腐男子は神様に願望を叶えてもらいました

ミイ

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番外編

20. 《タジェット×フェル2》

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昨晩の出来事のせいで寝不足気味の今日。

本日は後天性の病気で眼の見えない人を治療する為に公爵様の家を訪れていた。

「ローマン様、体調は如何ですか?」

「ああ、フェンネルか。体調は問題ないよ、いつも通りだ。」

ローマン様は現在34歳の公爵様で数年前に家督を継いだばかりだ。25歳の時にお見合い結婚で2人のお子様に恵まれたが2年前にご病気で目が見えなくなった。そこで奥様が献身的にサポート…と言いたいところだが、ローマン様がこのような状況になった矢先、彼女は離婚届だけを置いてこの屋敷を去ってしまった。そんな身も心も傷ついた彼の唯一の救いは息子2人が彼を心配して身の回りのことを手伝ってくれているということだ。

「フェンネル様、お父様のことを宜しくお願いします。」

「お願いします!」

可愛らしい2人のお子様に頼まれて僕もやる気満々だ。

「はい、勿論です。出来る限り頑張りますね。」

僕は2人にそう告げるとローマン様の目元に手を添えた。

「失礼します、今から魔力を注ぎますので、もし痛みや違和感があったら遠慮なくおっしゃってください。」

「ああ、わかった。」

僕は目の視神経を正常に繋ぐイメージを想像しながら魔力を流していく。昔は医学的知識が全くといってなかった僕だが、この数年医学書を読み漁りこういう時の為に役立てようと対策していた。

「ふぅ…。一先ず、今日の治療は終わりです。今日は包帯を巻いておきますので入浴以外は外さないで下さい。あと無理に目を開けようとしないこと。まだ完全に治ったわけではありませんので今、無理をすれば治療が長引きます。就寝の時は外して頂いても構いませんが、次の日の朝起きる時には再び包帯を巻いて下さい。」

僕は一通り説明を終えると兄様と共に部屋を後にした。




ローマン様はこの世界では珍しく紫色の眼をした人物らしい。それは息子2人には遺伝しなかったらしく僕はまだその瞳を見たことはない。

目が治ったらその瞳を見せてもらおうっと。

そんな邪な思いが顔に出てたのか、すかさず兄様に「フェル、浮気は許さないよ。」と釘を刺された。
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