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4章 惆悵と本懐
10話
一同が席につき話に入る。所々詰まりながらもフランは彼との間にあったことを話し、ロイドがその話に付け足す用の事細かな情報を付け加え伝えて行った。
「、、、呪いか」
難しい顔をしながら何やら考え込んでいるみんなに少し心配になりつつ眺めていると皆、安心させるように微笑んでくれる。
「フランよく無事にこの情報を届けてくれた。お前のおかげでまた違った選択肢を選ぶことができる」
「!」
「えぇ、ルディたちにも伝えないと、、、まずは魔王と話をしないことには何もはじまらないな」
「!魔王と?」
魔族との交流がないとは言えないが多いわけでもなく、秘密裏に行われているため実際のところは何もわからない。前の時も魔王とはあったこともない。今回のことで魔族との間に大きな亀裂ができてしまい、少ない交流もなくなったとは噂で聞いたが、、、、。
「あぁ、平和協定を結んでいたとて、文化の違いは変えられない。こちらが平和であればあるほど、文化の浅い魔族たちにとっては憧れるものだ。憧憬はいずれ怨嗟へと変わることが多い。ならば、そうなる前に繋がりを持ち相互にいい関係を結ぶことが最善だ。こちらとてむやみに戦争をしたいわけではないからな。平等な関係になればあちらも下手に手を出して来ないと思っていたが、、、。裏でコソコソと動いているネズミがいることに気づけないとは」
側近の動向に気づけなかった魔王に言っているのか、隣国が落とされていることに気づかなかった自分自身に言っているのか、おそらく両方だろうが、これはどうしようもないだろう。敵は随分前からこの計画をしていたのだからこちらが気づけるはずもない。
「すぐに動くとしよう。フラン、お前は、今は休め。疲れているだろう?」
「で、でも、、、」
「お前にも後に頼みたいことがある。でも、今は休め、疲れた顔をしてる」
「?、、、うん」
そういえば、もう随分まともに休んでいなかった。極度の緊張状況でぐっすり眠ることもできず、この国に入った時からは噂のこともあって余計に疲れてしまっていた。
「フラン」
「!兄様」
「お前がここまで頑張ってくれたんだ。この情報を無駄にはしない。よく休んで、元気な姿を見せてくれ」
「!うん、ありがと、兄様、父様」
「あぁ」
フランの顔がそれほど疲れているように見えているのか、ここはみんなの言葉に編めることにして部屋に戻った。
「フラン様!よく、よくご無事で!!」
『フラン~~~!!』
「アリア、わっ」
扉を開けた瞬間我慢していたのか、二人が待っていた。
心配していたのだろう、アリアの目は赤くなっておりレイもすごく安心しているようだった。レイはまだフランとの繋がりがあったから生きていることはわかっていたとしても会えないことが悲しかったのかもしれない。
「レイ、、、アリア、、、ただいま」
「!はい、はい!おかえりなさいませ!フラン様」
『おかえり!』
二人に会うとようやく帰ってきたのだと再認識することができた。
▪️
▪️
▪️
「ロイドヴァルト、フランの言ったことに間違いはないのだな?」
「、、、はい、私も彼と話ました。その際、魔法での誓約を結びました」
「!」
魔法での誓約は、魂の誓約とも言われ、もし反意にした時、魂が傷つくと言われている。
「そうか、、、お前たちが、あの国からこちらの国に来るのにかかった月日を見れば近々奴らがこの国に来るのも不思議ではないな」
「そうですね、、、すぐにでも準備を始めないと、、、」
「、、、そのこととは別のことでお話が」
「なんだ?」
この一大事になんの話があるのかと訝しげにロイドを皆が眺める。
「フラン様のことです。あの男、アスセーナからの伝言がございます」
「、、、なんだ?」
「『これは自分だから知っていること、本人でさえ気づいていない。しかし、これからも生きていくのなら気づいていかなければいけない。そしてそれは彼を囲うお前たちも気づかなければいけないことだ』っと」
「気づかなければいけないこと?なんのことだ、、、」
なんの脈略のない話にどういうことなのか皆考えことが思い当たる節がないのだ。しかもそれを言ったのが敵のような立場にいるのでどうも信じがたい。
「、、、フラン様と監察館を出た時のことです。馬車に乗っていた私たちを、魔族が幻影魔法と転移魔法を使用して移動させていたのですが、、、、私は全くその魔法に気づけなかったのです。使用されたことにも、使用中も、、、ですが、フラン様はどうやら気づいていたようなのです」
「「「!」」」
「間違いではなく?魔法を使ったことも習ったこともないフランが、か?」
「はい、おそらく、幻術魔法が使われた時や転移魔法が使われた時のことだと思うのですが、その際窓の外を不思議そうに眺めておられました」
「そう、か、、、いや、まさか、、、」
何か思い当たることがあるのか考え込む父に目を向ける。
「何か思い当たることがあるのですか?」
「いや、、、しかし、、、今は何も言えん。お前たちは魔族との戦いのことを考えるんだ」
「しかし、、、わかりました」
「兄上!」
「今は目先のことを考えよう。いいな」
「っ、、、わかりました」
フランが心配なのは皆同じ、だが、魔族との戦いは国民も関わってくる、国王として、この国を統べる者のつとめを果たさなければいけない。
「ロイドヴァルト、フランの護衛を任せる」
「、、、はい。もう、今回のようなミスは起こしません。そこで昔のように稽古をお頼みしたいのですが、、、」
「!、、、久しぶりだね。いいよ。久しぶりにしようか。手加減はしないよ?」
「もちろんです。よろしくお願いいたします。皇太子殿下」
「はは、昔のようにアルでいいんだよ?」
「、、、呪いか」
難しい顔をしながら何やら考え込んでいるみんなに少し心配になりつつ眺めていると皆、安心させるように微笑んでくれる。
「フランよく無事にこの情報を届けてくれた。お前のおかげでまた違った選択肢を選ぶことができる」
「!」
「えぇ、ルディたちにも伝えないと、、、まずは魔王と話をしないことには何もはじまらないな」
「!魔王と?」
魔族との交流がないとは言えないが多いわけでもなく、秘密裏に行われているため実際のところは何もわからない。前の時も魔王とはあったこともない。今回のことで魔族との間に大きな亀裂ができてしまい、少ない交流もなくなったとは噂で聞いたが、、、、。
「あぁ、平和協定を結んでいたとて、文化の違いは変えられない。こちらが平和であればあるほど、文化の浅い魔族たちにとっては憧れるものだ。憧憬はいずれ怨嗟へと変わることが多い。ならば、そうなる前に繋がりを持ち相互にいい関係を結ぶことが最善だ。こちらとてむやみに戦争をしたいわけではないからな。平等な関係になればあちらも下手に手を出して来ないと思っていたが、、、。裏でコソコソと動いているネズミがいることに気づけないとは」
側近の動向に気づけなかった魔王に言っているのか、隣国が落とされていることに気づかなかった自分自身に言っているのか、おそらく両方だろうが、これはどうしようもないだろう。敵は随分前からこの計画をしていたのだからこちらが気づけるはずもない。
「すぐに動くとしよう。フラン、お前は、今は休め。疲れているだろう?」
「で、でも、、、」
「お前にも後に頼みたいことがある。でも、今は休め、疲れた顔をしてる」
「?、、、うん」
そういえば、もう随分まともに休んでいなかった。極度の緊張状況でぐっすり眠ることもできず、この国に入った時からは噂のこともあって余計に疲れてしまっていた。
「フラン」
「!兄様」
「お前がここまで頑張ってくれたんだ。この情報を無駄にはしない。よく休んで、元気な姿を見せてくれ」
「!うん、ありがと、兄様、父様」
「あぁ」
フランの顔がそれほど疲れているように見えているのか、ここはみんなの言葉に編めることにして部屋に戻った。
「フラン様!よく、よくご無事で!!」
『フラン~~~!!』
「アリア、わっ」
扉を開けた瞬間我慢していたのか、二人が待っていた。
心配していたのだろう、アリアの目は赤くなっておりレイもすごく安心しているようだった。レイはまだフランとの繋がりがあったから生きていることはわかっていたとしても会えないことが悲しかったのかもしれない。
「レイ、、、アリア、、、ただいま」
「!はい、はい!おかえりなさいませ!フラン様」
『おかえり!』
二人に会うとようやく帰ってきたのだと再認識することができた。
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「ロイドヴァルト、フランの言ったことに間違いはないのだな?」
「、、、はい、私も彼と話ました。その際、魔法での誓約を結びました」
「!」
魔法での誓約は、魂の誓約とも言われ、もし反意にした時、魂が傷つくと言われている。
「そうか、、、お前たちが、あの国からこちらの国に来るのにかかった月日を見れば近々奴らがこの国に来るのも不思議ではないな」
「そうですね、、、すぐにでも準備を始めないと、、、」
「、、、そのこととは別のことでお話が」
「なんだ?」
この一大事になんの話があるのかと訝しげにロイドを皆が眺める。
「フラン様のことです。あの男、アスセーナからの伝言がございます」
「、、、なんだ?」
「『これは自分だから知っていること、本人でさえ気づいていない。しかし、これからも生きていくのなら気づいていかなければいけない。そしてそれは彼を囲うお前たちも気づかなければいけないことだ』っと」
「気づかなければいけないこと?なんのことだ、、、」
なんの脈略のない話にどういうことなのか皆考えことが思い当たる節がないのだ。しかもそれを言ったのが敵のような立場にいるのでどうも信じがたい。
「、、、フラン様と監察館を出た時のことです。馬車に乗っていた私たちを、魔族が幻影魔法と転移魔法を使用して移動させていたのですが、、、、私は全くその魔法に気づけなかったのです。使用されたことにも、使用中も、、、ですが、フラン様はどうやら気づいていたようなのです」
「「「!」」」
「間違いではなく?魔法を使ったことも習ったこともないフランが、か?」
「はい、おそらく、幻術魔法が使われた時や転移魔法が使われた時のことだと思うのですが、その際窓の外を不思議そうに眺めておられました」
「そう、か、、、いや、まさか、、、」
何か思い当たることがあるのか考え込む父に目を向ける。
「何か思い当たることがあるのですか?」
「いや、、、しかし、、、今は何も言えん。お前たちは魔族との戦いのことを考えるんだ」
「しかし、、、わかりました」
「兄上!」
「今は目先のことを考えよう。いいな」
「っ、、、わかりました」
フランが心配なのは皆同じ、だが、魔族との戦いは国民も関わってくる、国王として、この国を統べる者のつとめを果たさなければいけない。
「ロイドヴァルト、フランの護衛を任せる」
「、、、はい。もう、今回のようなミスは起こしません。そこで昔のように稽古をお頼みしたいのですが、、、」
「!、、、久しぶりだね。いいよ。久しぶりにしようか。手加減はしないよ?」
「もちろんです。よろしくお願いいたします。皇太子殿下」
「はは、昔のようにアルでいいんだよ?」
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