243 / 287
第五章 皇帝の寵姫として
第28話 本気で怒ればどうなるか
しおりを挟む
「ミハエルの名前は一切出さない。何か尋問されたら知らなかったを通してくれ」
「サリオン……」
避妊薬を使った目的は、ヒートを抑制し、性交しても子供は身ごもらない身体にすること。
そうやってどれほどの貴族の期待を裏切り、金だけせしめてきたことか。
そうやって、これまでどれほどの男達の期待を裏切り、失望させてきたことか。
その罪はレナだけに限らない。
避妊薬を入手してきた自分にも当然非がある。
アルベルトが来館した時には飲まなかったと弁明したところで、レナに賭けた男達への罪は消せない。
「ああ見えて怒ればどうなるかぐらい、想像できるだろう」
「わかっている。だけどレナがアルベルト以外の子供を孕んだら、お腹の子供ともども心中だってしかねない。あくまでレナは皇帝に愛され、皇妃として迎え入れてもらう道しか見えないはずだ」
「それは、お前の立ち位置だろう」
「ああ、そうだ。レナは今の俺に取って変わること以外、考えようとはしないだろう」
だからこその避妊薬。
憲兵の目を盗み、ベータの最下層として集合住宅に忍び込み、キケロから入手してきて帰るという、危険を犯し続けてきた。
「サリオン……」
避妊薬を使った目的は、ヒートを抑制し、性交しても子供は身ごもらない身体にすること。
そうやってどれほどの貴族の期待を裏切り、金だけせしめてきたことか。
そうやって、これまでどれほどの男達の期待を裏切り、失望させてきたことか。
その罪はレナだけに限らない。
避妊薬を入手してきた自分にも当然非がある。
アルベルトが来館した時には飲まなかったと弁明したところで、レナに賭けた男達への罪は消せない。
「ああ見えて怒ればどうなるかぐらい、想像できるだろう」
「わかっている。だけどレナがアルベルト以外の子供を孕んだら、お腹の子供ともども心中だってしかねない。あくまでレナは皇帝に愛され、皇妃として迎え入れてもらう道しか見えないはずだ」
「それは、お前の立ち位置だろう」
「ああ、そうだ。レナは今の俺に取って変わること以外、考えようとはしないだろう」
だからこその避妊薬。
憲兵の目を盗み、ベータの最下層として集合住宅に忍び込み、キケロから入手してきて帰るという、危険を犯し続けてきた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
298
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる