皇帝にプロポーズされても断り続ける最強オメガ

手塚エマ

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第六章 暴かれる

第19話 つがい

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 アルベルトもまた、もどかしそうにトガを脱ぎ、頭貫衣を脱ぎ去った。
 下帯に手を伸ばした時、サリオンの手が伸びてきた。

「あんた、もう苦しそうだ」

 サリオンは一笑した。

「当たり前だろ」

 二人で下帯を解いた途端、屹立きつりつしたアルベルトの雄が現れる。
 無言で覆い被さってきたアルベルトをきつく抱き寄せ、サリオンはそのうなじにキスをする。
 アルベルトの火のような口づけを受け入れながら舌を絡み合わせて互いの気持ちを確かめ合う。

「……あっ、うっ」

 性急に胸の尖りに吸いつかれ、軽い痛みを感じたサリオンは、そんな恋人が愛おしくてたまらない。
 左にも右にも口づけられて吐息が甘く乱れ、甲高い声になる。
 きつく乳首を吸い出され、歯を当てられると堪らなく興奮する。そんなことは承知の上でしている彼が憎らしい。

「あっ、あっ……」
「俺のものだ、サリオン」

 両手で薄い胸の肉を寄せ集めるようにして愛撫され、尖った乳首に吸いつかれる。

「たとえ神にだろうと渡さない」

 キスを止めたアルベルトが力んで言う。
 脇を撫でた両手で尻の肉をぎゅっと掴まれ、揉みたてられる。
 サリオンは黙って両膝を持たされ、秘所を露わにさせられた。
 
「入れるぞ」

 窄まりへの愛撫も性器への愛撫もなく、アルベルトの強直が 隘路あいろを割る。
 一瞬、身体を裂かれる痛みで顎がつきあがる。
 だが、身体はすぐにアルベルトを受け入れて、奥へ奥へと導いた。
 最後に腰を強く打ちつけられて、すべてを収めさせられた。
 
「あ……あっ」

 そのまま激しい抽挿を送り込まれて喉が鳴る。
 激しくて熱くて乱暴な出入りについていけずに嬌声だけを張り上げる。
 両膝を立てたまま、アルベルトの背中を撫でさする。
 すると、さらに奥まで侵入したアルベルトのそれに弱い箇所をこすられて身体が跳ねる。

「あっ、あっ」

 狙い定めるようにそこばかり穿たれて、淫らな喘ぎが止まらない。
 良くて良くて涙が出る。
 ふと視線を感じて目を開けると、アルベルトが射るような目で凝視され、鼓動がドクンと跳ね上がる。
 アルベルトに翻弄され続ける卑猥な顔を見られている。
 恥ずかしいと思ったが、この顔でアルベルトを良くしたい。
 感じ入った顔でアルベルトの背中に爪立てる。

 痛みを感じたようにアルベルトが顔半分をゆがめたが、次の瞬間、意趣返しとばかりに重く深く腰を送り込まれて悲鳴じみた声になる。

「ああ……、アルベルト」

 サリオンは泣きぬれた顔で訴える。すると抽挿がいっそう激しくなる。あの秘所を衝かれるたびに嬌声を上げ、襞をめくるように出し入れされても掻痒感たまらない。
 こころもからだも開き切り、アルベルトの頭を抱き締める。
 
「あっ、もう、アルベルト……!」

 射精の感覚が下肢に充満し、次にアルベルトに穿たれた瞬間に、サリオンは精を吐き出した。
 断続的に射精しながら後腔を締めつける。

「うっ……」

 低くうめいたアルベルトの雄から生温かい精液を注ぎ込まれる。二度、三度と揺さぶられ、サリオンはのたうった。 
 最後にどさりと覆い被さり肩で荒い息をする。
 サリオンはアルベルトの背中や肩を撫でさする。
 やがてアルベルトが起き上がり、サリオンをじっと見る。

「愛してる。アルベルト」

 サリオンは初めて自分から口にした。
 双眸を見開いたアルベルトが愛おしい。

「愛しているんだ。俺の皇妃」

 アルベルトにすべてを受け入れられ、彼のすべてを受け入れる。
 口づけの角度で近づく顔の鼻先が鼻に触れ、サリオンも目を閉じる。
 これで二人は番になったとサリオンは染み入るように感じていた。アルベルトもきっとそう思ってくれているに違いない。

「俺の番だ。アルベルト」
「俺の番はお前だと決めていた」

 たわいのない短いキスをくり返す。
 この男が今から二人目の番になった。
 微笑むユーリスの気配を感じたサリオンはポロリと粒の涙を眦からこぼれさせ、目を閉じる。
 ようやくユーリスの死を受け入れることができた気がした。
 キリスト教を教えてくれ、洗礼を受けさせてくれたユーリスが笑んでいる。

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