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一章 過去の過ち
五話
最近、3人がどこかソワソワしている気がする。どうかしたのかと聞いてもなんでもないと言われてしまって取り憑く暇もない。
「友達」なんていたこともないのでこうゆう場合どうすればいいのかわからない。悩み事があるのならできることならしてあげたいとは思っても、役に立つことができるのかと不安になって言い出すことができずまた最初に戻ってしまう。
「はぁ~」
「リンさん?どうかなさいましたか?」
「い、いえ。すみません、クライシス先生。少々考え事をしてしまって」
あの授業の件以来俺は剣術の授業に参加するのをやめることにした。というよりも俺がいると周りの空気が悪くなるため行くのを教師たちに止められてしまった。剣術は十分なほどにできているため授業は免除、たまに先生方と軽く対決はしているがそれ以外は、クライシス先生との話し合いという名のお茶会をしている。
「悩み事ですか?私でよければ聞きますよ?」
「、、、その俺なんかと仲良くしている子が何かに悩んでいるようなのですが、、、力になりたいと思っていてもどうすればいいかわからないのです。俺なんかが彼らの悩みを解決できるとも思えませんし、、、どうすればいいのでしょうか、、、」
「、、、そうですね、、、。待つ、というのも一つの手ではありますが、悩み事がわからないのなら、まずは元気にさせてあげるのはどうですか?その子たちが好きなことをしたり、好きなものをプレゼントしたり、、、元気付ける方法はいくらでもありますよ?」
「元気づける、、、先生、ありがとうございます。少し考えてみます」
「はい」
何をしようか一生懸命に考えているリンを微笑ましそうにクライシスがみていることには気づかなかった。
クライシス先生からのアドバイスをもらい何かをプレゼントをしようか考えているがよくよく考えていたら彼らが好きなものを知らなかった。あのとき以来外にはほとんど出たことがないので今はやっている物がなにかわからないし、自分があげられるものなんて何もないしどうしようかと余計に悩む。
ふと自分の席の少し前にいる女子たちの話している声が聞こえた。
「え!これあのお店のお菓子なの!?貴族でも王族でも気に入らなかったら絶対に作らないあの??」
「そう!たまたまお母様が近くに行ったみたいでたまたま寄ったらちょうど出来立てを売ってくれたの!」
「ほんとにもらっていいの?!後で返せって言わない?持ってるお金全部出せとか言わない??」
「言わないわよ!私1人で食べても楽しくないもの、一緒に食べましょ!」
「あ、ありがとぉ!!」
お菓子屋さん、、、確か家にいたときにメイドたちも話していた気がする。平民街にあって教会の近くにある。小さいお店だけど美味しさはこの国の王妃様が認めるほどおいしいらしい。でもその店のオーナーが気分屋で気に食わない相手なら王様でも貴族でも絶対に売らないらしい。
「平民街か、、、よし!」
今まで家かこの学園から出たことはなかったがせっかくできた友達を元気付けるために人生初のお出かけをすることに決めた。お金は有り余っているので大丈夫だろう。売ってもらえなかったら頑張って自分で作ってみよう。明日の授業は昼までで終わるのでその後に行こう。
そう決めると初めてのお買い物に少しソワソワしながらも明日になるのを待った。
「まずは寮にお金を取りに行こう」
お菓子がどれだけかかるのか分からないので一応持っている分だけ持って行こう。服も制服のままでいいかな?
「あれ?リンじゃん、どっかに出かけるのか?」
出掛けに行こうと思ったときに声をかけてきたのはジェークだった。
「あ、えっと、平民街に買い物に行こうかと思いまして」
「平民街に?」
リンがそういうとジェークがリンの頭から爪先を上から下まで見ていた。何かダメなところがあるのか不安になっていると。
「んー、平民街にいくんならもうちょっとラフな格好の方がいいぞ?リンの格好だと『俺は貴族です!』って言って歩いてるもんだぞ?雰囲気も貴族っぽいし」
「え?そう、なんですか?でも、俺着ていける服なんてこれくらいしか持っていないんですが、、、」
「まじ?じゃあ俺の服貸してあげるよ!ちょっとでかいかもしれないけど捲ればいけんだろ!」
「い、いいんですか?」
「ん?あぁ、別にいいよこれくらい!」
「あ、ありがとうございます!」
そう言って部屋に入ると俺の部屋とは違い色々なもので溢れていた。しかし、汚いわけではなく綺麗に整理整頓されていた。
「リンに似合いそうな服なぁ。これとこれと~あ、あと帽子も持ってけよ。はい、これに着替えて!」
ささっと服を決めて渡される。カジュアルな見た目はシンプルだが布の質の良く、誰にでも似合いそうな服とズボンにこれまた質のいい帽子はかぶっていて違和感もなさそうだ。
「あ、えっと、そこの部屋で着替えてもいいですか?」
「ん?いいよ」
着替えてみてもやはり質がいい、見た目は平民が来ていそうな服装に拘らず着心地は満点だ。
「あの、この服本当に借りてもいいんですか?高い服なんじゃ」
「いいのいいの、言っとくけどな、平民街は前よりは治安が良くなったけどまだまだ奴隷商とか暇を持て余してる奴らとかごろつきがうじゃうじゃいるんだからな!リンみたいに綺麗な顔をしたやつが整った服着て行ったらすぐに誘拐されちまうぞ!」
「は、はい、えっとありがとうございます」
「いいよ、できればついって言ってやりたいけど、俺この後約束があるから行けねぇんだ」
「そ、そこまでしてもらうわけにはいきません!ここまでしていただいたのに、、、」
「あはは、まぁ気をつけて行けよ!」
そう言って颯爽と去っていった。彼が優しくしてくれるのは自分のことを知らないからだろう。俺のことを同じ平民と思っているからこそああやって優しくしてくれるのだ。
マイナス思考に陥りそうなのを抑えて初めてのお出かけに出かけることに気持ちを切り替えた。
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