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一章 過去の過ち
プロローグ+一話
しおりを挟むプロローグ
小さい頃の俺はとても輝いていた。いや輝いているんだと自分で勘違いしていたのだ。
この国で大きな影響力を持つ公爵家に生まれ、母は隣国の王女様で俺は自分自身はこの世で一番偉いんだと疑わなかった。
でも違った。俺はただの小っぽけな人間だったんだと今ならわかるんだ。
俺はアルフォード公爵家の長男として生まれ将来が決まっていた。自分は人の上に立つ存在なのだと、、、。
「おい、そこはおれのせきだ!どけ!!」
「うわっ!いた、、うぅわああああん!」
「っち!うるさいやつだ!!」
椅子に座っていた子供を足で蹴落とし席へ座る。泣き続ける子供には同い年の子供とは思えないような軽蔑したように見下ろすだけだった。
「どうしたの!?こけちゃったのかな?」
「うっ、うぇ、りんくんがリンくんがぁああ!ぼくすわっていただけなのにぃ!」
「こら!!リンくん、これで何度目なの!お友達とは仲良くしないとダメでしょ!」
「ふん!おれがすわろうとしていたばしょにこいつがすわっていたのがわるい」
そういうとリンは席を立ち教室の出口に向かった。
「あ、もうすぐ授業でしょ!どこに行くの!!」
「はっ!おまえらのたいくつなじゅぎょうなどきいていられるか、レイス、フューズいくぞ」
「え、う、うん」
「は、はぃ」
先生の話を無視し、初等部に入りすぐに家来として自分の下につけた2人の名前を呼べば、軽く返事をするだけで何も言わない。
初等部から高等部があることでとても多くの面積を用意している中でも初等部の割合が他より多い。この国の貴族は初等部だけこの学校に通わせ後は留学をさせたり、子供の意見を聞いて中等部に行くかどうかを決める。初等部に入学した数の6、7割ほどが中等部に進学し、その中の6割が高等部へ進学するのだ。
「り、リンさま、どこにいくの?」
「だれがはなしていいといったんだ」
「あっぐっ!ひっご、ごめんなさい」
「ふん、おまえたちはおれのうしろをついてくればいいのだ」
「「は、はい」」
フルフルと震える2人を見ることで自分の方が上なのだとリンは優越感に浸る。この学園は貴族だろうが王族だろうが権力を用いることはできない。そのため平民の教師であっても貴族である子供を正しい道へ導くために指導をする。
リンはそんな自分の言うことを聞かない教師たちにイラついていた。
退屈な日常に飽きてきた時に転校生が2人やってきた。もともと他のクラスよりも人数が少ないこともあり2人ともリンのクラスへとやってきた。
その中の1人にユーストという子がいた。大きな紅色の瞳に白から青のグラデーションのかかった髪でまるで雪兎のようで、平民ではあるがこいつならそばに置いていていいとリンは思った。
だがユーストに近づこうとするとなぜかフレイが邪魔をしてくる。話しかけようとするとするとすぐにあいつがきて適当な理由をつけてユーストを連れてどこかへ行ってしまう。
「っち!」
リンは自分の思い通りにいかないことにイライラを通り過ぎフレイに対して殺意に近しいものを感じていた。
そんなリンの雰囲気にレイズやフューズはもちろん自分に八つ当たりされるんじゃないかと周り子供たちも怖がっていた。中には泣きそうなのを必死に我慢する子もいた。
そんなある日いつもならセットでいるユーストとフレイが離れていた。教師に呼ばれ渋々とユーストと離れていた。おれがまだきていなかったこともありすぐ戻ってこればいいと思ったんだろう。
「おい」
「ふぇ、ぼ、ぼく?」
「おまえいがいだれがいるとおもってんだ。ばかか」
「ご、ごめんなさい」
弱々しくいう姿に久しぶりに優越感を感じる。
「ふん、まぁいい。おまえにはおれのそばつきにしてやる、よろこんでもいいぞ」
「??そばつき?ってなぁに?」
「はぁ~、これだからへいみんは、、、おまえはおれのうしろをただただあるいていればいい、フレイとはなすことはゆるさん」
「え、でも、ぼくフレイといっしょにいたいもん、こんやくしゃ?だから」
「、、、なに?」
子供が出したとは到底思えないような低い声にユーストはもちろん後ろにいたレイズやフューズはもちろん周りの子もフルフルと震え出した。
リンはユーストに近づくと思いっきり頬を引っ叩いた。ユーストは何が起きたのか最初はわからなかったが、痛みがじわじわと広がっていくにつれて目に涙を溜めこぼれそうになるとまた引っ叩かれた。今まで蓄積されていた苛立ちをぶつけるように何度も何度も叩く。
「ごめ、ごめんなさ、やめ、やめてぇ」
叩かれたところを真っ赤にして、口の中を切ったのか口の端からは血が垂れていた。
「やめてほしかったら、いますぐあいつとのこんやくをきれ!!」
「うぇ!あ、や、やだぁ!!」
はい、といえばやめてやろうと思ったがやだといわれ怒りが頂点に達し遊び道具の中に入っていた小さいがそれなりに重さのある棒を取り出した。それを見たユーストは逃げようとするが逃げようとする背中を思いっきり棒で殴った。
「っぐ、がはっ、ゲホ、ゲホ、い、ぃたい、いたいよ~、うぇ、ふ、ふれい、うぇえ」
「この、むかつくやつだ!だったらおまえのだいすきなフレイにみせられないようなかおにしてやるよ」
「や!やだ、ごめ、ごめんなさ、ごめんなさい!!」
謝っているユーストを無視して棒を振りかざす、丸まったからだに加減の知らない子供は思いっきり殴りつけた。周りの子はもう恐怖で大泣きをする。リンはそれが聞こえていないのか殴るのをやめない。
「み、みんなどう、リンくん?あぁ!?ユーストくん!!何をしているのリンくん!!」
「ユースト!!」
子供たちの声を聞きつけた教師とフレイが帰ってくる。おれとユーストを引き剥がす。子供の力では大人には敵わない。殴っていた棒には少量だが血がついていた。ユーストは頭から血を垂らしている。近くに寄ったフレイはどうすればいいのかわからず泣きそうになっているがすぐに教師たちが応急処置をして保健室へと連れて行った。フレイはついていく前にリンに向かって一言だけ言った。
「ぜったい、ゆるさない。かくごしとけ」
「なんだと!?」
暴れるリンの体を押さえながら公爵へ連絡をという声を微かにきいていたが。怒りで周りが見えていなかったリンにはその意味はわからなかった。
「リン!?」
職員室にはリンの父親と母親だ。母親は綺麗な顔を真っ青にしていて、父親もわかりにくくあるが少し冷静さをかいていた。
「あぁ、アルフォード様、奥様も申し訳ありません。お忙しい時に、、、」
「いや、いい。リンはどこだ」
「こちらに、、、」
「、、、、、」
連れていかれたところには何もなかったようにジュースを飲みながらすわっているリンがいた。
「!おとうさま、おかあさま、どしてこちらに?」
そんな態度に自分たちがきいた話は間違いだったのではないかと思えてしまう。
「、、、リン。フレイくんの婚約者であるユーストくんに暴力を振るったのか?」
「?いいえ、あれはぼうりょくじゃありません。しつけです」
そんなことをいう息子に2人は唖然とする。
「、、、先生方、申し訳ありませんがリンは今日から休学をさせます。中等部、遅くて高等部にまた通わせます。後日正式な書類をお送りします。今日のところは帰らせていただくがよろしいですか?」
「え、あ、はい」
侯爵の予想外の態度にポカンとしている教師を尻目にグレイスはリンの腕を力強く掴むと、いたいというリンを無視して部屋から出て行った。
「お、おとさま!い、いたいです!!」
何を言っても止まってくれない父親にリンの目には涙が溜まっていく。そのまま家に帰るのかと思ったが違い、ユーストが行ったであろう保健室に向かっているようだった。
保健室に入るとユーストの両親とフレイの両親が目を覚ましていたユーストを囲んでいた。ユーストはリンを見た瞬間に震え出しまた泣き出しそうになる。それをフレイが慰め2人の両親がユーストの視界からリンを見えないように遮った。
「お久しぶりですね、アルフォード侯爵。あなたのお噂はかねがね伺っております。陛下でさえあなたの手腕には目を見張るものがあると言っていましたからね、人付き合いが悪いこと意外わ。でもまさか自分の息子1人まともに育てることができないとは思いませんでしたよ」
フレイの髪色と顔立ちの似た女性、おそらくフレイの母親が美しい顔を歪ませながらリンたちの前にたった。
「フィール様、、、申し訳ございません。私たちが甘やかしすぎました。学校からはある程度報告を受けて注意はしていたのですがまさかここまで歪んでいたとは思いませんでした。大変申し訳ございません。」
「フィール、、、御免なさい。私の、私のせいなの、私があまり構ってあげられないから余計に寂しい思いをさせないようにとあまやかしすぎました。本当に御免なさい」
「フィリア、、、それは私たちにいうべきことではないわ」
泣きながら謝罪する友人に優しく声をかけそうになるがそれをグッとおさえユーストの両親へと向き直らせた。
「この度は誠に申し訳ありません!」
「、、、謝罪も謝礼も何も要りません。私たちが望むのはこの子に近づいてほしくない。学園のことは仕方がないとしてもクラスは別にしてもらいますで学部はユーストと違うものにしてもらいたい。私たちが望むのはそれだけです」
「わかりました。今後一切ユーストくんに会わないようこれから気をつけます。リン、おまえはお母様と先に帰っていなさい」
「で、でも「リン!」、、、わかりました」
怒られたことがないリンは半泣きになりながらも母親と一緒に部屋を出た。その一瞬にフレイとユーストと目が合う。フレイは憎しみを持った目でユーストは何故か悲しい目で見ていた。
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