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TRUST
1-1 confused case
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枝依西区──柳田探偵事務所前。
「さぶぅー!」
ビョウビョウと北風が吹く。思わず身を縮めて、目を閉じて立ち止まったりして。
もう季節は秋の半分を過ぎようとしている。鼻からいっぱいに空気を吸えば、鼻の奥が凍ってしまいそうなほどに外気がひんやりしていることが増えてきた。
裏手のアパートから、事務所へ向かって歩いていた私──服部若菜。
左手には薄灰色のバケツ。右手には『大健闘をした』デッキブラシ。今日は昼前から、それらを使ってゴミ置き場の中の掃除をしていたわけですよ。
事務所裏手のアパートのゴミ置き場は外付けで、なぜか立派にウォークインのものなんだけど、これがまた頑固な汚れで酷いアリサマだったわけ。柳田さんに雇ってもらってから何度も何度もデッキブラシで擦り磨いて、今日ようやく納得のいくまでに綺麗になったってところ!
ハー、すっきりした! 一カ月かかった。
時刻は一五時を過ぎた頃かな。すっかり昼食なんて食べ損ねてしまっていて、実はたまに腹が鳴る。柳田さんに昼食代貰って、下のコンビニで何か買えばいいや。
そういえば。
先週、なぜか柳田さんに抱き締められたものの、それっきり特に変化は無しです。
柳田さんは相変わらず眉間を寄せてるし、悪態だらけだし、その辺にいろいろ散らかすし、嘘みたいに通常運転。私との物理的距離感も、三人分くらいはいつも空いている。
私も私で、別に柳田さんに『そういう』感情を持ったりしていない……気がする。翌日はさすがにキョドキョドしながら事務所へ出勤してみたけど、掃除に片付けに買い出しに練習に、の忙しい日常に戻った。
柳田さんは、あくまでも仕事のパートナー。これからもきっと、プライベートには踏み込み合わない距離を保っていくんだろう。
柳田さんがそれを望むのなら、私はそれに従うだけのこと。
「ん?」
角を曲がってすぐに、事務所の階段入り口に立っている人が目に止まった。右横顔がやけに不安そう。
真っ白のセーラー服。
黒い太線が、服の縁に沿って一本引かれてある。
胸元の真紅のリボン、あれはアタッチメント式のやつ。
左肩に黒革の鞄を持って、なんだか、上品な佇まい。
恐らくあれは高校生だろう。コスプレじゃあなければ、本物のJKってやつに違いない。ただ、入ろうかやめようか、って具合にキョロキョロしている。
正直なところ、あの『どうしようかな』な行動が、一番不審で恥ずかしいんだよなぁ。どうせ入るなら、意を決してスッと入ってしまった方がいい。案外その方が誰の目にも留まらなくて済むわけ、おわかり? まして制服を着てこんなところでチョロチョロしてりゃ、いやでも目立つ。
とりあえず秘書として、依頼人をきちんと迎え入れなくちゃ。……汚くなってしまったバケツとデッキブラシを持ったままだし髪の毛もボサボサだけど。
「柳田さんに、ご用ですか?」
「えっ?!」
声をかけた私を、ビクッと肩を跳ね上げて驚いた彼女。ぐりんと右側の私を向く。私の方が五センチほど背が低くて、目線に高低差が出ている。
くりんくりんの黒目がちな目。
細めに整えられた眉。
きめ細かい白い肌。
紅潮した頬が、チークを乗せたときみたいに鮮やかに浮かんでいる。
何、この娘。控えめに言って超かわいいんですけど。
「え、えええと、あの」
小さな口をアワアワ動かして、慌てている。ぐっ、なんか、無駄にドキドキする。でも同性愛の気はないからな!
「あー、あの、私、柳田探偵事務所の秘書です」
「ひ、秘書っさん?」
「え? ええ、まぁ」
そんなに驚かなくてもいいのに。まぁ、今はまったく秘書っぽくない格好だけれども。
「確か今日は柳田さん、朝から事務所にいるので、ご用ならきちんとお繋ぎしますよ」
そう。今日は夕方までに二件の依頼者が来る予定で、柳田さんは朝から事務所で待機している。そういうときの柳田さんは、突発的に出掛ける用事を入れたりしない。
「ま、とりあえずお入りください。ここじゃあなんなんで」
言いながら、彼女よりも先に階段を上っていく私。後ろからちょっとだけ間を空けて着いてくる足音が、コンクリートの階段トンネルにカツンカツンと高く響く。
上りきった先の、三階へ続く階段のある方に、バケツとデッキブラシを邪魔にならないように置いた私。後方の彼女を確認して、「はい、どうぞ」と事務所のアルミ扉を押し開けた。
「戻りましたーぁ」
声を張って、事務所の中を見回した。けど。
「あれ、柳田さん?」
電気は付いてるのに、やけにシンとしている。柳田さんの姿が見えない。ソファに寝転んで新聞をかけているわけでも、トイレにいるわけでもなさそう。
「んー。居ないっぽいですね」
彼女は不思議そうに事務所の中を見回しながら、そーっと私の後ろから事務所の敷居を一歩だけ跨いだ。
「まぁすぐ戻ってくると思うんで、ここ座っててください」
「は、はい」
つかつかと先を歩き、私がいつも座っている応接ソファの左側を案内した。彼女は遠慮がちに頷いて、申し訳程度に腰かける。
「アポは取ってますか? それとも飛び込みですか?」
シンクで手を洗って、ケトルに水を入れて火にかけながら訊ねる私。
「あっ、あの、柳田さんに、ここに来るようにと、言われましたので、その」
なーんか辿々しい喋り方だな。どぎまぎしてるし。緊張してんのかな。
「時間の指定はありました?」
「ほ、放課後すぐに、とだけ」
「『放課後すぐに』ィ?」
「は、はい」
ぐりん、と彼女を振り返る。
なんか、柳田さんにしてはやけにアバウトな約束だなぁ。いつもなら細かく『分』まで指定してくる嫌な男……あ、ウソウソ、「マメ」な人なのに。
「あのー、もしかして、み、みなさんで、お出かけとか、でしょうかね?」
「え? 『みなさん』って? 他にも呼ばれてるんです?」
「い、いえ、あの」
首を傾げば、彼女は慌ただしい素振りで答えてくる。
「柳田さんのお子さん、と、おと──」「おおお、『お子さん』?!」
びっくりしすぎて、裏返った声で訊き返しちゃった。でもその声を聞いた彼女の方がびっくりしたみたいで、ビクッと肩を跳ねさせて縮こまっちゃって。
「え、待って。何、お子さんって! 柳田さんに子どもいるの?! 知らないんですけど!」
「で、ですから」
「あっ、もしかして隠し子?! はーっ、なんてこったい、あん畜生!」
この前私をギュッとしたかと思ったら、「子ども」って! へぇー?! てっきりただの『激ツン朴念仁』だと思ってたのに知らぬところで『タラシ要素』まで追加ですか! あんらまぁこれはこれは! 盛りだくさんで結構ですことっ、世の乙女ゲームもびっくり!
「おい、うっせーぞ。デケェ声出すな。下に迷惑かかんだろーが」
「あ」
わーあ。最悪のタイミングで戻ってきたよ、タラタラ激ツン朴念仁・『アホぎ田さん』。
「さぶぅー!」
ビョウビョウと北風が吹く。思わず身を縮めて、目を閉じて立ち止まったりして。
もう季節は秋の半分を過ぎようとしている。鼻からいっぱいに空気を吸えば、鼻の奥が凍ってしまいそうなほどに外気がひんやりしていることが増えてきた。
裏手のアパートから、事務所へ向かって歩いていた私──服部若菜。
左手には薄灰色のバケツ。右手には『大健闘をした』デッキブラシ。今日は昼前から、それらを使ってゴミ置き場の中の掃除をしていたわけですよ。
事務所裏手のアパートのゴミ置き場は外付けで、なぜか立派にウォークインのものなんだけど、これがまた頑固な汚れで酷いアリサマだったわけ。柳田さんに雇ってもらってから何度も何度もデッキブラシで擦り磨いて、今日ようやく納得のいくまでに綺麗になったってところ!
ハー、すっきりした! 一カ月かかった。
時刻は一五時を過ぎた頃かな。すっかり昼食なんて食べ損ねてしまっていて、実はたまに腹が鳴る。柳田さんに昼食代貰って、下のコンビニで何か買えばいいや。
そういえば。
先週、なぜか柳田さんに抱き締められたものの、それっきり特に変化は無しです。
柳田さんは相変わらず眉間を寄せてるし、悪態だらけだし、その辺にいろいろ散らかすし、嘘みたいに通常運転。私との物理的距離感も、三人分くらいはいつも空いている。
私も私で、別に柳田さんに『そういう』感情を持ったりしていない……気がする。翌日はさすがにキョドキョドしながら事務所へ出勤してみたけど、掃除に片付けに買い出しに練習に、の忙しい日常に戻った。
柳田さんは、あくまでも仕事のパートナー。これからもきっと、プライベートには踏み込み合わない距離を保っていくんだろう。
柳田さんがそれを望むのなら、私はそれに従うだけのこと。
「ん?」
角を曲がってすぐに、事務所の階段入り口に立っている人が目に止まった。右横顔がやけに不安そう。
真っ白のセーラー服。
黒い太線が、服の縁に沿って一本引かれてある。
胸元の真紅のリボン、あれはアタッチメント式のやつ。
左肩に黒革の鞄を持って、なんだか、上品な佇まい。
恐らくあれは高校生だろう。コスプレじゃあなければ、本物のJKってやつに違いない。ただ、入ろうかやめようか、って具合にキョロキョロしている。
正直なところ、あの『どうしようかな』な行動が、一番不審で恥ずかしいんだよなぁ。どうせ入るなら、意を決してスッと入ってしまった方がいい。案外その方が誰の目にも留まらなくて済むわけ、おわかり? まして制服を着てこんなところでチョロチョロしてりゃ、いやでも目立つ。
とりあえず秘書として、依頼人をきちんと迎え入れなくちゃ。……汚くなってしまったバケツとデッキブラシを持ったままだし髪の毛もボサボサだけど。
「柳田さんに、ご用ですか?」
「えっ?!」
声をかけた私を、ビクッと肩を跳ね上げて驚いた彼女。ぐりんと右側の私を向く。私の方が五センチほど背が低くて、目線に高低差が出ている。
くりんくりんの黒目がちな目。
細めに整えられた眉。
きめ細かい白い肌。
紅潮した頬が、チークを乗せたときみたいに鮮やかに浮かんでいる。
何、この娘。控えめに言って超かわいいんですけど。
「え、えええと、あの」
小さな口をアワアワ動かして、慌てている。ぐっ、なんか、無駄にドキドキする。でも同性愛の気はないからな!
「あー、あの、私、柳田探偵事務所の秘書です」
「ひ、秘書っさん?」
「え? ええ、まぁ」
そんなに驚かなくてもいいのに。まぁ、今はまったく秘書っぽくない格好だけれども。
「確か今日は柳田さん、朝から事務所にいるので、ご用ならきちんとお繋ぎしますよ」
そう。今日は夕方までに二件の依頼者が来る予定で、柳田さんは朝から事務所で待機している。そういうときの柳田さんは、突発的に出掛ける用事を入れたりしない。
「ま、とりあえずお入りください。ここじゃあなんなんで」
言いながら、彼女よりも先に階段を上っていく私。後ろからちょっとだけ間を空けて着いてくる足音が、コンクリートの階段トンネルにカツンカツンと高く響く。
上りきった先の、三階へ続く階段のある方に、バケツとデッキブラシを邪魔にならないように置いた私。後方の彼女を確認して、「はい、どうぞ」と事務所のアルミ扉を押し開けた。
「戻りましたーぁ」
声を張って、事務所の中を見回した。けど。
「あれ、柳田さん?」
電気は付いてるのに、やけにシンとしている。柳田さんの姿が見えない。ソファに寝転んで新聞をかけているわけでも、トイレにいるわけでもなさそう。
「んー。居ないっぽいですね」
彼女は不思議そうに事務所の中を見回しながら、そーっと私の後ろから事務所の敷居を一歩だけ跨いだ。
「まぁすぐ戻ってくると思うんで、ここ座っててください」
「は、はい」
つかつかと先を歩き、私がいつも座っている応接ソファの左側を案内した。彼女は遠慮がちに頷いて、申し訳程度に腰かける。
「アポは取ってますか? それとも飛び込みですか?」
シンクで手を洗って、ケトルに水を入れて火にかけながら訊ねる私。
「あっ、あの、柳田さんに、ここに来るようにと、言われましたので、その」
なーんか辿々しい喋り方だな。どぎまぎしてるし。緊張してんのかな。
「時間の指定はありました?」
「ほ、放課後すぐに、とだけ」
「『放課後すぐに』ィ?」
「は、はい」
ぐりん、と彼女を振り返る。
なんか、柳田さんにしてはやけにアバウトな約束だなぁ。いつもなら細かく『分』まで指定してくる嫌な男……あ、ウソウソ、「マメ」な人なのに。
「あのー、もしかして、み、みなさんで、お出かけとか、でしょうかね?」
「え? 『みなさん』って? 他にも呼ばれてるんです?」
「い、いえ、あの」
首を傾げば、彼女は慌ただしい素振りで答えてくる。
「柳田さんのお子さん、と、おと──」「おおお、『お子さん』?!」
びっくりしすぎて、裏返った声で訊き返しちゃった。でもその声を聞いた彼女の方がびっくりしたみたいで、ビクッと肩を跳ねさせて縮こまっちゃって。
「え、待って。何、お子さんって! 柳田さんに子どもいるの?! 知らないんですけど!」
「で、ですから」
「あっ、もしかして隠し子?! はーっ、なんてこったい、あん畜生!」
この前私をギュッとしたかと思ったら、「子ども」って! へぇー?! てっきりただの『激ツン朴念仁』だと思ってたのに知らぬところで『タラシ要素』まで追加ですか! あんらまぁこれはこれは! 盛りだくさんで結構ですことっ、世の乙女ゲームもびっくり!
「おい、うっせーぞ。デケェ声出すな。下に迷惑かかんだろーが」
「あ」
わーあ。最悪のタイミングで戻ってきたよ、タラタラ激ツン朴念仁・『アホぎ田さん』。
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