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4章 惆悵と本懐
12話
そうだ、今はアバドンのことをどうにかしなければいけない。
「残念なことをいうようで悪いが、おそらくアバドンはすでに知っているだろう」
「なに?」
「お前たちから連絡がくる数日前からあやつは姿を消している」
「「「!!」」」
「アスセーナと言ったか?我が弟は。アバドンはそこにいるのだろう。無駄に用心深いやつだからな。作戦に歪みが生じた時点で離れる気だったのだろう。あやつ自身はそこまで強くもないしな。本当に悪知恵が働くやつだ。こちらとしても長年築いてきた平和を壊したくなどない。大いに力をかそう」
「そう言ってくれると助かる。そちらとこちらの戦力があればもう勝利は決まったようなものだろう」
「、、、それはわからん」
ほっとしたような顔で言った陛下に対して魔王はなんとも言い難い顔をして言葉を返した。いつもなら当たり前だろうっと返すような男は悩んでいるのだ。
「なに?どういうことだ?」
「、、、少し前に監獄に閉じ込めていた数名の魔族が脱獄すると言った事件があった。捜索したがどこにもいなく。魔力切れを起こし消滅したものかとも思ったが、、、おそらくアバドンの元にいるのだろう。あやつらはその凶暴性と残虐性が逸脱しているが故に捉えた。そこそこ強いだけでは手も足も出ない。せめてそこにいる皇太子の2/3ほどは強くなければ相手にならん。それに我々純潔の魔族は『盟約』の効力によって人間界では本来の力は発揮できん。しかし、アバドンや、先に言った脱獄どもは魔族と別種のハーフ、その効力はあまり強くない。我も負ける気はないが、さすがに部が悪い」
「、、、消えただろう魔族たちの情報はありますか?」
「あぁ、後でまとめておこう、それと、それは神獣か?」
重い雰囲気の中どうすればいいのかオロオロしていたとき急にこちらを見る魔王にびっくりしてついついロイドの裾を掴む。レイも不安がるフランをまもるように前に立ってくれている。
「あぁ、そうだ。言わずもわかっていだろう?」
「あぁ、神聖な魔力を感じる。ふむ、これなら我が弟の呪いも解けそうだ」
「!ほ、本当、、、ですか?」
「あぁ、これほどの神力に、この繋がり、うまくいけば大きな力になるかもしれんな。神族だからこそだが、、、神族と神獣が一緒にいるとは、まるで神によって道筋を作られているかのようだな、、、」
「!」
少しドキッとしてしまう。神に命じられ巻き戻った自分は魔王が言うように神によって道筋を作られたとも言えるのかもしれない。あの時以外神と話したことなどないけれど、、、。
「呪いの件は一旦おいておこう、フラン、ルディアンと騎士団長を呼んできてくれないか」
「!う、うん」
このなんとも言えない微妙な空気に耐えられなかったのでちょうどいいと思い、さっと部屋を出た。もちろん、ロイドも一緒にだ。
「、、、大丈夫ですか?フラン様」
「、、、びっくり、、、した、、、」
「!」
呆然としているような呟きに後ろについていたロイドはそっとフランの表情を伺うとフランは声も上げず何か安心したような複雑なような表情をしながら泣いていた。
「フラン様、、、」
「違う、、、多分、嬉しいの。俺、何かみんなのためにできないのかなってずっとずっと思ってた。、、、ずっと静かに暮らしていこうって最初は思ってたけど、、、みんな優しくしてくれて、、、お、恩返ししたくて、けどおれなにもできないからなにもかえせ、なくて、、、けど、まだよくわからないけど少しでもみんなの役に立てるって希望が見えて嬉しくて、、、ご、ごめん、もう自分でも何言ってるのかわからなっ」
まとまらない大きな感情をなんとか言語化しようとしている間にもその黒曜石のような瞳からはポロポロと雫が次々と落ちていった。健気なその姿にロイドは無意識にフランの体を強く抱きしめていた。
「そんなこと言うな!俺は、いや俺だけではない。陛下や皇太子殿下もお前がいてくれるだけで幸せなんだ。確かに他のご兄弟は才能がある。でも、だからと言ってお前が無能なのだと誰がいった?これまでみてきたフランは皆のことをよく考えて最善を尽くしただろう?レイがここにいるのがその証拠だ。だから、自信を持て、何もできないなんて言うな」
「、、、」
怒涛な勢いで言いまくるとフランはポカーンとこちらを凝視していた。驚いたからか涙は止まっていた。だが、ほっとしたのも束の間今の状況を冷静になった頭が嫌に知らせてくる。王子であるフランを抱きしめ、敬語も何もなくタメ口で説教じみたことを平民であり一護衛騎士でしかないロイドが物申した。
それだけ聞けば不敬罪で即捕まりそうと言うか絶対捕まる。
「、、、フラン様、申し訳ありません。出過ぎたことを申し上げました」
「!、、、ぉに」
「?すみません。今何か」
「さっきみたいに、、、その、、、普通に接して欲しいのに、、、」
また、少しむすっと言いながらこちらをチラチラとみている。(かわいい)
「いや、しかし、、、」
「他人行儀みたいで、、、悲しい、、、だめ?」
「ダメじゃない」
「!うん」
うっすらと頬を赤くして嬉しそうに小さく微笑むフランはとても可愛くロイドの堅苦しく凍っているのかと言われ続けた心の臓も貫かれた。
「だが、二人の時だけだ」
「うん」
主にフレイの叔父やレイドルト、特に皇太子に聞かれてしまったら災厄国外追放か命の危機がありそうであるし、それに二人だけの秘密というのもなかなかいいものだ。
「残念なことをいうようで悪いが、おそらくアバドンはすでに知っているだろう」
「なに?」
「お前たちから連絡がくる数日前からあやつは姿を消している」
「「「!!」」」
「アスセーナと言ったか?我が弟は。アバドンはそこにいるのだろう。無駄に用心深いやつだからな。作戦に歪みが生じた時点で離れる気だったのだろう。あやつ自身はそこまで強くもないしな。本当に悪知恵が働くやつだ。こちらとしても長年築いてきた平和を壊したくなどない。大いに力をかそう」
「そう言ってくれると助かる。そちらとこちらの戦力があればもう勝利は決まったようなものだろう」
「、、、それはわからん」
ほっとしたような顔で言った陛下に対して魔王はなんとも言い難い顔をして言葉を返した。いつもなら当たり前だろうっと返すような男は悩んでいるのだ。
「なに?どういうことだ?」
「、、、少し前に監獄に閉じ込めていた数名の魔族が脱獄すると言った事件があった。捜索したがどこにもいなく。魔力切れを起こし消滅したものかとも思ったが、、、おそらくアバドンの元にいるのだろう。あやつらはその凶暴性と残虐性が逸脱しているが故に捉えた。そこそこ強いだけでは手も足も出ない。せめてそこにいる皇太子の2/3ほどは強くなければ相手にならん。それに我々純潔の魔族は『盟約』の効力によって人間界では本来の力は発揮できん。しかし、アバドンや、先に言った脱獄どもは魔族と別種のハーフ、その効力はあまり強くない。我も負ける気はないが、さすがに部が悪い」
「、、、消えただろう魔族たちの情報はありますか?」
「あぁ、後でまとめておこう、それと、それは神獣か?」
重い雰囲気の中どうすればいいのかオロオロしていたとき急にこちらを見る魔王にびっくりしてついついロイドの裾を掴む。レイも不安がるフランをまもるように前に立ってくれている。
「あぁ、そうだ。言わずもわかっていだろう?」
「あぁ、神聖な魔力を感じる。ふむ、これなら我が弟の呪いも解けそうだ」
「!ほ、本当、、、ですか?」
「あぁ、これほどの神力に、この繋がり、うまくいけば大きな力になるかもしれんな。神族だからこそだが、、、神族と神獣が一緒にいるとは、まるで神によって道筋を作られているかのようだな、、、」
「!」
少しドキッとしてしまう。神に命じられ巻き戻った自分は魔王が言うように神によって道筋を作られたとも言えるのかもしれない。あの時以外神と話したことなどないけれど、、、。
「呪いの件は一旦おいておこう、フラン、ルディアンと騎士団長を呼んできてくれないか」
「!う、うん」
このなんとも言えない微妙な空気に耐えられなかったのでちょうどいいと思い、さっと部屋を出た。もちろん、ロイドも一緒にだ。
「、、、大丈夫ですか?フラン様」
「、、、びっくり、、、した、、、」
「!」
呆然としているような呟きに後ろについていたロイドはそっとフランの表情を伺うとフランは声も上げず何か安心したような複雑なような表情をしながら泣いていた。
「フラン様、、、」
「違う、、、多分、嬉しいの。俺、何かみんなのためにできないのかなってずっとずっと思ってた。、、、ずっと静かに暮らしていこうって最初は思ってたけど、、、みんな優しくしてくれて、、、お、恩返ししたくて、けどおれなにもできないからなにもかえせ、なくて、、、けど、まだよくわからないけど少しでもみんなの役に立てるって希望が見えて嬉しくて、、、ご、ごめん、もう自分でも何言ってるのかわからなっ」
まとまらない大きな感情をなんとか言語化しようとしている間にもその黒曜石のような瞳からはポロポロと雫が次々と落ちていった。健気なその姿にロイドは無意識にフランの体を強く抱きしめていた。
「そんなこと言うな!俺は、いや俺だけではない。陛下や皇太子殿下もお前がいてくれるだけで幸せなんだ。確かに他のご兄弟は才能がある。でも、だからと言ってお前が無能なのだと誰がいった?これまでみてきたフランは皆のことをよく考えて最善を尽くしただろう?レイがここにいるのがその証拠だ。だから、自信を持て、何もできないなんて言うな」
「、、、」
怒涛な勢いで言いまくるとフランはポカーンとこちらを凝視していた。驚いたからか涙は止まっていた。だが、ほっとしたのも束の間今の状況を冷静になった頭が嫌に知らせてくる。王子であるフランを抱きしめ、敬語も何もなくタメ口で説教じみたことを平民であり一護衛騎士でしかないロイドが物申した。
それだけ聞けば不敬罪で即捕まりそうと言うか絶対捕まる。
「、、、フラン様、申し訳ありません。出過ぎたことを申し上げました」
「!、、、ぉに」
「?すみません。今何か」
「さっきみたいに、、、その、、、普通に接して欲しいのに、、、」
また、少しむすっと言いながらこちらをチラチラとみている。(かわいい)
「いや、しかし、、、」
「他人行儀みたいで、、、悲しい、、、だめ?」
「ダメじゃない」
「!うん」
うっすらと頬を赤くして嬉しそうに小さく微笑むフランはとても可愛くロイドの堅苦しく凍っているのかと言われ続けた心の臓も貫かれた。
「だが、二人の時だけだ」
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主にフレイの叔父やレイドルト、特に皇太子に聞かれてしまったら災厄国外追放か命の危機がありそうであるし、それに二人だけの秘密というのもなかなかいいものだ。
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