両翼少年協奏曲~WINGS Concerto~【腐女子のためのうすい本】

さくら怜音/黒桜

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二冊目 腐女子泣かせのアイドル ~WINGSのライブ潜入レポ

……⑧

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新宿の夜は空が真っ黒になってもまだまだ明るい。
ネオン光るあちらこちらの照明が、夜を楽しむ人々の熱気を物語っているようだ。

そして例のライブハウス会場の外では、似たような色のペンライトとグッズを下げた女の子たちが誰も帰ろうとせず、楽し気に感想を語り続けていた。

「あの子たち、ほんっとおいしいよね」
「ねえねえ、どっちが右? あたしやっぱカツユキ」
「そう見せかけて、ヒカル受けも絶対美味しいよね」
「ねー、もう雑食だから私なんでもいい……二人のイチャコラがもっとみたい」
「もうさ、あの二人で目くばせしながら曲弾いてるとこから無理つらい」
「ヒカルが無茶苦茶な演奏始めても、全部勝行がギターと歌で躾けちゃうところがさあ」
「あんなバンド、他に絶対ないって」
「バックバンドのお兄さんたちがやたら二人に甘いのも美味しすぎない?」
「それな。でもって、みんなしてカツユキを愛でるんでしょ!」
「あー、薄い本出ないかな」
「作るしかないでしょ……マイナージャンルだよ……」
「ツミッターでこの想いを語りつくしたいぃいい」
「えー! ツミッターやってるの? アカウント教えて! WINGSの推し語りしようよぉ!」
「やー、楽しかった。明日もライブハウスこようっと」

そんな暗号めいた萌え語りを延々と続ける女子ファンのほとんどが、腐女子であることに気づいていないのは、今のところ勝行だけである。

【END】

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