない様には伝えてるから。そんな人と、カインが会う事になったらディアンナとアンソニー・アードレーも親密になるかもしれないから反対だな」

言いにくそうにしながらも話してくれ、カインは黙り込み何かを考え込んでいた。

「ディアは見えない私の婚約者で幸せになれると思うか?」

「ねえ、また変な方に考えてるよね?俺もアベルも、もちろんカインもなんだけど。婚約相手は政略的な意味あるからね?わかってる?カインがディアを政略結婚以上に想って大事にしてくれるのは嬉しいんだけど、変な方に考えないで!」

カインは言われて忘れていた事実を思い出していた。

「僕もグレンも、婚約者には好感は持ってはいるから。ウィリアムが言っていた攻略対象に婚約者が誘惑されて奪われるのは嫌だし、グレンやカインの婚約者が奪われるのも嫌だよ。だから、魔力なしの人と会って訓練したいなら僕が信頼出来る人を紹介するから」

カインは魔力なしの人の事はアベルに頼む事に決めた。

「アメリア・アードレーはユリアーナ王女と親しくしてるけど、ユリアーナ王女を利用して誰かに会おうとか、ユリアーナ王女を蹴落とそうとは見た感じをしてないから。カインは双子兄妹の兄と会うのはやめてくれたら、アメリア・アードレーと話すことは止めないけど…。前回の魅了の事もあるから気をつけて欲しいんだ」

「わかった。疑問なんだが、回帰者や転生者ではなさそうなのか?」

「多分ね。ユリアーナ王女も転生者だが記憶持ってないんだよね?本人も周りも気づいてないって事もあるかもしれないから、警戒は大事な事だよ。ユリアーナ王女とアメリア・アードレーの会話がユリアーナ王女がグレンの事やウィリアムの事を話していると報告は受けている」

カインは頷き。アメリアは警戒しつつアンソニーには会わない様にすると約束をした。アンソニーの事は魔力感知で判断出来ない為、会わずに避ける事が出来ない事が力不足の不甲斐なさをカインは悔やんでいた。
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