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一章 過去の過ち
一六話
みんながいる中泣いてしまい、顔をあげることができない。男が泣いてしまうなんて、、、消えてしまいたい。
「よかったな、息子と仲直りできて、ようやくお前の泣き酒に付き合わなくて済むな、な、ルアン?」
「えぇ、そうですね、陛下」
「2人とも、、、」
城に来る三回に一回にはお酒を持参して強くもないくせに飲んで泣いて潰れるのを繰り返して最初は面白がっていたがそれが続くとめんどくさくもなる。
「お父様、仲直りもできたことですしまずはお兄様の中にある核をどうにかするべきだと思います」
「!あぁ、そうだな」
「核?なんのことだ?」
「それが、、、」
陛下たちにブランとの間であったことを話した。
「私の中に核?が?」
「あぁ、あいつが言うには魔力の核だそうだ。他人の魔力を受け付けないリンにとって毒そのものだ。だが、探そうにも探知魔法も受け付けない。今のところ探し用がないんだ」
「、、、魔道具はどうだ?魔道具に使われる魔法石に含まれている魔力は自然に発生した魔力なんだから使えるんじゃないか?」
「魔道具、、、そういえばその考えはなかった。リン、魔道具は使ったことはあるか?」
「?魔道具は選ばれた者しか使えない天使様が与えてくださる奇跡の道具なんじゃ?」
俺の言葉にその場が固まる。
「えっとねリンくん、魔道具っていうのは魔法石っていう魔力が自然に石化したものを媒介として使われる道具のことを言うの」
「そ、そうなんですか?、、、すいません」
「リンが謝ることではない、全てはあの生ゴミが悪いんだ」
「なま?」
流れるように暴言を吐くグレイスをルアンがはたきなんでもないと誤魔化した。今ので周りからしたらどれだけリンの常識が抜けているのかわかることだろう。
「学園の先生方には何か言われなかったのですか?お兄様」
「?特に何も言われなかったのですが、、、」
「おそらく、授業などで出そうなことは普通に教わってたんだろう。本当に教える必要のない常識的なことを偽って教えていたのだろうな」
「なるほど」
「では、魔道具の用意を」
「はい」
陛下が後ろで控えている者たちに指示を出すとすぐさま動き出す。自分も何かしたほうがいいのかと思いあわあわしているとルアン様がおさめてくれる。
「大丈夫!詳しいことはグレイスたちに任せて僕たちはお茶でも飲んで待ってよ?」
「え、で、でも、、、」
「私もお兄様とお茶をしたいです!だめ、、、ですか?」
「だ、、、だめじゃないです」
そんなキラキラした顔で見られたら断れない。嬉しそうに喜ぶ2人をリンはまだ夢心地のように眺めていた。
ドギマギしながらも話をしているとお父様が戻ってくる。
「リン、魔力の放出はできるか?」
「は、はい。できます」
「この魔道具は探知の魔道具で、思い浮かべたものを半径10kmまで探し出すことができる。この中心に魔力を注ぎながら自分の中にある核を考えてくれ」
「かく、、、。や、やってみます」
渡されたのは手のひらサイズの魔道具だった。簡素な作りの四角の箱に赤い鉱石が埋まっていた。
父から渡された魔道具を壊さないようにゆっくり受け取ると核が何か想像があまりできな方のでとにかく核っぽいものを想像することにした。核と言ったら、丸とか四角とか、、、体の中にあるなら小さいのかもしれないし、、、核を思い浮かべるんじゃなくて体の中にある異物を想像すればいいかな。
ゆっくりと魔道具に魔力を流すと、体の中を何かが巡るのを感じる。
「(あ、もしかしてこの丸いのがそうなのかな、、、)」
「ふむ、魔道具は大丈夫みたいだな」
「えぇ、よかった、、、」
「え?」
「ほら、お腹あたりを見てみて」
「え?」
言われて自身のお腹を見るとおへその上らへんが淡く光っていた。
「これが、、、」
「次の問題はこれをどう取るかだな」
「それならリン君自身に転移魔法を覚えてもらうのがいいじゃないかな?多少調整入るかもだけど魔道具で位置もわかったことだし」
「ふむ、それがいいか」
「はーい!僕が転移魔法使えます!」
「そうか、ならユースト君に教わるといいな」
淡々と決まっていくことに口を挟む暇もなく色々と決定していた。
その後、リンは核が抜けるまではユーストとと共に王城に残った。グレイスは仕事と称してほとんど毎日家族で王城を訪れてはまだ気まずさが残る中、少し話しては満足して帰っていった。リンもまんざらではなさそうなので家族は暖かく見守っていた。
そしてリンが核を排出することができたのはそれから2週間ほど経った頃だった。魔法を基礎しか教わっていないにしては早い習得にユーストやグレイスたちはベタ褒めしていた。
「よかった!本当によかったわ!(これであいつに地獄を見せられるわ)」
「あぁ、さすがだ(はじめにどの拷問からしようか)」
恐ろしいことを考えてる妹と父には気づかないリンは待たせてしまったことを申し訳ないと思うがそれを見越したようにルアンがリンの頭を撫でる。
「みんなリン君が無事で嬉しいんだね。もちろん俺も嬉しいしね」
「ルアン様、、、あ、ありがとうございます」
「ふふ」
「ねーリン君!これを気に魔法科にこない?」
「え?」
「絶対に魔法の才能があると思うの!それにリン君剣術はもう教えることがないくらい強いんでしょ?なら次は魔法をきわめてみようよ!」
「で、でも」
たしかにリンは魔法科に進みたかった。剣術も好きではあるがそれ以前に自身の体の事を研究したかったのだ。なぜ自分以外の魔力を受け入れないのか知りたいと思っていたがユーストが魔法科に入ると知って早々に諦めたのだ。
「リンはどうしたいんだ」
「おれは、、、できるのであれば、、、その、魔法科で自分の体質のことを調べたいと思います」
「やった!」
「でも、いいのでしょうか、、、俺は、、、」
「大丈夫だよ!フレイのことは僕が説得するし、両親は大丈夫だと思う!クラスメイトはちょっと時間かかるかもだけど仲直りしたことを伝えれば仲良くできるから!」
「あ、えっと、よろしくお願いします」
「うん!」
リンが学校を復帰する際にリューリたちにあったことを話し、魔法科に移ることを話せば最初は怒っていたが、お昼は一緒に食べることやたまには遊びに行くことを約束すれば渋々といった感じで許してくれた。
剣術が既にカンストしていることも理解しているからこそだろう。
事件が起き自分の生活がどんどんと変わっていく。寮もいつのまにか貴族寮に移っており、実家の部屋も昔の自分の部屋に戻ることになったり、メイドや執事たちはいつのまにか優しくなったり(リンの悪口を言ったり、暴力をした奴らは自ら出て行きました)と、かなり困惑もするが暖かい空気にこれでいいのだろうかと悩む気持ちも起きない。
これから起こることで悲しいことがあっても家族や友達がいれば大丈夫なように思える。
一章完結!
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