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第1章
71. ディル兄様の告白
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タジェット兄様はそれを見た瞬間、
「ディル!」
と叫び、魔力を増幅させた。
「…兄様、怒ってるの?こんなことで怒るなら僕がこれ以上したらもっと怒るかなぁ?」
と笑うと僕にチュッと軽くキスをしてくる。
するとタジェット兄様は無言で僕に近付くとディル兄様と距離を取るように僕を引っ張り、そしてキスの上書きをするかのように僕に口付けてきた。
僕は「(えっ!?えっ!?)」と次々起こる出来事にパニックになる。
「んっ…ふっ…。(ちょっ…待ってー!)」
暫くの間、タジェット兄様とのキスシーンをディル兄様に見られ、さらにタジェット兄様のキスはディル兄様みたいに軽いもんじゃない。それこそ噛み付くようなキスで舌まで入れてくる。
僕がキスの合間に
「…はぁ…んんっ…。」
とくぐもった声を出すと、
「兄様!フェルが苦しがってる!」
とディル兄様は叫び、僕をタジェット兄様から引き剥がした。
ディル兄様は僕がタジェット兄様とディープキスやそれ以上のことをしているとは知らないので僕が苦しがっているように見えたらしい。
「(確かに苦しかったから助かった…。)」
と思いながらグッタリしていると、
「兄様のせいでフェルがこんなんになっちゃったじゃないか!いい加減にしてよ!」
とディル兄様は怒ると僕を抱きかかえて部屋から飛び出した。
「(うわ~!ディル兄様どこ行くのー!?)」
ディル兄様に必死にしがみついていた僕はディル兄様の部屋に着くとゆっくりとベッドに降ろされた。
そのままディル兄様が覆い被さってくる。
「フェル、怖かったよね…?大丈夫だからね。私がタジェット兄様から守ってあげるから。」
と真剣な表情で言われる。
僕はそれを見つめたまま、なんて返せばいいか困っていた。
「(いや…キスされたのは慣れてる…と言ったら語弊があるけど、タジェット兄様とのキスは嫌じゃないし…気持ちいいからいいんだけど…。でも、僕がここでタジェット兄様のことは好きだからキスしてもいいんだよ、って言ったらディル兄様、ショック受けるだろうな…。きっとディル兄様も僕のことを好いてくれてると思うし…。けど僕、今の時点で誰も選べないんだ…タジェット兄様もディル兄様もカラマス君も好きだから。)」
ディル兄様は僕が返答に困っている姿を見て「声も出せないほど怖かったんだね…!」と勘違いしていた。
「…ディル兄様、さっきは助けてくれてありがとう…。でもね、僕タジェット兄様とキスするの嫌じゃないよ…?だってタジェット兄様は僕のことが好きでキスしてるって言ってたし、僕もキスは好きな人とするべきだと思ってるから…。」
と言うと、ディル兄様は少し戸惑った顔になる。
「フェル…確かにキスは好きな人同士がするべきだよ。それにタジェット兄様がフェルのことを好きだと言ったの…?だったら私も遠慮は要らないよね?私もフェルのことが好きだよ。愛してる。だからキスだってしたいし、それ以上のことだってしたい…!今のフェルには難しいかな…?フェル…フェルがさっきタジェット兄様とキスするのは好きだからって言ったね?そしたら私とキスするのはどういうこと…?フェルはどっちが好きなの…?」
とディル兄様は少し泣きそうな顔をしていた。
僕はその答えに物凄く良心が痛んだが、わからないフリをしてこう答える。
「えっと…ディル兄様も僕にキスするのは好きだからでしょう?僕もタジェット兄様もディル兄様も大好きだから…どっちも好きじゃダメなの…?」
きっとこれが兄様の聞きたかった答えじゃない。それはわかってる。でも、ここで逃げる僕を許して欲しい。
僕が惚けた顔をしているとディル兄様は「はぁ…。」と溜息をついて、
「フェルにはまだ早かったかな…?フェル、確かにキスは好きな人とするべきだと思うけど、この好きっていうのは兄弟とか友達に対する好きではないんだよ。この人とずっと一緒にいたい、とかこの人との子供が欲しいとかそういう好きなんだ。だから、フェル…フェルが私やタジェット兄様を好きなのは構わない。でも、フェルの言う好きが私達の言う好きに変わったら教えて欲しいんだ。今のフェルには難しいかもしれないけど、これから大きくなったら私達の言う"好き"がわかってくるはずだよ。だから…その間にするフェルからのキスは兄弟愛として受け取っておくね。」
と残念そうに言う。
僕は内心、
「(ディル兄様…ゴメン…。本当はわかってるんだ。こうやって皆を困らせてるってこともこの状況に流されてるってことも…。でも、もうちょっと時間をちょうだい…まだ僕色んな世界を見てみたいんだ。)」
こう言い訳をして「うん。」と返事をした。
その後はタジェット兄様も追いかけてくることなく、僕は暫く経って自分の部屋に戻った。しかし、そこにタジェット兄様の姿はなく自分の部屋に戻ったようだった。
「(タジェット兄様…ディル兄様のこと怒ってたな…。そりゃあ、あれだけ挑発されたら誰でも怒るか…でもその原因って僕なんだよね…。僕がフラフラせずに早く誰かを決めればいいんだけど、僕にだって時間が欲しいんだ…!僕の中ではまだ纏まってないのに周りがどんどん動いちゃって僕にはどうしようも出来ないんだ…。僕、何度も言うけど7歳児なんだから!いくら精神年齢高くても7歳児に出来ることって限界があるから!)」
と後半は開き直ることにする。
「ディル!」
と叫び、魔力を増幅させた。
「…兄様、怒ってるの?こんなことで怒るなら僕がこれ以上したらもっと怒るかなぁ?」
と笑うと僕にチュッと軽くキスをしてくる。
するとタジェット兄様は無言で僕に近付くとディル兄様と距離を取るように僕を引っ張り、そしてキスの上書きをするかのように僕に口付けてきた。
僕は「(えっ!?えっ!?)」と次々起こる出来事にパニックになる。
「んっ…ふっ…。(ちょっ…待ってー!)」
暫くの間、タジェット兄様とのキスシーンをディル兄様に見られ、さらにタジェット兄様のキスはディル兄様みたいに軽いもんじゃない。それこそ噛み付くようなキスで舌まで入れてくる。
僕がキスの合間に
「…はぁ…んんっ…。」
とくぐもった声を出すと、
「兄様!フェルが苦しがってる!」
とディル兄様は叫び、僕をタジェット兄様から引き剥がした。
ディル兄様は僕がタジェット兄様とディープキスやそれ以上のことをしているとは知らないので僕が苦しがっているように見えたらしい。
「(確かに苦しかったから助かった…。)」
と思いながらグッタリしていると、
「兄様のせいでフェルがこんなんになっちゃったじゃないか!いい加減にしてよ!」
とディル兄様は怒ると僕を抱きかかえて部屋から飛び出した。
「(うわ~!ディル兄様どこ行くのー!?)」
ディル兄様に必死にしがみついていた僕はディル兄様の部屋に着くとゆっくりとベッドに降ろされた。
そのままディル兄様が覆い被さってくる。
「フェル、怖かったよね…?大丈夫だからね。私がタジェット兄様から守ってあげるから。」
と真剣な表情で言われる。
僕はそれを見つめたまま、なんて返せばいいか困っていた。
「(いや…キスされたのは慣れてる…と言ったら語弊があるけど、タジェット兄様とのキスは嫌じゃないし…気持ちいいからいいんだけど…。でも、僕がここでタジェット兄様のことは好きだからキスしてもいいんだよ、って言ったらディル兄様、ショック受けるだろうな…。きっとディル兄様も僕のことを好いてくれてると思うし…。けど僕、今の時点で誰も選べないんだ…タジェット兄様もディル兄様もカラマス君も好きだから。)」
ディル兄様は僕が返答に困っている姿を見て「声も出せないほど怖かったんだね…!」と勘違いしていた。
「…ディル兄様、さっきは助けてくれてありがとう…。でもね、僕タジェット兄様とキスするの嫌じゃないよ…?だってタジェット兄様は僕のことが好きでキスしてるって言ってたし、僕もキスは好きな人とするべきだと思ってるから…。」
と言うと、ディル兄様は少し戸惑った顔になる。
「フェル…確かにキスは好きな人同士がするべきだよ。それにタジェット兄様がフェルのことを好きだと言ったの…?だったら私も遠慮は要らないよね?私もフェルのことが好きだよ。愛してる。だからキスだってしたいし、それ以上のことだってしたい…!今のフェルには難しいかな…?フェル…フェルがさっきタジェット兄様とキスするのは好きだからって言ったね?そしたら私とキスするのはどういうこと…?フェルはどっちが好きなの…?」
とディル兄様は少し泣きそうな顔をしていた。
僕はその答えに物凄く良心が痛んだが、わからないフリをしてこう答える。
「えっと…ディル兄様も僕にキスするのは好きだからでしょう?僕もタジェット兄様もディル兄様も大好きだから…どっちも好きじゃダメなの…?」
きっとこれが兄様の聞きたかった答えじゃない。それはわかってる。でも、ここで逃げる僕を許して欲しい。
僕が惚けた顔をしているとディル兄様は「はぁ…。」と溜息をついて、
「フェルにはまだ早かったかな…?フェル、確かにキスは好きな人とするべきだと思うけど、この好きっていうのは兄弟とか友達に対する好きではないんだよ。この人とずっと一緒にいたい、とかこの人との子供が欲しいとかそういう好きなんだ。だから、フェル…フェルが私やタジェット兄様を好きなのは構わない。でも、フェルの言う好きが私達の言う好きに変わったら教えて欲しいんだ。今のフェルには難しいかもしれないけど、これから大きくなったら私達の言う"好き"がわかってくるはずだよ。だから…その間にするフェルからのキスは兄弟愛として受け取っておくね。」
と残念そうに言う。
僕は内心、
「(ディル兄様…ゴメン…。本当はわかってるんだ。こうやって皆を困らせてるってこともこの状況に流されてるってことも…。でも、もうちょっと時間をちょうだい…まだ僕色んな世界を見てみたいんだ。)」
こう言い訳をして「うん。」と返事をした。
その後はタジェット兄様も追いかけてくることなく、僕は暫く経って自分の部屋に戻った。しかし、そこにタジェット兄様の姿はなく自分の部屋に戻ったようだった。
「(タジェット兄様…ディル兄様のこと怒ってたな…。そりゃあ、あれだけ挑発されたら誰でも怒るか…でもその原因って僕なんだよね…。僕がフラフラせずに早く誰かを決めればいいんだけど、僕にだって時間が欲しいんだ…!僕の中ではまだ纏まってないのに周りがどんどん動いちゃって僕にはどうしようも出来ないんだ…。僕、何度も言うけど7歳児なんだから!いくら精神年齢高くても7歳児に出来ることって限界があるから!)」
と後半は開き直ることにする。
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