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番外編
22. 《タジェット×フェル4》
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えっ…?
突然の言葉に彼を振り返って凝視する。しかし、その時すでに僕の脳裏には3人の大事な旦那様の顔が浮かんでいた。
「…ローマン様、お言葉は大変ありがたいのですが私には既に3人の旦那様がいます。なので、これ以上旦那様を増やすことはありません。」
この部屋には兄様も一緒に待機しているのだ、ここでキッパリと断らなければこの後どうなるかは目に見えている。
「この私がここまで頼んでもか?」
「はい、申し訳ありませんがローマン様のご要望にはお応えできません。」
頭を下げた体勢のまま彼からの返答を待つ。
暫くすると「はぁ~…。」という溜息と共に「すまなかった。」と謝罪の声が聞こえた。
「…私は君を手に入れたいばかりに今、貴族としてやってはいけないことをした、考えが浅はかだったな。」
「…ッいえ…。」
彼が言っているのは権力のことだろう。僕もそこそこ高い方だがローマン様には劣る。
「私は…目の見えない時から懸命に治療を施す君に心動かされていた。数週間という短い期間ではあったが君の優しい心根に触れ、心身ともに救われていたのは事実だ。だから目が治った後は私の妻に、そしてこの子達の母にしようと思っていた。しかし、まさか既婚者だったとは…本当にすまない…。」
「「お父様…。」」
落ち込む彼を2人の息子達が心配そうに見上げる。
「フェンネル様、お父様を許してあげて。」
「お父様は僕達の為に…。」
「…はい、分かっています。ですから、先程の事は忘れましょう。私もローマン様のお気持ちだけ有り難く頂戴いたします。ガルバ様、レジン様、お父様はまだ万全ではありません。お二人でローマン様の手助けをして差し上げてくださいね。」
僕の言葉に二人は元気よく「うん!」と頷くとたわいも無い話を始めた。
「ローマン様、私はこれで失礼致します。ご家族を大切になさって下さい。」
「ああ、ありがとうフェンネル。また是非、遊びに来てくれ。」
帰りの馬車内…
「はぁ~…最後はどうなるかと思ったけど治療も上手くいったし、良かったね。」
僕はホッとしたように兄様に話し掛けた。しかし、兄様は浮かない表情をしている。
「…?どうしたの、ジェイ?」
不思議そうに投げ掛けると彼は「…いや、何でもないよ。それより最後はフェルがキチンと断ってくれて良かったよ。」と先程のことを誤魔化すように微笑んだ。
いつもと違う彼の態度に僕は違和感を覚えながらもそれ以上は深追いはせず「…そうだね!」と返し、早く帰宅出来ることを願った。
突然の言葉に彼を振り返って凝視する。しかし、その時すでに僕の脳裏には3人の大事な旦那様の顔が浮かんでいた。
「…ローマン様、お言葉は大変ありがたいのですが私には既に3人の旦那様がいます。なので、これ以上旦那様を増やすことはありません。」
この部屋には兄様も一緒に待機しているのだ、ここでキッパリと断らなければこの後どうなるかは目に見えている。
「この私がここまで頼んでもか?」
「はい、申し訳ありませんがローマン様のご要望にはお応えできません。」
頭を下げた体勢のまま彼からの返答を待つ。
暫くすると「はぁ~…。」という溜息と共に「すまなかった。」と謝罪の声が聞こえた。
「…私は君を手に入れたいばかりに今、貴族としてやってはいけないことをした、考えが浅はかだったな。」
「…ッいえ…。」
彼が言っているのは権力のことだろう。僕もそこそこ高い方だがローマン様には劣る。
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「「お父様…。」」
落ち込む彼を2人の息子達が心配そうに見上げる。
「フェンネル様、お父様を許してあげて。」
「お父様は僕達の為に…。」
「…はい、分かっています。ですから、先程の事は忘れましょう。私もローマン様のお気持ちだけ有り難く頂戴いたします。ガルバ様、レジン様、お父様はまだ万全ではありません。お二人でローマン様の手助けをして差し上げてくださいね。」
僕の言葉に二人は元気よく「うん!」と頷くとたわいも無い話を始めた。
「ローマン様、私はこれで失礼致します。ご家族を大切になさって下さい。」
「ああ、ありがとうフェンネル。また是非、遊びに来てくれ。」
帰りの馬車内…
「はぁ~…最後はどうなるかと思ったけど治療も上手くいったし、良かったね。」
僕はホッとしたように兄様に話し掛けた。しかし、兄様は浮かない表情をしている。
「…?どうしたの、ジェイ?」
不思議そうに投げ掛けると彼は「…いや、何でもないよ。それより最後はフェルがキチンと断ってくれて良かったよ。」と先程のことを誤魔化すように微笑んだ。
いつもと違う彼の態度に僕は違和感を覚えながらもそれ以上は深追いはせず「…そうだね!」と返し、早く帰宅出来ることを願った。
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