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Lv.1 ゲームフレンド ≧ リア友
6 うるさい、ついてくるな
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放課後は生徒指導室でねちっこい教師の口頭注意を受け、ようやく放免となった。
(今どき昼休みにスマホを触っていたぐらいで怒られるなんて)
終始辟易していたが、どうやら通報した誰かが滝沢と喧嘩していると勘違いしたらしい。スマホ使用への注意というよりは、もう高校生なんだからお互いもう少し考えて行動しろというあいまいで高尚な説教の方が長かった。
「サエごめんなぁ」
「……」
何度も滝沢に謝られながら、圭太は帰路についていた。一緒に帰るつもりなどないが、滝沢は自転車置き場から駅までずっと後ろについて来る。朝、最後尾車両でゲームしていたことを知っているということは、同じ電車で通学しているのだろう。
田舎すぎて他に通学ルートがないのも困りものだ。見渡す限り田んぼ、田んぼ。時々民家。物陰に隠れて奴を撒こうにも、身を隠せる場所すらない。
根っこは悪い奴ではないのはわかる。だがやはり性分なのか、陽キャの悪ふざけを軽く受け流せない。こういう雰囲気になるのが一番苦手なのだ。
「ついてくんなよ」
「しょうがねえじゃん、田んぼ道細くて抜かせねえもん」
自分でもとげとげしい言い方をしてしまったなと一瞬後悔するも、滝沢はしれっと受け流す。
確かにこのあぜ道は対向者が来ても困るレベルで狭い。なんならハンドルを切り損ねただけで側溝にドボン、だ。タイミングがどうにも悪い。
「サエってあんまりクラスで笑わねえじゃん。誰ともしゃべんないし。でも安藤と一緒にいる時すげえ楽しそうだったから、もしかして二組の奴らと仲いいのかなーって思ったりしてさ。委員長も気にしてたから」
「……別に。あいつが何組なのかも知らないし。名前も」
「何それ。ほんとにゲームだけの仲間なんだ」
あえて触れられたくない事情をずけずけと指摘されて、圭太はげんなりした。人気者にはわかるまい。友だち一人作るのがやっとの自分にとって、共通の趣味がどれほど重要か。だが滝沢はこちらの心情など知る由もなくガンガン話しかけてくる。
「サエってゲームすげえやり込んでんだろ」
「別に」
「対人戦争系はどうなん?」
「昔誘ってもらったけど、罵声浴びせて殺戮する狂った奴らばっかでつまんねえから秒でブロックした」
「ブロック! やるなあ」
「だってみんな、リアルで誰かと繋がっていたいくせに、顔の見えない他人を貶して叩き潰すとか、どうかしてるだろ。ゲームだからって馬鹿にしやがって。そういうの生理的に無理」
不機嫌な声で圭太は勢いよく本音を吐き出した。
どうせリア充とは折り合わない。クソ真面目めと言われて呆れられるのがオチだし、滝沢とはこれで終わりにしてもいいと思った。それぐらい、心はむしゃくしゃしていた。
(あーあ。これで俺の高校生活も終わったな)
やがて再び、後方から滝沢が話しかけてきた。
耳の遠い年寄りに向かって話すように、わざとらしく声を張り上げて。
「あのさー、俺もFCOやってみたいんだけど。紹介コード教えて。あとラインも交換しようぜ。クラスグループにも招待するから」
「……は?」
思っていた反応と違う。教室グループのチャットで晒し者にでもするつもりだろうか。
「俺さあ、サエと友だちになりたい。ゲームは知らねえけど、アニメは好きなんだ」
「えっ!?」
まさかそんなことを言われるとは思っていなくて、圭太は思わず後ろを振り返った。
「おいあぶねえぞサエ! 前見ろ前!」
放課後は生徒指導室でねちっこい教師の口頭注意を受け、ようやく放免となった。
(今どき昼休みにスマホを触っていたぐらいで怒られるなんて)
終始辟易していたが、どうやら通報した誰かが滝沢と喧嘩していると勘違いしたらしい。スマホ使用への注意というよりは、もう高校生なんだからお互いもう少し考えて行動しろというあいまいで高尚な説教の方が長かった。
「サエごめんなぁ」
「……」
何度も滝沢に謝られながら、圭太は帰路についていた。一緒に帰るつもりなどないが、滝沢は自転車置き場から駅までずっと後ろについて来る。朝、最後尾車両でゲームしていたことを知っているということは、同じ電車で通学しているのだろう。
田舎すぎて他に通学ルートがないのも困りものだ。見渡す限り田んぼ、田んぼ。時々民家。物陰に隠れて奴を撒こうにも、身を隠せる場所すらない。
根っこは悪い奴ではないのはわかる。だがやはり性分なのか、陽キャの悪ふざけを軽く受け流せない。こういう雰囲気になるのが一番苦手なのだ。
「ついてくんなよ」
「しょうがねえじゃん、田んぼ道細くて抜かせねえもん」
自分でもとげとげしい言い方をしてしまったなと一瞬後悔するも、滝沢はしれっと受け流す。
確かにこのあぜ道は対向者が来ても困るレベルで狭い。なんならハンドルを切り損ねただけで側溝にドボン、だ。タイミングがどうにも悪い。
「サエってあんまりクラスで笑わねえじゃん。誰ともしゃべんないし。でも安藤と一緒にいる時すげえ楽しそうだったから、もしかして二組の奴らと仲いいのかなーって思ったりしてさ。委員長も気にしてたから」
「……別に。あいつが何組なのかも知らないし。名前も」
「何それ。ほんとにゲームだけの仲間なんだ」
あえて触れられたくない事情をずけずけと指摘されて、圭太はげんなりした。人気者にはわかるまい。友だち一人作るのがやっとの自分にとって、共通の趣味がどれほど重要か。だが滝沢はこちらの心情など知る由もなくガンガン話しかけてくる。
「サエってゲームすげえやり込んでんだろ」
「別に」
「対人戦争系はどうなん?」
「昔誘ってもらったけど、罵声浴びせて殺戮する狂った奴らばっかでつまんねえから秒でブロックした」
「ブロック! やるなあ」
「だってみんな、リアルで誰かと繋がっていたいくせに、顔の見えない他人を貶して叩き潰すとか、どうかしてるだろ。ゲームだからって馬鹿にしやがって。そういうの生理的に無理」
不機嫌な声で圭太は勢いよく本音を吐き出した。
どうせリア充とは折り合わない。クソ真面目めと言われて呆れられるのがオチだし、滝沢とはこれで終わりにしてもいいと思った。それぐらい、心はむしゃくしゃしていた。
(あーあ。これで俺の高校生活も終わったな)
やがて再び、後方から滝沢が話しかけてきた。
耳の遠い年寄りに向かって話すように、わざとらしく声を張り上げて。
「あのさー、俺もFCOやってみたいんだけど。紹介コード教えて。あとラインも交換しようぜ。クラスグループにも招待するから」
「……は?」
思っていた反応と違う。教室グループのチャットで晒し者にでもするつもりだろうか。
「俺さあ、サエと友だちになりたい。ゲームは知らねえけど、アニメは好きなんだ」
「えっ!?」
まさかそんなことを言われるとは思っていなくて、圭太は思わず後ろを振り返った。
「おいあぶねえぞサエ! 前見ろ前!」
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